第二話         婀娜なる者、現る!!

 

<一>

 

 

〔ここは高坂家―――ご存知ここのご息女、慈瑠華と、彼女の武道の師、(師??)綺璃惠が、

組み手を行っているようでありまする。〕

 

 

綺:―――始めぇい!

慈:哈ぁっ!!

 

 

〔綺璃惠さんの、“始め!”の掛け声と共に、ダッシュし、一気に間合いを詰める慈瑠華、

そして、休む間もなく、

上下二段の、同時突き

左足払い

踵打ち

奥襟を掴み→倒れこんでの止め技

 

まで、もって行こうとするんですが・・・・逆に―――

上下突き払い

小ジャンプ→中段の蹴り

右袖口を掴み→逆襟を取っての

投げ技

で、難なく切り替えさえてしまうのです。〕

 

ズダダ―――ン!

 

慈:くはぅ! ・・・・ま、まいった――――

 

綺:フフ、まだまだだのぅ、師範代。

 

 

慈:はぁ―――いやしかし、参っちゃうよなァ・・・実際。

  今の、一本取れると思っていたのに・・・。

 

綺:その慢心がいかんのだよ。

まぁ・・・わしから、一本取りたけりゃ、今後は、目の動きと、体の各部まで、注意を行き渡らせる事だ・・・な。

 

慈:は・・・・あ・・・目、目の動き・・・ですか。

綺:うむ・・・まあ、それで、大体の、次点の動きが、把握できるというものよ。

 

慈:(で・・・っ、でも・・・ついつい、次どこ攻めようか、目で追っちゃうモンなぁ〜〜。)

 

綺:ホれ、そんなトコで寝とらんと、さっさとかかってこんか。

 

慈:は・・・・はい!!

 

 

〔そんなに、歳の差がはなれていない彼女達、(かたや17、かたや、15)

しかも、自分より、目下の者に、こうまで言われるなんて・・・(ちょっと、内心傷付いちゃってるのよね?ジルちゃん・・・)

 

そして、この後も、攻めかかりながらも、そのこと如くを封じられ、4・5回は投げられたであろう慈瑠華・・・。〕

 

ドダダ――――ン!――☆

 

慈:ぅふぁっ!     はぁ〜〜―――も、もうダメですぅ〜〜〜師範・・・。(くてぇ・・・)

綺:なんだ―――だらしのない。

このわしより、2つしか違わんのに、もうバテたのか?

 

慈:め―――面目ない・・・。

 

綺:―――まあ・・・よかろう、今日は上がりだ。

  わしは一足先に風呂に入っておるからな、師範代は掃除を済ませてから入りなさい。

 

慈:は・・・・はい! どうも、今日一日、ありがとうございましたぁ!!

 

綺:む・・・・。

 

 

〔こうして、今日一日の修練が終わったようです。〕

 

 

 

 

 

 

 

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