【其の四;妖シ改メ方】
≪壱;性懲りのない人≫
〔自分の父の墓参りの際に、蟠(わだかま)りというものが解けましたしの。
然様―――自分が間借りをしている長屋に、自分の父・団蔵の元配下である“黒鵺”と呼ばれる男の仲介を経て、
転がり込んできた、一見してものんべんだらぁりな 素浪人 こそ、
大店『木曾屋』に忍び込んだ際、人外ノ者に襲われそうになったところを救ってもらった、
“南北”の<町奉行>・・・『双人鷹』―――そのうちの一人、 鷹山冶部少輔秋定 その人だったのでございます―――。
――――と、まあ・・・そんなことがありながらも、舞台は再びあの長屋の、しのの間借りにて・・・
互いの素姓も割れて、もう一歩次の段階へと進んでもよさそう―――・・・なのではございますが??〕
――〜ゆさ ゆさ〜――
蝉:―――んご・・・ごががが・・・zzZz(ゆさゆさ)
・・・っと―――
蝉:ぶぎゅるる〜・・・ぐごぁああ゛〜〜ZZzz(ぺしぺし)
・・・ょいと―――
蝉:・・・ぅ・・・うぅ〜ん―――・・・
誰:―――あっ・・・
蝉:――――・・・・。
誰:――――・・・・。
〜ぶっ〜
し:(ぷるぷる)・・・・・・。#(ぷるぷる)
ええかげん〜・・・目ェ覚まさんかぁ!このすっとこどっこい!!##
―鉄拳制裁―
蝉:ぶごっ―――??! いてて・・・あぃてて―――(え゛・・・あ゛ぁ〜〜?)
あ―――あれ?しのぢゃねぇか・・・ど、どうしちめぇ・・・ふわぁあ〜〜あぁ―――・・・
し:全く―――朝も早くから婦女子の面体に へ を引っ掛けるなんてっ―――!
(秋定様のときとは、えっらい違いぢゃないのよ゛っ! これじゃまるで詐欺だわ??)
もぉ―――聞いてんのっ??
蝉:すか――――・・・ZZZ・・・・
し:#説教しとる最中に寝んな゛ぁ゛―――!!#
〔なんともまあ―――危ういところを二度ばかり救われ、半ば惚れかけていた意中の人物―――の、はずなのに?
いわばいつもと変わらぬ光景に、どうやらしのは業を煮やしているようでございます。〕