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(そして・・・)
ア:ん・・・・・あ・・・・。(ボ〜〜〜〜)
(なんだ・・・?ここは・・・。 私は・・・生きてる?ふ・・・まさか・・・な)
(寝呆けた目と頭で、一端目覚めるものの、再び深い眠りに陥るアダナ。 しかし、その後再び・・・・)
ア:う・・・・・ん??
(同じ光景?・・・・と、云う事は・・・まだ生きているらしい。 ふっ・・・ふふふ、よく考えてみりゃあ、私は死ねん体だったな・・・・。)
娘:あ・・・ッ、気が付いた・・・。
ア:うん・・・・?君は・・・・。
娘:あ・・・・・(もじもじ) し、失礼します!!(たったったったた・・・・・)
ア:(フフ・・・・逃げられたか・・・そういえば、前にも一度・・・・こんな事があったな。)
(そう、再びアダナが目覚めたときには、その傍らに、年の頃は17・8、まさに妙齢の娘がそこにはいたのですが・・・
アダナと顔を見合わせた途端、その部屋から出て行ってしまったのです。
そして・・・・また、そのまま昏倒してしまうアダナ・・・・
それから、二日目の朝。)
ア:うんん・・・・(ふぅ・・・・)。
・
・・・。(どこなんだ・・・?ここは・・・。 あまり見かけないところだな。)
そういえば・・・・あの娘さんは?
娘:あ・・・・っ、も、もう・・・・よろしいんですか?起きられても・・・。
ア:(えっッ?)あ・・・ッ、ああ。 そ、それより私の介抱してくれたの・・・君なのかい?
娘:あ・・・・、(ニコ・・・)あの、少々お待ち下さい。
父上ー!お父上ー!お客人が、目を醒まされましたよ・・・・。
男:なんだね、騒々しい・・・。 お・・・っ、気が付かれましたか、旅のお人。
ア:(うん?)あんたは・・・?
男:おぉ、ワシはな、砂漠のど真ん中でぶっ倒れ取ったあんたを、ここまで運んだ、単なるお節介ヤキだよ。
ア:あ・・・・そいつはすまなかった、命の恩人に対して。 私は、 アルディナ=フォン=ガラティーナ と、いう者だ。
男:ほ・・・すると、あの砂漠の向こうのお人というわけか。 おぅ、ワシはな・・・ 呂孟子明 と申す、一町人じゃ。
ア:ふぅん・・・で、その娘さんは?
孟:はは、あれですか。 これ、ちょっとこちらに来なさい。
娘:ハイ・・・。 私は、娘の・・・ 麗姫 と、申します。
ア:ふぅん・・・成る程、いやありがとう。
孟:ところで・・・アルディナさん。 あんた・・・あんな危険な場所へ、何をしに行っておいでだったのかね?
ア:えっ?あっ・・・・う、うん・・・。
(ここで、正直に話すべきかどうかを迷うアダナ。 そして、彼女が弾き出した答えとは・・・?)
ア:ち・・・ちょっと、先史文明の調査をしていたところだったんだがね?み・・・道に迷っちまって・・・。
孟:ほ・・・ぅ、何と、学者さんじゃったか。 それは失礼な事を。
ア:いや、いいんだよ。 それより、ここ、どこなんだい?
麗:ここは、 呉興(ごこう) というところです。
ア:(呉興??聞いたことのあるような・・・ないような・・・。)
そ、そうかい、ありがとう。
孟:それより、そろそろ飯の仕度が出来る頃合じゃろう。 一段落付いたら卓に来なされい。
ア:あ・・・あァ、ありがとう。
(こうして、呂孟と麗姫の親子は、この部屋を出て行ったのでありますが・・・・しばらくして?)
ソ:『フフ・・・・ククク』
ア:あんだよ、ソロン。
ソ:『先史文明の・・・調査ねぇ。 いやはや、“学者”とはよく言ったもんだ。』
ア:し・・・仕方ねぇだろ?本当の事言っても、どこまで信じてもらえるか・・・。 そ、それに、学者・・・ってのも強(あなが)ち・・・。
ソ:『ま、ワシからは何も言わんがね。 それにしても、間抜けな学者もおったもんだよなぁ。(ククク・・・)』
ア:そいつを言うなって。 まーさか、樹海を抜けて一山越えたら、一面が砂だらけ・・・って、予想だにしてなかったんだもんなぁ。
も・・・もしかして・・・ここって、死んだヤツが行ったりするって言う・・・・あれかぁ??
ソ:『あちらの世界に、あんなみずみずしいのがおるか!』
ア:ま・・・・まぁ、あんなトコで、干物にならなかっただけよしとすっかぁ。 それより、あんまし一人で喋ってるとこ・・・他人に見せられねぇっしな。
さて・・・・と、そいじゃま・・・行きますか。
(どうやら、すんでのところで命拾いをしたアダナ。
それにしても、ハンターである自分を『学者』とは・・・。 (その事には、あのソロンも苦笑もののようですが・・・?)
しかし、何よりも未開の地と思われていた東の地に、よもやこのような文明が形成されていたとは・・・・
これもそれも、あの砂漠が、東西を分断していたのは、想像にかたくなかったに違いがありません。)