第十三話 別 離
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この、ギルドを創設した御大、
ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレィシアス。
その彼女と、彼女のかつての教え子であり、ここの長老として君臨していた、
ジョセフ=アルバート=ベーリング。
その彼らの巡(めぐ)らした、謀(はかりごと)のお蔭で、ここの新長老に収まった、
エルミナール=ド=エステバス。
しかし、彼女の就任の折から、波乱づくし。
それというのも、
ヴァンパイアの彼女を、長老として認めないという、
ハンターや、職員達の一斉退場により、
それは明確になったわけなのですが。
それが、全部が全部というわけではなく、
以前、二回に渡り、彼女に助けてもらった、
コーデリア=ルーク=ラヴェーリアや、
同じパーティの一員だった、
バルバロス=ローゼン=タルタロス、
それに・・・・
彼女の一の親友、
アルディナ=フォン=ガラティーナ
は残ってくれていたのです。
(以前より、その量では衰えるものの、質の方では、勝るとも劣らないようです。)
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・・・・とは、言っても、人員不足は、目に見えて明らかな事、今回は、そんな事から起こったのであります。
(それは、ヱルムを軸にした新体制が発足してから、二・三ヶ月過ぎた頃・・・・
西の洞窟の洞主、ジョカリーヌが久方ぶりに、ギルドに顔を見せに来たようです。)
ギ:あっ、これはジョカリーヌ様、ご機嫌麗しゅう。
それで、今日は一体何の御用で?
ジ:おお、これはギャラハット殿。
いや、何のう、皆よくやってくれておるかと思いましてな?
ギ:ははは・・・・いや、皆務めに精を出してくれていますよ。
ただ・・・・・・
ジ:(うん?)
ギ:ただ、人員が少なくなった・・・・という点を除きましてはね。
ジ:ふぅむ・・・成る程のう、確かに、今の人員の数では、ミッションの数の方が多いようですの。
よろしかろう、それでは、その件に関しては、妾も責の一端は十分にある。
検討してみることにいたそう。
レ:ええっ?!そ、それでは、ジョカリーヌ様が直々に、ミッションの方を・・・?
ジ:これこれ、勘違いされては困る。
妾が、検討する・・・というのは、予備役の者に対して・・・じゃよ。
ヴ:と、申されるのは?
ジ:うむ、正式なハンターになれるための“試験”を、妾の洞窟でなす・・・と言う事よ。
オ:成る程・・・つまり、難易度、“特A”とされるお方様の洞穴なれば、おのずと・・・・
ジ:ただし!妾の洞窟に入るからには、手加減など、一切せぬからな?そう心得られよ。
オ:おおっ!これは手厳しい。
ギ:いや、そのくらいの覚悟なくしては、ここは勤まりはせんよ。
レ:それも、そうですね。
ヴ:うむ・・・・。
ジ:それと、今ひとつ、温情は、これ限りじゃからな?
後々の事は、そちらで何とかするがよい。
(そして、ギルド最上階にある長老室、その椅子に座る新長老ヱルムと、その側近コーディ。
その彼女達に近付く、幹部『五人の支柱』<フィフスメント・ピラーズ>の一人、レオナール=ウォン=ザルフ
そして、ジョカリーヌの意を、そのまま伝えたのです。)
ヱ:・・・・・・って、そう、ジョカリーヌ様が・・・?
コ:言われたのですか・・・・。
レ:はい、そこで、我らの方で考えた挙句に、此度の一件は、上層部だけで片付けようと・・・・。
ヱ:ふぅ〜〜ん・・・・そう。
(・・・・・って)えっ?!じ、上層部・・・・って、もしかして??私も???
コ:私・・・・・も、ですか・・・
レ:その通り。 ですが、我ら六名だけでは、流石に心もとりませんので・・・・。
ですから、過去にあそこに訪れた事のある、あの二人にも参加してもらうのです。
ヱ:はぁ・・・・そうですか・・・。(でも、あの人、快く承諾するかしら?)
レ:なに、アダナなら恐らく了承するでしょう。
何しろ、今は手ごたえのないものばかりですからな?
(そう、このとき、彼ら『五人の支柱』が、弾き出した答えとは。
以前あの洞窟を、長老のヱルムと共に、攻略したことのある二人・・・・。
タルタロスと、アダナ
の二人を巻き添えにしよう・・・・ということだったのです。
そして、一番に説得が困難とされるリッチーに、『支柱』の一人、オルテガが挑むようです。
その、リッチーがいるとされる、6F『エギドナ』にて・・・・
どうやら、一仕事終え、好物のアルコールを、浴びるように飲んでいる者の姿が見て取れます。)
ア:あぁぁ〜〜ん?(ヒック) なんだ、オルテガじゃねーか・・・どしたんだい?
オ:うむ、実はな、予備役の者達の、昇級試験の監督官になってもらいたいのだ。
ア:は・・・・っ、よしとくれよ、んなメンドクセ〜〜事。(ウィック)
オ:それが、 “あの方” の洞窟・・・・であってもか?
ア:は?“あの方”?・・・・って、ジョカりんの?
オ:(二ィ・・・・)
ア:ほぉ〜〜う、なんか面白そうじゃあねぇか、そういうことなら、かまわねぇ〜〜ぜ?
で・・・、私らただ見てるだけ・・・・なのか?
オ:フフフ、そう言うだろうと思って、お前と、タルタロスと、長老様には最深部にて、
あのお方と対峙してもらう手はずになっている。
なに・・・・既にあのお方には、快諾済みだよ。
ア:へへっ、そいつは根回しのよろしいこって。
まあ、こちとら最近、手ごたえのないもんばっかしだしな。(数はあるんだけどもな・・・・)
ンじゃ、やるからにゃ手加減なんて・・・・
オ:一切せん、とあの方は言っておられたぞ。
ア:あっ、そ・・・・。