<四>

 

筧:はん―――っワレの漢気、気に入った・・・じゃがのう・・・やっぱワレは足手まといじゃ。

  ほいじゃけぇ―――(スラスラ〜)このメモのところへ逃げちょけぇ・・・。

 

竜:これは―――・・・いや、しかし・・・

筧:ええけん―――行っとけ・・・。

  ほうでなけりゃあ、ワレまで巻き添え食わす羽目になるけんのぅ。

 

竜:巻き・・・・添え・・・・―――(ゴクリ)

筧:ほじゃけん―――先にそこへ行っちょれ。

  手前も、じきそこへ行く算段なんじゃけぇ・・・

 

竜:わ―――判った・・・

 

チ:(ち――)誰が逃がすかよぉ! サツにでもたれこまれたら厄介だ・・・

 

筧:(フ・・・)心配せぇでも―――今からあれが行くところは、手前の知り合いのところよ。

チ:ナニいっ?! じやあ―――匿われたついでに通報かまされる可能性 大 ぢゃねえか!

  おいっ―――!なんとしてもあいつを止めるぞ!!

 

筧:(フゥゥ〜〜)判かっちょらんのぉ―――・・・おんどれらは、手前に喧嘩売りよったんでぇ・・・・(ゆらぁ〜)

  ええか――― 一つ判り易ぅ云うといちゃるわい・・・広島でのぉ・・・喧嘩ゆうたら・・・

 

弑るか・・・弑られるか・・・

  ―――でぇ・・・

 

 

〔それでもなお―――助太刀しようとするこの若者の心意気に、その女性はいたく気に入るところがあったらしく、

その心意気を無駄にしないよう、ある場所を指定して、そこへ行くよう指示したのです。

その場所こそ―――・・・

 

しかし、その場所へ竜次を行かせるとなると、警察に通報をされるのが目に見えているので、

チンピラ連中はそれを阻止しようとするのですが・・・

 

このとき―――その場所の謂れと、その女性の背後より立ち昇る、ある神仏を象(かたど)ったオーラのようなものは・・・

そこにいた誰もが気付くはずもなかったのです。

 

 

閑話休題―――

今日は、他の部の手伝いをするでもなく、一路家路を目指すジル・・・と、そこへ―――?〕

 

 

陣:あ・・・っ、高坂さぁ―――ん! 一緒に帰りませんか?

慈:あ・・・陣クン。

  いいけど〜〜―――それより君、今日柔道部は?

 

陣:あ・・・いや〜〜―――それが・・・(ちら→)

はろ〜〜ハロ〜〜:婀

慈:――――ッて・・・あの人がそう誘え・・・・って?(ヒク)

 

陣:は―――ははは・・・(ポリポリ)

 

慈:(たっはぁ〜〜―――・・・あの笑み、もしかしなくってもなんか企んでるんだろうなぁ〜〜)

 

 

〔なんとも―――急に積極的になったのか陣君、ジルと一緒に帰ろうと誘ったようでして?

でも・・・その影には、やはり―――の、あの人、黒江崎婀娜奈女史の目論みも少なからず入っていたようでつ。

 

こうして―――めでたく、三人仲良く帰りましたとさ・・・・と、なるものと思いきや??〕

 

 

慈:あ〜〜―――っははは・・・せ、先生もこっちの方向だったんですねぇ〜

  イヤ・・・奇遇―――だなぁ〜〜

婀:はいはい―――無理なお芝居はしなぁ〜いの。

  この校門から一歩出れば、私たちは赤の他人―――なんだからさぁ〜〜(でへでへ)

 

慈:(うはぁ〜ヨカン的中・・・)ち、ちょっと―――陣クン? 私と婀娜奈先生との間に入ってくれないかなぁ・・・

陣:えっ―――?はぁ・・・いいですけど・・・

 

婀:(むふふ〜ん)姑息な手を使っちゃってるようだけどぉ〜ん?

  今の私には、そんなことムダムダァァ〜〜―――(グフフフ・・・)今ならイッペンに二人までならOKだわよぉ〜?

 

慈:(ひ・・・ヒャアア〜〜! こ、こりゃ―――下手な考え休むに似たり〜ってなことかぁ〜?)

 

婀:(プクク・・・)なぁ〜〜んてさ―――冗談よ、冗談・・・

 

慈:(冗談・・・つっても、この人の場合そうには聞こえないんだよねぇ。)

 

 

〔またしても―――危ぶまれるジルの貞操の危機・・・と、ともに陣の童貞も同時に危ぶまれたようですが、

ところがどっこい―――単なる性質の悪い冗談だったようデス。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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