<七>
〔どうやら婀娜那先生、『自習』を使ってこの場を切り抜けたようですが・・・
まあそれはともかくとして、その授業が終わっての休憩時間、ジルが、一人では心細いので、
隣のクラスにいる、あいつを誘うようですよ。〕
慈:(あっ―――いた・・・)お〜〜〜い、陣くん! ちょっと―――こっち!
陣:えっ?アレ・・・? 高坂さんじゃあないですか―――どうしたんです?
慈:いや・・・あのさぁ〜〜昨日から婀娜那さん元気なかったじゃない?
でね、私のトコ―――さっき授業あったんだけどさぁ・・・
昨日からずっとあんな調子だったから、あの人から授業ボイコットしちゃったわけなのよ。
陣:はぁ――――・・・・それは大変ですね。
慈:そこでね?内情を知る私としては、今からあの人のところへ行って、
少しでも元気出してもらおう―――ってワケなの。
陣:(ふぅ〜ん・・・)それ―――って名案ですよね。
慈:でしょ?! だから、今から私と一緒に職員室まで付いてきてほしいの!
陣:(え??)は・・・・はあ――――
〔なんとも・・・日頃鍛錬の際には、隙あらば狙われている――――にもかかわらず、健気な事でございまス、ジルちゃん・・・。
そこで、同門である陣も、今回ばかりは少し同情したのか、ジルとともに婀娜那を慰めに行くようなのです。
そして、職員室に入ってみれば・・・・〕
婀:呆゛〜〜〜〜・・・・(真っ白ケ)
慈:(お゛わ゛・・・こりゃさっきより程度がひどくなってない?)
陣:(・・・・と、いうか、なんかすでに魂が抜けかかってるようなんスけど・・・)
慈:ぁあ〜〜・・・あの―――せ、先生?
婀:ん゛〜〜〜―――あ゛〜〜〜――――
あ゛? あ・・・ジルちゃん――――(うりゅうりゅ)
慈:あ、あの〜〜―――げ、元気・・・出して下さいよね?
この後も授業あるんでしょう?
陣:そ、そうですよ―――今日の五限目にはボクのところのクラスで・・・
婀:あ゛〜〜――――・・・・(ボ―――)
でも・・・もう・・・今日ヤル気おきんから、自習でいいよ―――・・・(へなへな〜)
慈:(あららら・・・・よし―――こうなったら)
あの―――師範も、今朝は平生通りでしたから、もうそんなには怒ってないと思いますよ?(ヒソ)
婀:え・・・・? ふんとに―――??
慈:多分―――・・・・だと、思います。
婀:―――――・・・・やっぱだめぇぇ〜〜(ガクぅ〜↓)
確信持てないんじゃあ無理だよ―――
慈:(だ―――ダメか・・・困っちゃったもんだわ、こりゃ―――)
〔なんとも見るからにヤル気が失せて、しかも燃え尽きたかのように白い婀娜那が・・・・
それを見ると、これから説得するにしても、無駄な気がしてこないでもないジルなのですが、
やはりここは―――・・・と、思って声を掛けてみれば、なんとも折角元気付けてやろうとしても、気のない返事・・・
つまり、逆効果なだけのようでして、やりようのなさに困ってしまうジルがいたのですが―――・・・〕