<六>
〔それから―――その日の夜のこと・・・自分の屋敷の敷地内にある道場―――『光臨館』を訪ねる、橋川家の娘ありき・・・〕
小:(―――よし・・・)すみません、わが師・清秀、一つお聞きしたい事が・・・。
清:何でしょうか―――お嬢さん。
小:・・・近いうちに、どこかで他流との試合があるんだってね・・・。
清:―――ナゼそのことを?
小:やっぱり――――・・・
清:(んっ??)お嬢さん、あなたまさかこのオレに鎌を―――
小:ええ―――そうよ・・・どこか、ここのところ・・・清秀も、周囲りも、
少し普段と違うようだから、鎌をかけさせてもらったの―――
そうしたら、案の定―――・・・
清:こいつは―――してやられたな・・・(ポリポリ)
小:相手は――― 一体どんなヤツなんです?清秀!!
清:・・・相手は―――以前オレが辛酸をなめさせられたヤツだ・・・。(ギュッ)
小:(え・・・)―――と、いうことは・・・
清:ああ・・・その通りだ、満を持して―――と、いうヤツだよ。
あいつと再選する機会を、どんなに待ち焦がれたことか!!
オレは―――あいつを倒さない限り・・・更なる上を望むことすら敵わないんだ!!
そして、そのためにも、修練は必要なものだったんだ―――・・・
小:清秀―――・・・
清:確かに―――・・・あの頃のオレは『天狗』だったのかもしれない・・・
全国で“優勝”し、ある雑誌のある記者の言葉を聴くまで―――は・・・な。
小:えっ―――??(雑誌の・・・記者??)
〔“師”は―――次第に語り始めました・・・
そして、その時何かがあり―――何が・・・尊敬する“師”の前に立ちはだかったのか―――・・・を。〕