外 伝
東方見聞録 T
<序>
以前、実に意外な形で
フレンス・ブルグの街から
消えるように、いなくなった者
アルディナ=フォン=ガラティーナ
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(そして、とり残された者達は・・・というと?)
コ:あの、ヱル・・・・いえ、長老様。 お食事のご用意が整いましたが・・・。
ヱ:ありがとう。 そこに置いといて下さい。
コ:いえ、どうか今ここで、お召し上がりになって下さい。 ここ数日の間、何も口にされないままでは、お体に触りますから。
ヱ:いいのよ、コーディ。 私なら・・・もう、周囲の目には慣れましたから。
コ:ヱルム!!
ヱ:それより、気がかりなのはエリアちゃんの方よ。 あの子、アダナさんに、これまでずっと付いてきたのですからね・・・。
それに、あれから、家一歩も出ていないって言うじゃあないの。
コ:ヱ・・・・ヱルム・・・。
ヱ:私・・・本当は、私がどうにかしてあげたいのだけれど。 これ(長老職)があるから、そうもいかないのよね・・・。
(そう・・・お察しの通り、アダナの傍には常に・・・といっていいほど、エリアがいたのです。
この・・・自分を実の肉親以上に慕う、少女から離れてまで、アダナがしたかった事とは・・・・一体なんだったのでしょうか・・・・)
<T>
(さて、前回のあの後、アダナが向かった先・・・・といいますと。
フレンス・ブルグ より遥か遠く・・・・ 東の方面 となるのですが、そこはいまだ未開の地、誰一人として踏破した事のない世界だったのです。
東の深い森を抜け、険しい山脈を越えると・・・・・なんとそこは、一面が砂だらけの世界。
そう・・・アダナ達が、見たこともない 『砂漠』 だったのです。
草木一本、ましてや動物のいないこの地に、死活に関わる“水”があろうはずがありません。
その、一面が死の世界のこの場所は、気温が真昼は40℃近くにもなるのが、日が落ち、夜にもなると、零下にまで下がる・・・・というのです。
今まで、自分達がいた場所から考えてみると、遥かに常識を超えた、過酷な世界・・・・だったということなのです。
そして、そんな場所に・・・・よく見ると、ボロキレが一つ?????
いえ・・・・よく見てみると、それはあのアダナなのでした・・・。)
ア:は・・・・あ゛う゛〜〜〜・・・・み・みず〜〜〜〜。
誰・・・・か、水・・・・を〜〜〜―――。
(最低限の装備をしていたにもかかわらず、まさか、今から自分が出んとするところは、こんな過酷な地があるとも知れず・・・・。
そして、今にして思えば、この貴重な水も早々に尽き果て、将になす術がなかったといえます。
そして、アダナ自身、 “これでもう終わり・・・” と、思っていたようなのですが、結果的には彼女は助かったのです。
では・・・・どうして???
それは、丁度ここに、馬に乗った人物(男性)が来たからなのです。)
男:何と・・・この者、水も無しにここまで来たというのか・・・・。 (可哀相にのぅ・・・・。)
どれ、掃除屋に片されぬうちに埋めてやるか。
ア:う・・・ッ、ぅぅ・・・・・。
男:(な!!何と・・・この者・・・まだ息が・・・・。 ・・・・なんという精神力・・・・。)
家にでも連れて帰って、手当てをすれば、あるいは何とかなろう・・・。