<二>
〔それはそれでさておきまして――――、これは同じ日の、また別の出来事・・・。
県営の総合グラウンドにて、よく見るとあの人が・・・。〕
小:(清秀・・・今朝の朝稽古、しない―――だ、なんて・・・)
何か・・・あったのか―――なぁ・・・。
〔そう―――なんと、白雉高校の橋川小夜が、この場所にいたというのです。
でも、どうして??〕
小:(そういえば―――・・・昨日、あの女の人の免許証見せたときから・・・だったなぁ・・・。
清秀が、あんなにも厳しい表情を見せてたの・・・。)
誰:(あれっ―――?あれ・・・は―――)
小夜さぁ〜ん! 橋川さぁ〜〜―――ん!!
小:(ん?)あらっ―――白川じゃない・・・。
瑠:(白川瑠璃;白雉高の生徒で、小夜の同級生)
てへッ―――♡ それにしても珍しぃッスよね。
小夜さんが違う部活の試合を見に来るの・・・って。
小:えっ? あ―――ああ・・・まぁ・・・ね。
あたしだって、剣道一筋じゃあさすがに息がつまる―――っていうか・・・ホンの気晴らしみたいなものだよ。
瑠:ふぅ〜ん・・・。
小:それより―――白川は、どうしてこんなところに?
瑠:えっ?? やっだなぁ〜〜―――決まってるじゃないッスかぁ。
応援スよ、応援―――
小:あ・・・ああ―――そうか、そうだよね。
〔そう、小夜はここ数日のうちにあった物事の整理をしようと、偶然そこに足を運ばせたようであり、
またそこで、同高校の生徒 白川瑠璃 と、ばったりと会ったようです。
そこで交わされた、当たり前の会話―――ここに何をしに来ているのか・・・と、いったことに、
瑠璃は迷わず“応援をしに来ている”と、いったのです。
でも―――今交わされた、いかにも ごく普通の会話 ・・・に、この作品を見ているあなたも―――
そして、何より橋川小夜も、勘違いしたにありません。
それはどうして・・・?
まあ―――確かに、白川瑠璃は、“応援をしに来た”とはいっていたのですが、
その対象が、何も自分たちの通っている高校・・・だとは、一言もいっていないのです。
では、一体彼女はナニを“応援”しに来ているのでしょうか・・・?〕