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(そして・・・・ここで誰にも思っても見なかったことが・・・・!! 周りが炎の海に包まれる中、一つの人影が、

結界の中のアダナ達の元に駆け寄ってきたのです。  そして、その人影とは・・・・・・)

 

エ:お、お願いです! もう止めて下さいっ! どなたかは知りませんが・・・・ご迷惑をおかけしたのなら私が謝ります!

ですから・・・・、この人たちを赦して下さい!!

ア:な・・・っ! エ・・・・エリア?!  どうして・・・・・お前・・・・ここに?  帰ったんじゃなかったのか・・・・?

エ:ご免なさい・・・・アダナ様・・・・・・そうしようと思ったんですけど・・・生憎、帰る道が分からなかったものですから・・・・。

ア:な・・・・・えっ?! (わ、分からない・・って・・・・ここ一本道だったじゃあないか・・・・)

ヱ:(エリアちゃん・・・・) 分かってあげましょう・・・・アダナさん、あなたに頬を張られても、それ以上にあなたを慕い続けるこの子の気持ちを、

  そして、私も救われました・・・、伝説とまで謳われた“リッチー”を目の当たりにしても臆する事無く言ってのけたこの子の度胸・・・・。

  私は、正直恥じ入ってしまいました・・・・。    ありがとうね? エリアちゃん・・・・。

エ:どういたしまして、エルムさん・・・・・。

でも私、こうも思ったんです、アダナ様がもしここで死なれたら・・・・私はこの先どうすればいいのか・・・・、ですから・・・・

本当にご免なさい! 言う事を聞かなくて・・・・。

ア:(エリア・・・・・)  (ここでアダナ、エリアに近づき・・・・・そして・・・・?)

ヱ:(ハ・・・ッ!) だっ・・・ダメです! アダナさん!  また、ぶったりしちゃ・・・・・!!

 

ス・・・・ッ!  (しかし、ここでもタルタロスが無言でエルムを制す、そして・・・・アダナ静かにその右手を上げ・・・・・)

 

エ:(ぶ・・・・・ぶたれる・・・ッ!!(ギュ・・・!)) え・・・・・っ??!  (アダナ、エルムを優しく・・・・そして強く抱擁・・・)

ア:全く・・・・・バカだよなぁ・・・、今、生きるか死ぬかの瀬戸際なのに・・・・、私と一緒に心中したいのか?

  でも・・・・まぁ、もうここまで来たんだから・・・・仕方ないや、いてもいいよ・・・・・一緒に・・・・。

エ:え・・・・・、ほ、本当ですか?!   嬉しい・・・・! 私・・・・本当に嬉しい!!

 

ソ:折角の涙のご対面のところ、真に恐縮なのだがな・・・・、事態は全く好転はしてはおらんぞ・・・。  むしろ・・・・見ろ、あやつのあの顔を・・・。

 

(そこには・・・・、なぜか憤怒の形相をした『リッチー』が佇んでいたわけで・・・)

 

ジ:許せぬ・・・・、よもやそのような幼子を、このような危険極まりない場所に来させようとは・・・・・。

この罪は重いぞよ、消し炭も残らぬよう、燃やし尽くしてくれる!!

“ディダーズ・ロン・ウィル・ゲルハー・アゥンサンブラ” {高名にして、至高なる炎帝の炎よ、我に仇なす者を薙ぎ払え}

『イフリート・キャレス』!!

(先程の呪文と同じくこれも『ハイ・エィンシェント』の一つ、だが、呪文の中に“炎帝”の名が見られるように、こちらの方が威力も格の方も上、

一瞬にして、数千度に上がるその炎に、焼き尽くせない物は無いという・・・・・・・)

ゴオオォォォッ!!

 

ヱ:く・・・・っ! 負けていられるものですか!!  ガムラ、マサラ、迎撃!!

ガ:ハイサー!                                                     マ:ホイサー!

ヱ:今度は・・・・、私の術の中で、一番強烈なのをお見舞いして差し上げますわッ!!

ア:(ま・・・っ、まさか・・・!!) やっ・・・止めろ! エルム、それを使うと術者のお前の体がもたないぞ!!?

ヱ:良いのです! 私はエリアちゃんの行動で目が覚めました! こんな幼い子に出来て・・・、どうしてこの私に出来ない事がありますか!!

  喰らいなさいっ!

“オン・ダキニ・サハハラキャンティ・ソワカ” {汝を束縛せし後、滅殺、灰燼と化せよ}

『天地魔境之陣』!!

(『巫道』の一、術者が作り出す三つの円陣が、相手を捕縛した後、凄まじい勢いで周囲に弾け飛び、最終的には爆炎を伴いながら地面に叩き付けるという術(この時点でのエルムの最強の呪文))

 

ジ:な・・・なんと!  ぅぬぁ!!

 

ズドドォォォォ・・・・!!

 

ヱ:ぅ・・・・ふうっ! (はあっ!はあっ!)

ジ:お・・・・の・・・・れ・・・・!  この死にぞこないめが!!(スッ・・・・スッ・・・スッ)(ここでジョカリーヌ、先ほどと同じく、またなにやら空中に文字を書く・・・・

しかし今度のは古き文字のようで・・・)

ヱ:な・・・!   あ・・・・、あの文字は・・・『梵字』?!

(そう・・・・そこに書かれてあるのは、古き文字、『梵字』でただ一つ、『オーム』と書かれているのみである)

ジ:うつけめが!!  『巫道』を扱えるのはうぬのみではない事を思い知るがよいぞ!!

『六魂封滅陣』!!

(この術、皆さんもお分かりのはずだろうが、エルムが最初にデュラハンを封じるために使った術なのだが、

彼女はこの時『真言』を唱え、そして、ジョカリーヌは『ウィルド・グラフ』によって、その時間を短縮しているのである)

 

ガ:あ、危ない〜〜・・・・                    マ:ご主人さまぁ〜〜〜・・・・

ヱ:あぁ・・・・・ガムラ!マサラ!!

ガ:・・・・・・(ほぇ)・・・・・・。                 マ:・・・・・・・・・・(はひ)・・・・・・・・。

 

ジ:うっとうしいハエ共が・・・・いらざるマネを!!  まぁよい、これで最後じゃ、まとめて片をつけてくれる・・・・。

  妾のオリジナル・・・・・でな。

 

ソ:いかん! あやつ・・・、あの呪文を唱えるつもりか?!                            ア:なんだって・・・?!  あの・・・・呪文???

ソ:かつて・・・7,000年前、あやつがワシの居る魔界に攻め入ってきた時、数千、数万いたワシの部下共が一瞬にして消えた事があったのだ・・・。

  そして・・・、その後には何も残されておらなかった。 ただ・・・・・・

ア:ただ・・・・?                                                       ソ:ただ、何かに深く抉り取られたような地面がある以外はな・・・・。

タ:なん・・・・・だって・・・?! ま・・・まさか・・・?!!

ソ:察しがいいな・・・、そう、そこにあった岩も、マグマになることなく蒸発、気化したのよ! あやつのあの呪文によってな!!

 

ジ:もはや後悔しても遅いわ!  喰らうがよい!!

“ラ・ルバウル・デル・デル・ファース” {我が力の源の青白き炎よ、逆巻け}

『パラディッシュ・エクストリーム』!!

(ジョカリーヌのオリジナルスペルの一、本来、物理的には『固体』⇔『液体』⇔『気体』という法則があるが、

この術には、そんな事など一切かまわずいきなり『固体』⇔『気体』へと、変換してしまうものである、

(岩石の沸点は約2万度以上だと言われている))

 

(しかも、ここでエルムが予想だにしない行動に出てしまうのである。 そう・・・・ソロンが作り出した結界の外へ・・・・)

エ:やめてぇ〜〜〜っ!!

ア:あっ!! バカッ! エリア、結界の外に出るな・・・・・

エリア〜〜〜〜〜ッ!!

 

(しかし・・・・そこで彼らは信じられない・・・・見てはならない光景を目の当たりにする・・・・)

 

 

 

 

 


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