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ア:えええっ?!!           ヱ:な・・・なぜ?           タ:こっ・・・これは?!         ソ:一体どうしたことだ!!

ジ:バ・・・・バカな・・・?!  信じられぬ・・・・あれだけの炎を・・・・・??

 

(そう・・・・そこには、消し炭になるどころか、逆に炎をその身に取り込んだ、一人の少女の姿があるのみ・・・・だったからである。)

 

エ:どうして・・・・・どうして・・・・、皆私の言う事を聞き届けてくれないの・・・? 私がこんなにもお願いしてるのに・・・・。

ジ:な・・・・なぜじゃ・・・、どうして、岩石でさえ蒸発させる、超々々高熱の炎の中を、お主は平然としていられるのじゃ・・・・、

それに・・・お主、一体・・・・?

エ:私・・・? 私の名は“エリア”よ・・・・、ジョカリーヌさん、それに・・・私の正体だなんて・・・・どうでもいい事じゃない・・・?

じ:ぐっ!・・・・くく・・・・・。

“ヘルペス・ブラーフ・インペテロ・デューム” {大いなる大気の渦よ、炎と化せ}

『フレア・ストーム』!!

(『ハイ・エィンシェント』の一、過流となった炎は約数千度、だ・・・・が、岩石の沸点を超える呪文でさえ取り込まれた今となっては『焼け石に水』)

 

(しかし・・・、この炎も、エリアに届くことなく、彼女に取り込まれる事となる・・・・)

 

エ:無駄よ・・・・、どのくらい無駄か・・・・それを今から思い知らせてあげるわ・・・・・

ス・・・ッ!! (なんと・・・ここで魔術の魔の字も知らないはずの彼女が、呪文の詠唱に入る・・・・)

 

“アー・アル・ハー・カムゥ・・・・・”

 

ジ:な・・・! そ・・・その呪文・・・!?  ま、まさか・・・・そなたは・・・・?

 

エ:

“スー・スゥルゥー・ヴェス・パゥアー・・・・”

 

ヱ:(あぁっ!あれは・・・・もしかして・・・“失われし秘儀”『竜言語魔術』(ドラゴンズ・ローアー)?! それをどうしてあの子が・・・・・)

 

エ:

“ヴィレストロウ・クァム”

{我に逆巻きし、至高の炎よ、命に従いて全ての敵を焼き尽くせ}

 

ジ:古代種族・・・・『竜人族』(ドラゴ・ニュート)の生き残り・・・・!!?

 

エ:半分正解よ・・・・、ご褒美に少し手加減してあげるわ・・・・・・。  “グッバィ・ジョカリーヌ”・・・・。

『アニヒ・レィション』!! {“死界の炎”の意}

 

『竜言語魔術』(ドラゴンズ・ローアー)それは、古えに絶えた(はずの)『竜人族』(ドラゴ・ニュート)達が、得意としていた術・・・、そしてこの術は・・・・

『主物質界』(マテリアル・プレーン)・『精神界』(サイコキネシス・プレーン)・『星幽界』(アストラル・プレーン)『異次元界』(ディメンション・プレーン)

の4つからなる『四界』(故に『死界』とも・・・)からの炎で相手を責めたてるものである。(回避、防御一切不能)

 

ゴッ・・・ゴオオォォォ・・・・・!!   ゴオオォォォォ・・・・・!!

ゴゥオオォォォ・・・・!!    ゴオオオオオオ!!

 

ジ:ぐっ・・・!ぐわああぁぁぁ!! 

(こ・・・っ、これで手加減されておるのか・・・・、ち、力が・・・・・力がまるで違いすぎる・・・、こっ・・・・ここまでなのか・・・、

わ、妾の不死の体が・・・・・・朽ちて逝きよるわ・・・・・)

い、嫌じゃ・・・・妾は・・・・妾はまだ果てとうはない・・・・・、誰か・・・・誰か助けて給れ・・・・・・。

エ:・・・・・・・・・・・。

ス・・・ッ!! (ここでエリア、どうしたことか、右手を掲げ、ジョカリーヌにまとわりついた炎を集約し始める・・・)

 

ジ:ああぁっ!! (ジョカリーヌ、ここで思わず地べたに、這いつくばってしまう)

エ:さ、アダナ様、早くアレを・・・。                                           ア:あ・・・・、え? あっ・・・あぁ・・・。

 

ジ:う・・・・ぁ・・・・、ま、待て・・・・どこへ行くのじゃ・・・、や、止めよ・・・・、止めて給れ・・・・。

  アレを・・・・、アレを妾の手から取り上げんでくれ・・・、妾の一番大切な・・・・かけがえのないものを!!

ア:あ・・・、え、えぇ??                                                     ソ:何をしておる! アルディナ! 早く済ませよ!!

ア:・・・・。 (アダナ、ジョカリーヌの悲痛な叫びに一時躊躇するも、ソロンの一喝により、また柱に向かって走り始める)

ジ:うっ・・・・クク・・・・。 (ジョカリーヌ、思わず下を向き、目を背けてしまう、とそこへソロンが歩み寄り・・・・)

ソ:なぜに目を背けようとする・・・・、あれがお前の大切な物を取り上げているように見えるか・・・?

ジ:え・・・?(何?)ハ・・・ッ! (ジョカリーヌ、ここで再び顔を上げ、柱の方を見やる、すると・・・?)

 

ア:(え〜〜っと・・・あっ! これか・・・・、あのヒゲジジィの言ってたやつって・・・・、え〜〜っと・・・これ・・・と、取り替え・・・て・・・・と)

  これでよし・・・と!! お〜〜し、これで済んだぞ〜〜?

ヱ:はぁ・・・・、ようやく終わりましたね・・・。                               タ:いいや、自分の家に戻るまで、まだ終わらないぜ?!

ア:ア〜〜ホかっ?! タルタロス・・・、お前の言ってること、学院の初等科のガキの遠足のと同じぢゃね〜か!

タ:うんっ?! そうか・・・?                                                 ヱ:ま・・っ! タルタロス様ったら・・・。(クスクス・・・・)

 

ジ:な・・・・なんじゃ、あれは・・・、あの紋章は・・・・! 『協会』(ギルド)のものではないのか・・・!?

  お、お主等・・、ま、まさか・・・・これを取り替える為だけに、この様な危険な事を・・・?     ま・・・敗けじゃ。

  妾はこの方・・・・敗けは戦さ事とばかりに思うておったが・・・・、この世に生きて11,100年、心よりの敗北を味わおうたのは、

  これが初めてじゃ・・・、済まぬ・・・・・許して給れ・・・。

 

ア:え? あ・・・、ま、まぁ・・・いいんだよ! 私達もあんたの洞窟って知らなくってさぁ・・・。

しかも、今回のミッション簡単ってなめきってた部分もあったしな? ま、お相子だよ、お相子・・・。

ソ:ま、そういうわけだ・・・、それに謀らずとも、“逃げのジョセフ”の思惑通りに事が運んだようだしな・・・。 どれ、返すぞ、アダナよ・・・。

ジ:(“逃げのジョセフ”・・・、坊主の事か・・・・)

ア:ちょ・・・・ちょっと待った!!  だ・・・・誰? 『逃げのジョセフ』・・・って、それに・・・『思惑』??

ソ:現長老の事だ・・・・・(シュ・・・・ィィン・・・・)

 

ヱ:そ・・・それでは・・・、長老、このお方の洞窟って知ってて・・・・                           タ:オレ達を行かせた・・・・ってのか・・・?

ア:あんだとぉ〜〜〜!!  あんのくそヒゲジジィ〜〜! 帰ったらソッコーで半殺しだぁ!!

 

(ここでエリア、おもむろにジョカリーヌに近付き・・・・)

エ:どう?! 中々に面白い人達でしょ? ジョカリーヌさん。               ジ:お主・・・、お主、先程の能力といい、『竜言語』といい・・・、一体そなたは何者?

エ:ふふ・・・、な・い・し・ょ 今はまだ・・・ね? そのうち分かる時がきますよ・・・・。

 

 

 

 

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