<二>

 

 

〔それはそれとして―――滞りなく・・・の、授業風景。

どうやら、ジルも、陣も、綺璃惠も、それぞれの教室でマジメに授業を受けているようです。

 

そして――― 一限目が終わって・・・の、小休憩時間に、ジルが隣りのクラスの同門・・・陣に近付いたようです。〕

 

 

慈:オ〜〜―――ッはよ♪陣クン。

陣:アァっ――――と、お早う・・・ございます、高坂さん・・・

 

慈:あのさぁ―――確か陣クンのところ・・・一限目は古典だったんだよね?

  あの人・・・どうだった?

 

陣:ああ、婀娜奈先生ですか―――別に・・・普通に普通でしたよ?

慈:そっか―――ならいいんだ。

 

陣:それより・・・ボクが気になっているのは、同じクラスの竜次さんが、

  学校へ来なくなって、今日で二週間になるってことのほうなんです・・・

 

慈:えっ―――あっ―――そうなの?

  (はぁ〜〜・・・なんだか意外に、ナイーブなんだなぁ。)

 

 

〔そう―――ここで新たなる展開が!!

昨日あれだけ凄まじき死闘を演じていた婀娜奈は、一夜明けた今日にはすっかりといつもの“生徒に好かれる一教師”に戻っており、

心なしかどきまぎとしていたジルを安堵させたようですが・・・

 

どうやら、陣と同じクラスであった 守崎竜次 が、ここ二週間ばかり学校に来ていないというのです。

 

 

そう―――この 守崎竜次 という存在も、間接的にではありながらも、刻烽フ洗礼を受けた者。

第一、彼は小学校のころより“柔”の道へと足を踏み入れ、その素質も十分にあったことからメキメキと頭角を現し、

中学校のころには『全国大会;中学の部』を三連覇しており、鳴り物入りでこの鷹翼に入学したほどの強者(つわもの)だったのです。

 

それが―――ド素人であるはずの陣から奪われてしまった・・・“ありえない”『一本』。

多少嘗めていたカンはなくはないにしても、自分の視界に飛び込んできたのは、柔道場の天井であり―――

その時、初めて味わわされてしまった“敗北感”に―――・・・

認めたくはなかったけれども、認めざるをえなかった―――と、云うところのようです。

 

 

その―――彼は今・・・この町の公園で、数人の集団に取り囲まれていたのです・・・。〕

 

 

侠:オゥオゥ―――ワレぇ〜〜他人にぶつかっといて、そりゃないやンけぇ〜? あ゛ぁ〜ん゛?!

 

竜:―――――・・・・。

 

チ:ほ〜〜―――こいつ、一丁前にオレら睨み返してるぜ・・・おぉ〜コワ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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