<二>

 

 

〔それは―――現在より時間を遡る事、昨日のPM4:00過ぎ・・・

場所は、『練武館』にて。〕

 

 

婀:(だはっ―――はぁっ!!)ス、スミマセぇ〜〜ん!!遅れちゃいましたぁ―――!(ガッ―――・・・)

  ―――って、あ、あれ?ち、ちょっとぉっ?? あ・・・開けて下さいよぉぉ〜〜!(どんどん!)

  私ですよぉぉ〜〜・・・私!黒江崎でェぇ〜〜―――ッす!!(どんどんどん!)

 

 

〔なんと、それこそは、いたいけな女子高生を救い終え、予定通りのところへ行って、予定通りの買い物をしてきて・・・

そして、予定よりちょっと(つか、大幅に)タァ〜イムオゥ〜ヴァァ〜してしまった婀娜那の姿が・・・

 

しかも?遅刻者宜しく、その扉は固く閉ざされたまま―――

でも、それではかなわん・・・と、した婀娜那は、体裁も衒いもなく“哀願”するのみ・・・だったようデス。

 

すると―――固く閉ざされた扉の向こうからは・・・〕

 

 

―――知らんっ!最低限の約束を破る子なんて・・・ワシは知らん!!―――

 

婀:(がぁぁ〜ん)しょ―――しょんなぁぁ〜〜

  折角『神無月』の羊羹、買って来た・・・っていうのにぃ〜

 

 

〔この―――万夫不当の婀娜那を向こうにまわし・・・しかも締め出しを食わせている御仁・・・

でも、その御仁の前では、婀娜那でさえ赤子同然―――

 

と、そこへ・・・かねてから用意していたもので、天の岩戸を開けよう―――と、してみれば??

果たして―――〕

 

〜ずず―――・・・

 

綺:(じろり)・・・・それは本当か?

婀:はいい〜♡もちのろん!♡

  ほらぁ〜(ガサ)

 

綺:(フム―――)まあ・・・よかろう、入れ。

婀:(ニヘヘ――)よっしゃあ―――!

 

 

〔ほんの僅かな隙間より、眼だけをのぞかせ、自分を鎮めるための供物(羊羹)を確認する、刻烽フ師範殿・・・

でも―――これ・・・って、明らかに“モノ”で釣られてますよねぇ〜?綺璃惠ちゃん・・・。

 

―――と、まあ、それはともかく、先ほどまで稽古をしていたこの二人も、限(きり)も良いので中断することとなりまして・・・〕

 

 

慈:じゃ―――ちょっと休憩しよっか。

陣:はい―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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