<二>
〔・・・・で、実は・・・今回のお話は、これから・・・・が、本番なんス。
慈瑠華が、道場の清掃を一通り済ませてから、今日一日の疲れと、汗を流すべく、
入浴たぁ――――いむちう♡
の、ようです。〕
慈:はぁ〜〜――――今日も一日、疲れちゃった―――。
しっかし、師範も、もうちとばかし、手加減してくれてもよさそうなのになぁ・・・・。
〔湯船に浸かりながらも、今日一日の事を振り返る・・・・これが、彼女の日課の一部でもあるようです。
―――・・・が!実は、このときすでに、この家に異変が!!
―――と、いうのも、なんと、今、慈瑠華が入浴を愉しんでいる時に、その浴室近くで、人影が・・・・!
(これ・・・・って、もしかしなくても・・・・ ノゾキ ですよねぇ??)
でも、そんなことは露ほども知らない慈瑠華、洗髪に、体を洗う・・・などの一通りの事を済ませ、再び浴槽に浸かった・・・・の、ですが――――
さすがの彼女も、この異変に気付いた模様なのです。〕
慈:フッフフ――――ん〜♪ あぁ――――っ、いい湯だわ―――もうっ、サイッコ――――!
(ちら・・・)(・・・・あれ?なんだか・・・・ちょっと窓、空いてんなぁ・・・・)
フフ――――っ、師範、閉め忘れちゃったのかな、どれ・・・・私が――――――
〔そして・・・・浴室の、窓を閉めようと、そこに近付いた時――――その近くには、なんと、他人(ひと)の目が!!!〕
誰:・・・・・・(じぃ)・・・・。
慈:(え・・・・っ!?) っつ―――って・・・・え゛え゛え゛〜〜〜〜〜っ!!??
いっやアァァ―――――っ!チカン!ノゾキよおぉぉぅっ!!
誰か来てぇ―――――っ!!
誰:うわわ・・・。
綺:どうしたのだ!!?
慈:あぁ―――っ・・・し、師範!! の、ノゾキですっ!今、この外に・・・覗き魔がいたんですっ!!
綺:(ナニ?外に・・・?) 分かった、わしが見てこよう・・・
慈:お・・・・お願いします・・・。
〔こうして、綺璃惠が浴槽の外を、調べ上げたのですが・・・・〕
慈:え・・・・に、逃げられた??
綺:うむ・・・・。
わしが出たときには、もう誰もおらなかった。
慈:そ・・・・そうでしかぁ〜。(かっくし)
綺:だが―――それなりの収穫はあったぞ?
慈:え?し、収穫・・・・ですか??
綺:うむ、誰かは分からんが、この外で立って見ておったのは、確かなコトだ。
慈:――――と・・・いうコトはぁ・・・・。
綺:―――足跡・・・・だよ、しかも、大きさが分かるくらい、―――くっきり―――とな。
慈:ぅぇ・・・・。(ぅわぁ・・・ゾッ!としないわぁ〜。)
綺:わしの見たて―――だと、身の丈は、190はあるかなぁ。
それに、重さも、推定で70内外・・・・
慈:や・・・・やっぱ、男―――なんですよね?
綺:ぅう〜〜〜ん・・・女で、ノゾキを働く―――と、いうのは、聞いたコトもないしなぁ・・・・
まづ、やはり、男と見立てても・・・・
いや、しかし―――・・・
慈:え゛?ど、どうかしたんですか??
綺:いゃ―――ナニ・・・・“その手”の、女―――だったら、あるいは・・・・と、思ってな。(じろ)
慈:そ―――っ、その・・・“手”??(ゴク・・・り)
綺:うむ・・・しかし――――それを、わしの口から、言ってよいものやら――――ちと、はばかられるしなぁ・・・・。
慈:(も・・・もしや!!)
綺:確か・・・・・・・レズ・・・・・。
慈:わぁ――――っ!わわぁ――――――っ!
な、何いってんすか!し、師範!!
綺:(むふふふ・・・)おや?どうかしたかな?師範代。(ニヤニヤ)
慈:いっ・・・いえっ!なんでも・・・・ッ!(うぅ・・・わ、私・・・でったい、この人に、もてあそばれてんだぁ〜〜〜)
〔なんとも・・・・慈瑠華、自分よりも、2歳年下に、いいようにされてるようでつ。
(に、しても―――まあ・・・ちう学生で、そんなことにお詳しい綺璃惠ちゃん・・・って、一体・・・・)
――――・・・と、そんなことよりも??〕
綺:(ふぅむ・・・・あの足跡に―――、この家の、内部に通じている者―――か。
フフフ、どうやらあの者が、武者修行より帰ってきたようだな・・・。)
〔どうやら、綺璃惠ちゃんは、この犯人像―――に、心当たりがあるようなのですが・・・?〕