<五>
小:清秀〜〜―――清秀〜〜―――!!
―――なぜ・・・なぜなのよ!! あなた、あのときはあたしを助けてくれたじゃない!!
それを―――・・・なぜ・・・どうして!!
婀:・・・・お前、こいつの弟子か――――
小:・・・そうよ―――あたしは、示現流の・・・清秀の一番弟子、橋川小夜!!
今度はあたしと立ち会え――――!!
婀:(ニヤリ)・・・そうか―――よかろう・・・・
師のすぐ後を追いたいとは・・・・中々見上げた心がけだ。
かかってくるがいい――――褒美に、苦しまぬよう一刀の下に葬り去ってやる。
小:(ブルブル)(うぅぅっ――――すさまじい・・・見ていただけでも足がすくんでいたのに・・・
それを今、こうして真正面に向かい合ってみると〜〜―――・・・
それを清秀は・・・・こんなのと弑り合っていたというの??!!)(わなわな)
慈:(あぁっ―――)し・・・師範??
綺:(フ・・・)そうだな――――
婀:死ねい――――!!
小:(く――――・・・っ!!)
〔やはり―――と、いうべきか、師を目の当たりで打ち倒されたのは衝撃的だったようで、
清秀の弟子でもある小夜が、今度は婀娜奈と立ち会う様子―――・・・。
確かに―――彼女も、高校生の中では強い方・・・だけれども、
その彼女の師匠にあたる存在を討ち参らせた者を、どうして小夜が仇敵討ちに出来るはずであろうか―――・・・
しかも―――この、摩醯首羅の振るう兇刃は、示現の弟子である者をも、啖らわんと慾していた・・・
―――と、そのとき、この混乱を未曾有に制した者がいたのです。
しかし、それは紛れもなく―――・・・〕
小:(あ―――あれ・・・? あたし・・・無事――――)あ―――っ・・・・
慈:大丈夫?橋川さん――――さ、こっちへきて・・・
小:え・・・っ、でも――――
慈:今は―――この場は師範に任せようよ。
〔容赦なく振り下ろされた兇刃――――それを覚悟して、小夜は眼を瞑り、身を縮こめた・・・けれど、
未だわが身に届かぬ刃を、どうしたことかと眼を開けてみれば・・・
自分よりも年下であり、この道場の師範であるという者が・・・
自分と摩醯首羅の間に立ちはだかり、たった一本の竹刀をして、その羅刹を制していたのです。
そして小夜は、好敵手であるはずのジルに手を引かれ、窮地を逃れたのですが・・・・〕