<三>
〔あ、さて―――その翌日・・・
その日も、一日、勉学に励み、汗を流してきた慈瑠華が、帰宅途中のようです。〕
朋:(間宮朋子;慈瑠華の友人の一人)
へぇ〜〜〜〜、ジルのとこに、ノゾキ、現れたんだ―――。
慈:そ―――なのよ・・・参っちゃうわよねぇ・・・実際。
朋:でっもさぁ―――、あんた、胸もそこそこあるし、無駄な肉付いてないから、見た人って得したんじゃあないの?
慈:じ・・・冗談ヤメてよ!トモ・・・。
私、本当に、怖かったんだからぁ・・・。
朋:へへっ、ゴメンゴメン。
―――・・・に、しても、あんたの家、武家屋敷みたいなのに、よく浴室のある場所分かったわよねぇ・・・その犯人。
慈:(ハ・・・ッ! い、言われてみれば・・・)
う・・・・っ、うっわぁ〜〜〜、なんだか、余計に怖くなってきたよ・・・。
朋:(あっらぁ〜〜〜、なんか、余計な事、言っちゃったかなぁ・・・・私。)
(・・・って)わ!すご――――
慈:え?何?(・・・・って、) あ―――――・・・・
〔慈瑠華が、友と語らいながら、家路に着く道中、二人して、とんでもない人物に、出会ってしまったのです。
その、人物像・・・と、いうのが?
長い黒髪を、ポニー・テールで、縛り上げ
目には、サン・グラス
身長は、195cmはあろうかと思われる
女性が・・・
しかも、これまた
自分の豊満な胸を、強調するかのような
露出度ギリギリの
キャミソ−ルに
ヒザ上まで、裾を切ったジーンズ
きゅっと締まった足首
―――・・・と、まさにモデル顔負け、とも思える出で立ちで、向こうのほうから歩いてきたのです。〕
美:―――・・・。(つかつか・・・)
朋:(うっわぁ――――)
慈:(はぁぁ―――――)
〔・・・・どやら、二人共、声が出ないようでつね。〕
朋:ねぇ――――ねえねえ!見た?! かぁ――――っこいぃ〜あの女(ひと)・・・・。(ぽ♡)
慈:う・・・・うん・・・。
同じ女性なのに・・・・ついつい見とれちゃったよ・・・。
朋:で、でも・・・あんな美人、近所には住んでいないよねぇ?
慈:そうだね。
―――あ、もしかして、最近越してきたのかも。
〔その女性の、破格の躰つきに圧倒され、半ば声も出ない状態の慈瑠華、何とかお家へ・・・・。
そして、その日の稽古をしている時に、どうやら誰かが、尋ねてきたようです。(もしかして・・・・道場破り?)〕
美:今晩は――――。
母:あら、いらっしゃい。 まぁまぁ、随分とお久しぶりだ事。
さ、早くお上がりなさい。
美:それじゃあ、遠慮なく―――。
母:ああ、あの人なら、今、道場よ。
美:あ―――っ、そうですか、では、そちらに行ってみます。
〔どうやら・・・昼間の、あの美人モデル(モドキ)の、ようですが・・・・この家の母親とは、面識があるようで?
しかも、自分の持ってきた、荷物を客間において、どうやら道場のほうに、向かうようですが――――
そのころ―――道場では・・・・と、言うと?〕
綺:よいか―――ここをこう――――
慈:ええ〜〜―――っと・・・こう、ですか?
綺:ああっ!違う!違う! そこをそうしてしまったら、次の動作に、間に合わなくなるだろが。
慈:は――――はぁ・・・・。
綺:よいか?技の基本―――と、いうのはだな、次点に、どう動けばよいか・・・・を、既に考えて作っているもんなんだ。
自分の考えだけでは、足らぬ―――と、言う事を、よく頭の中に入れておくようにな。
慈:はい。
綺:よし、では、今日はこれま・・・・
〔慈瑠華と、綺璃惠ちゃん、技の特訓中だったようです。
そして、技の何たるか・・・・を、解説、理解したところで、今日のところは終了――――しようとしたところ、
ここで、突如、道場の扉が・・・!!!〕
たあぁ―――――――ん!――☆
綺:(む・・・っ!)誰だ?!
慈:(え・・・っ、こんな時間に・・・)誰―――? あ・・・っ!!あなたは!!!
美:――――・・・。(つかつかつか)
〔慈瑠華が驚いたのも、無理はない・・・そう、こんな武道場に、縁のなさそうな、昼間の美人モデル(モドキ)が、ここに――――
しかも、こんな時間に尋ねてくる・・・・なんて、ひょっとして、この美人が、道場破りを??
それとも、入門??とも、考えられなくもないのですが・・・・。〕