<三>
〔それは―――この試合・・・ =白雉高vs鷹翼学園=<女子ソフト部・県大会準決勝> この試合に出てきているある選手・・・
そして―――その選手が、いよいよこの回・・・七回ウラ、一死、二・三塁――――
スコアは、 白2x1鷹 一打逆転のチャンス――――〕
―――ここで・・・選手の交代をお知らせいたします・・・―――
―――鷹翼学園・・・七番・センター・矢上勇気に変わりまして・・・―――
―――ピンチ・ヒッター・七番・・・センター・・・―――
―――高坂慈瑠華―――
小:(えっ??!)な―――なんだって??
瑠:キャぁぁ〜〜―――っ! ジルさまぁ〜ッ!!♡
小:(・・・って)ぇええ〜〜―――っ??!
ちょ―――・・・し、白川ぁ??
瑠:えっ?なんです―――・・・(あっ!!) キャぁ〜〜―――っ!ジルさまぁ〜!頑張ってーっ!!
小:(が・・・頑張って―――って・・・)ちょっと待って!白川!!
あんたどうして鷹翼なんかの応援を―――・・・
瑠:ぇえっ?!だって―――当然じゃあないですかぁ〜♡
私、あの方の応援するために、ここに来てるんですから〜〜―――♡♡
小:は・・・そうなの―――(し、知らなかった・・・)
でも・・・その人、そんなに人気あるの?
瑠:うんっ!そりゃ〜〜もち!
だって・・・あの方―――スタイルも抜群だしィ、それにソフトになんか限らず、いろんな競技に出てるんですよぉ〜っ?
小:へぇ〜・・・。(助っ人―――かぁ・・・)
ねぇ、どんな人―――?
瑠:あれ?小夜さんも興味持ったんですぅ?
(あ・・・)ほら―――!今、バッター・ボックスに入った人ですよ!!
〔そうなのです、この白川瑠璃と言う女子生徒は、ある一選手・・・
それも、自分の高校ではない、相手方の―――鷹翼学園の・・・ジルの追っかけさんだったのです。
これにはさすがの小夜も、開いた口が塞がらなかったようなのですが、
ホームでも、アウェイの選手が好きで、そちらを応援をする者もいる―――と、ちらと聞いたことがあるので、
それはそれで仕方がない・・・と、いうか、逆にこの人もジルの事に興味を示したようです。
でも―――・・・あれ?確か小夜さん、ジルと直接対戦したはずでは・・・
しかしよく考えてみると、剣道の試合の時には、面を被ってたし―――試合後の、直接問答をしたときも、
顔は見てたけれども、名前までは知らなかった―――・・・とか??〕