≪肆;彼女=左近≠彼≫

 

し:いいですから―――いいですから―――・・・

左:ヤっ―――やめよ・・・しの――――

 

〜どてッ☆〜

 

し:あっ―――・・・

左:うわっ―――

 

むにゅッ

 

 

し:(えっ―――・・・?!)

  (ぱ・・・っ)さ―――左近・・・様? い、今のは―――

 

むんず―――・・・

 

し:(ぇえっ??!)

 

左:頼む―――しの・・・このことは、誰にも云わんでくれ・・・

 

 

〔足と足をもつらせた弾み―――なので御座いましょうか、それとも強引にコトを急きましたるからか・・・

しのと左近が転倒した弾みに、しのの手が左近の胸元に当たりましたるところ―――

そこにはなんとも言い様のない感触・・・男の秋定にはついてはいない―――されど、女である自分の身体にはある・・・柔らかいモノ―――

 

そのことに吃驚致しましたしのは、反射的に手をのけたのではございますが、

なんと今度は左近が、しのの腕(かいな)を掴んで哀願したので御座います―――。

 

然様・・・“このことは他言してはならない・・・”と―――

 

 

そういたしますると、しのは―――〕

 

 

し:もしかすると・・・左近様――――って・・・“女”の方??

 

 

左:・・・すまぬ―――今は何も申せぬ・・・。

  だが―――どうしても・・・と、いうならば、“宵”まで待ってはくれぬか―――

 

し:(左近―――様・・・)・・・・はい――――

 

 

〔単刀直入に、その由を知るべく左近本人に訊こうとしましたるときに―――左近からの応答(こたえ)はありませんでした・・・。

 

―――が、そこには何かの事情があるモノと汲み取り、しのは左近の申し立ての通り、“宵”が来るまで待ったのでございます。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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