<V>

 

 

(どうやら、他のパーティも次々と突破、しかし、予想以上の難敵の遭遇に、

いづれのパーティも、無傷な者など、おりはしなかったようです。

 

そして、そんな彼らに優しい一言をかける、長老ヱルムに、アダナ、

彼女達も久々のここに、感慨ひとしおのようです。

 

それから、さらに奥に進む、一向。

そして、この洞窟を進むに従い、とある事実に気づくのです。)

 

 

ア:ア・・・・ア〜レぇ?

コ:どうかしたの?アダナ・・・・

 

ア:あ・・・・いゃあ・・・おーい!ヱルムー! ここ、こんなに短かったっけ??

ヱ:はぁ?何を言ってるの?どうしてそんな・・・・って、あ、あら、もうここですか・・・・。

 

ア:そうなんだ。

 

 

(そこには、目の前に立ちはだかる、大きな壁に、あからさまに怪しいスイッチが・・・・

そう、この洞窟の、 最深部 への一歩手前の 行き止まり だったのです。)

 

 

ア:おーし、今から私が説明してやるから、よく聞いとけよ?!

  いいか・・・今から、私がこのスイッチ押すと、この目の前の壁が、開くようになるから・・・

  そしたら、何も考えずに、ダッシュするんだ、いいな!?

 

ヴ:はぁ?何もそんなに急がずとも・・・

ア:おい・・・・オメー、ペシャンコになりたいのか・・・?

 

コ:ええっ・・・・って、そ、それじゃあ・・・・

ア:そ〜う、その通りよ・・・・じゃ、行くぜ!!?         あ、ポチッとな。

カチッー☆

 

ゴゴゴ・・・・・・

 

タ:よし!開いた、駆けるぞ!!

ヱ:はいっ!

コ:ああ・・・っ、長老様に、タルタロスさん、待って・・・・ひ、ひょえっ?!

 

ゴゴゴゴ・・・・・・・・

 

オ:つ、吊り天井か!!?

レ:ど、道理で・・・・

ギ:グスグズするな!突破だ!!

ヴ:そらっ!急げ!!

 

ズ・・ズズ・・・・・ン・・・・

 

コ:ふ、ふわぁ〜・・・ど、どうにか突破できた・・・・。

ア:なァに!まだまだこれから!!

 

 

(久々に、手ごたえのあるミッション(?)に、どことなく浮かれている感さえあるアダナ。

それも、そのはず、普段今まで自分達のこなしている、ミッションの相手というのは、

グールや、ゴブリンといった、いわば下級な相手・・・・。

 

しかし、今回の相手は、一度過去に対峙したとはいえ、

“史上最強”とさえ言われている、 リッチー だったからなのです。

 

そして・・・この洞窟の最深部・・・・)

 

 

ア:よぅし・・・ようやく来たな。

  に、しても相変わらずの闇だな、こんなの持ってても、何の役にもたちやしねぇ。

  じゃ、消すぞ、いいか・・・・?

 

ヱ:はいっ。

 

コ:・・・・って、ええ??その明かり消しちゃうと・・・・

ア:ま、見てなって。

 

フッ・・・・・

 

(持っていた、松明を消すのと、ほぼ同時に・・・いえ、まるで、それが合図であったかのように、

辺りを薄っすらと照らすように、明かりが、二・三灯りだしたのです・・・・。

 

そして、奥から、ここの主の姿が・・・・)

スゥ・・・・・

 

 

コ:は・・・・はあぁぁっ!あ、あれは・・・・ジ、ジョカリーヌ様!!?

オ:お、お美しい・・・あの方の白が・・・・

ギ:まるで、この薄闇に映えるかのように・・・・

レ:一際浮き上がって見えてくるとは・・・

ヴ:こ、この世の・・・・奇跡だ・・・・。

 

 

ジ:ようこそ・・・・妾が、洞窟内に。

  それで、いかがじゃったかな?ここに入った感想は。

 

レ:はい、試験を受ける者、共々我らもいい勉強になりました。 感謝しております。

 

ジ:うむ、然様か・・・。

 

ア:と〜ころでよう、ジョカりん?ここ、こんなに短かったかぁ?

 

ジ:おや、アルディナ、何か不満な事でもあったかの?

ア:そりゃそうだろ?私らが、前にここ、攻略した時は、まだこれの倍はあったぜ??

 

コ:え゛?ほ、ホントに・・・?

 

ジ:ハハハハ!それは悪い事をしたかのぅ。

  いや、何、今回は単なる試験じゃから、短くしたのじゃよ、ワザと・・・・な?

 

ヱ:え゛?

ア:はぁぁ?い、今・・・・何て??

 

ジ:じゃから、妾が、故意に、短くしたのじゃよ。

  本来の、今のこの洞窟は、前回、お主等が攻略した時よりも、数倍も長くなっておるのじゃからな?

 

  一日では、到底終わるまい?

 

ア:は・・・・ぜ、前回の・・・・倍ィ??で・・・でも・・・・どうして??

 

ジ:ふふ、そのカラクリならばな、その・・・・お主等の、今もっておる、 それ じゃよ。

 

ヱ:それ・・・って、このギルドの紋章ですか・・・・

 

ジ:うむ、その通りじゃ。

  それには、予め(あらかじめ)、とある信号を発するよう、組み込ませておいたのじゃ。

 

  そして、その信号を感知した“ウィル・オ・ウィスプ”によって、

お主等を、この最深部の一歩手前の、行き止まりまで運ばせたのじゃ。

 

つまりは、『空間移送法』の応用という事じゃな?

 

 

(そう・・・・この短時間のうちに、最深部まで辿り着けたのは、やはり、それなりのワケがあったのです。)

 

 

コ:はぁ・・・・そんな仕掛けがされていた・・・だなんて・・・

オ:我らには、図り知れぬ事ばかり・・・だな。

ギ:(美しさだけでなく・・・・知略も兼ね備えられているとは・・・・)

レ:なんとも、素晴らしいお方だ・・・。

ヴ:我らもああなりたいもの・・・・だな。

 

 

 

 

 

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