<漆>

 

 

〔この―――― 港湾施設、倉庫街の一件があった時と、同時刻―――

 

神宮山よりも、もう一山超えた・・・・山の祠にて―――・・・・〕

 

 

婀:さあ―――出てまいれ・・・・。

  何も、妾達はお主を退治しに来たのではない・・・対話をしにきたのじゃ。

 

邪:う―――ウソぶっこけ!! お・・・お前ら、あれだろ! 神なんだろ!!

  お・・・オレを油断させて―――そのスキに・・・って、そんな手はくわねぇぞうっ!!

 

婀:(ヤレヤレ―――)いかにも・・・しかしのぅ、もう少し冷静になってもらわぬと・・・・

 

女:ふわぁ〜〜〜あ・・・いいぢゃないよ、婀陀那ちゃん・・・。

  こいつ、こっちの言う事に、耳貸さなさそうだしさぁ〜〜・・・とっとと殺(や)ッちまお〜よ・・・(チラ)

 

婀:じ・・・女禍様・・・それはあまりにも―――・・・

女:ぁ゛あ゛〜〜〜〜っ!!

 

婀:い、いかがなされましたか―――?!!

女:もう7時廻っちゃってんぢゃないのよさ〜〜―――!

  あぁ〜〜あ―――せぇっかく『十二国記』愉しみにしてたのにぃ〜〜〜〜

 

婀:は―――・・・(なんぢゃそら・・・)

女:ああん―――もう! 今日見逃しちゃうと、続きがわかんなくなっちまうんだよねっ―――!(←少しキレかけてまつ^^;;A)

 

婀:(ヒク・・・)何を言うとるのかとおもへば・・・不謹慎な・・・・

女:ん―――もう!! あんたの所為だかんねっ!! さっさと終わらせるわよっ―――!

  ほら・・・誓約書の、こことここに、名前書いて・・・それで、拇印押して―――

 

邪:あ――――あのぅ・・・オレの意思は??

 

女:イヤならいいんだぞぅ――― (スラリ―――☆)これでつついて、いなくなったことにしちまえば・・・・(にんまり)

邪:―――――う、分かりました・・・書かさせてもらいます・・・・。

 

 

〔女禍様・・・・あんたそりゃ恐喝だって―――

 

そう、婀陀那と女禍様の二人は、実は妖魔・邪神の、折伏の最中だったのです。

 

『狩り手』とは違う―――“悪”を“善”に・・・ではないにしろ、人間に実害を与えない程度にさせるという・・・・

言葉通りだったのなら、高尚なモノ・・・・な、ハズなのですが・・・。〕

 

 

婀:(ヤレヤレ・・・観たいTVアニメを見れなかった―――と、いうだけで調停に踏み切りおるとは・・・・

  それを知ったら、この者・・・・どういう顔をするのじゃろうかのぅ・・・。)

  ちょっと自己嫌悪―――(げんなり)

 

 

〔少し物事をまっすぐに考える婀陀那にとっては、今回もまた頭痛の種になりそうです―――

 

が―――その時!!!〕

        キ―――――――ン!

 

 

婀:(うん――?)・・・・・こ――――これは!!?

女:ホへ?どうかしたんにゃ? 婀陀那ちゃん。

 

婀:(この方角――――港・・・?!)そういえば・・・・今、『狩り手』の皆が・・・

女:ね――――――ね――――― どうかしたんにょ??

 

婀:(気の所為か・・・・?)

女:おい―――# シカトすんなよ・・・つつくぞ―――#

 

婀:えっ?!あっ――― こ、これはどうも・・・。

  いえ――― 実は、今しがた“魔気”が感ぜられましてな・・・。

 

女:ああ―――それなら、随分と前から漂っていたじょ?

婀:(・・・って、気付いとったんかい・・・)

  ――――に、しても・・・この魔気・・・・以前にも・・・

 

女:知ってんの―――?

 

婀:・・・・・はい。

  誰のか―――までは、特定できませんが・・・・

 

女:それで?今はどうなの――――

婀:ほんの一瞬だけ――― それも、僅かに感ぜられただけですので・・・・今は感ぜられませぬ。

 

女:ふぅ〜〜〜ん、あっそ、んじゃあ大したコトないんだね?

 

 

〔そう―――なんと、婀陀那と女禍サマは、このとき、ジィルガの発した 悪魔の能力(ちから) を感じ取っていたのです。

 

 

そして――――その翌日・・・〕

 

 

お:ちょいと!ちょいと!! ステラさんっ!ナニをぽ〜〜ッとしてらっしゃるの?!

 

ス:えっ?ああ・・・・こりゃ、どうも・・・・

 

お:(むっ―――うぅ〜〜ん・・・)ちょいと―――しっかりして下さいましょねっ―――!

 

 

サ:なんだぁ―――? スーさんのヤツ・・・えらく元気のないのな?

臾:ゅわれてみりゃ・・・そやンなぁ?

 

J:・・・・そいえば――― ここんとこ毎日来てたあの女の人・・・今日は来てないようでしよねぇ??

 

サ:ああ―――あの人な、なんでも急用とかで、故郷(くに)に帰っちまったんだと。

J:へえぇ〜〜〜そなんだ・・・・

 

 

〔どうやら、ステラはステラでジィルガの事を心配している様子―――

そして、サヤたちは、偽の情報を刷り込まれているので、彼女が本国に帰ったもの・・・と、そう思い込んでいるようなのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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