<二>
清:フ・・・・だが!! その構えの盲点なら、もうすでに判っている!!
そこから崩すまでだ―――!!
“不敗の構え”―――敗れたり!!!
〔あの頃より・・・八年の歳月が流れ―――当時自分が敗れ去った型を、研究に研究を重ね・・・
そして見つけた、たった一つの針の穴ほどの小さな可能性―――・・・
それをこうも早くに試す事が出来ようとは・・・
それは勝利を確信したのにも似たり―――だったようで・・・
では、そのとき―――彼が放った斬撃とは・・・〕
慈:(ああっ―――)右からの袈裟斬りから―――その返しで逆袈裟・・・
でも、これ―――って・・・
〔そう・・・それこそは、“鬼門”“裏鬼門”からによる攻撃―――・・・
そして、それを真に受けて、よろめいてしまう婀娜奈・・・・〕
慈:(ああ・・・)婀娜奈さんっ―――!!(やっぱり・・・?)
〔そして―――それを見て、まさに“止め”と云わんばかりに、
開け放たれた 中央 を突かんとする清秀―――・・・〕
―――が、しかし・・・―――
綺:・・・・・(にィ)終わりだ――――
〔これにて―――浅からざる因縁が断ち切れるもの・・・と、そう対戦者は思った・・・
やはり―――わざと敗れる気でいたのか・・・と、同じ道を歩んでいるものは思った・・・
でも、どうして―――と、示現の弟子は思った・・・
しかし―――それらを総て打ち消す、高みにて臨む者の言葉・・・
―――終わりだ―――
その時に垣間見えた“笑み”の意味とは―――・・・?
そこで、彼らは見てしまったのです――――決して、見てはならぬものを・・・〕