<四>
〔でも・・・それで怒るのは、余りにも小さな料簡―――とも思えなくもないのですがぁ〜?
実は・・・この先には、まだまだ続きが存在するのです。〕
婀:いやっ―――あのっ――――そのぉ〜〜・・・・
い、行ったら・・・もうそれ(抹茶あずき)すでに売り切れてましてですねェ・・・
綺:フン―――『売り切れ』ねぇ〜・・・。(じと目)
まあいい、お前の分は なし だ―――
婀:え゛―――・・・えぇ〜〜っ!!?
そ、そんなぁ〜〜せぇっかく、私も愉しみにしてたのにぃ〜〜!
綺:だぁぁ〜〜―――まれっ! この、トウヘンボクが!!
―――っっ・・・たくぅ。
婀:う゛ぃ゛ぃ゛・・・(しょぼ〜ん)
〔なんとも―――そのお店の“人気商品”ともいえる品物を獲得できずにいたことを、
実に見苦しいまでの言い訳をしたおかげで、婀娜那だけ“おあづけ”状態に晒されたようです。
――――と、ところが・・・〕
母:あのぉ〜〜・・・ちょっと失礼―――
慈:あっ、お母さん―――どうしたの?
母:いえ・・・今―――ね、神無月の人がいらっしゃって・・・
“やはり今日でないとだめだ”そうなんだけれど・・・。
慈:はあ?
陣:えっ?
綺:はて・・・?
婀:(ギク!)
慈:今でないと―――・・・
陣:ダメ??
綺:・・・どういうことなのかね―――?
(コソ〜リ・・・):婀
母:さぁ〜〜・・・でも、ここに『羊羹二棹―――金肆阡円也』っていうのがあるんだけど・・・
慈:よ―――羊羹・・・
陣:二棹・・・
綺:・・・・・・・・黒江崎#
(びっくぅ!):婀
綺:これは・・・どういう事か―――きっちり説明をしてもらおうか!?#
婀:ああ゛〜〜ッ・・・あのバイト君、あれほどゆっといたのにぃ〜〜
慈:(ピク)あの―――“バイト君”?
一体何をしたんですか―――婀娜那サン・・・
〔ここでなんと―――ジルのお母さんが『練武館』に顔を見せ・・・
すると、片手に持っていた領収書―――しかも、今食べている“羊羹二棹”の・・・
それが、今をしてなお『今日でないとダメ』な理由・・・とは??〕