<七>
銀:―――ん?どうか・・・しなさいやしたんで?
婀:(――フ)いやね・・・この子達、こんなとこ来たこと滅多となくってさ―――それで驚いてんのよ。
それよりさ、あの人・・・来てる?
銀:“あの人”―――ああ、あの方ならもうお越しになりやして、奥の方でうちの女将と語らっておいででやすが・・・
婀:(フフ〜ン♪)―――じゃなくて・・・(ピラ)これを送った主の事。
銀:(ぅん?)――――・・・・これは!!
―――ということは、もうすでにこの地に?!
婀:・・・・と、いうことになるよねぇ〜〜―――(にィ)
銀:フフフ・・・なるほど―――久方ぶりに『死天王』揃い踏み・・・と、云うことでやすか・・・
判りやした―――少々お待ちくだせぇ・・・女将を呼んでめぇりやす。
〔しかしながら―――この銀次というものも然る者。
ジルと陣の投げかける視線に気付いたようなのですが・・・そこを上手く婀娜奈がフォローに廻り、
何事もなく済ませたようです。
―――と、そこへ、婀娜奈がこれから会おうとする人物の事についての談話に入るのですが、
銀次は何を思ったのか、“ある方”はすでにき手、ここの女将と語らいあっている―――としたのです。
すると、婀娜奈はすぐに、今回の事の発端とも成るべき、件のエア・メールを銀次の前に突きつけ、
この静かで穏やかな町が、また騒がしくなるであろうことを・・・暗にほのめかせたのです。
それから―――銀次は、改めて女将と顔合わせさせるべく、呼びに奥へと入りましたところ、
ジルが婀娜奈に近寄り―――・・・〕
慈:――――ちょ、ちよっと・・・婀娜奈さん・・・今の、あの人―――
婀:ああ?嗚呼〜銀さんのアレね・・・心配しなくても、今は実害なんてないわよ―――“少なくとも”ね・・・(ニ)
慈:(えっ?!)“少なくとも”―――って・・・なんなんデスか、その気になる表現。
婀:おっ―――来た来た・・・お〜い!こっちこっち―――!
〔そして、銀次の姿が奥に入っていくのを確認して、ジルは彼の身体にあった不釣合いなモノ・・・『刺青』の事を訊こうとしたところ、
婀娜奈からは“少なくとも”今は実害を持たない大人しい存在である事を、吹き込まれるのですが・・・・
やはりそこは不安な要素がつまっているので、安心は出来ない・・・と、云ったようです。〕