<二>
〔そうこうしているうちに、『練武館』に通された清秀は・・・〕
清:う・・・うわ―――(ス、凄い!!国元にもここまでの構えをした道場なんて・・・ない!!)
婀:すいませ―――ン! 入ります・・・・・よっ―――と。
さ・・・入って。
清:は―――はい。
〔そこは・・・板敷きで、広さはざっと見て30畳余りの“道場”であり・・・
しかし―――そこには練磨しいてるものなどおらず・・・・と、そう思っていたとき、
清秀は道場の隅のほうで、何か動くものを確認したのです。〕
清:(あれ―――?)あの・・・娘(こ)は・・・?
――しかし、それは紛れもなく、“あの”少女・・・・――
婀:ああ―――塚原さん、お客だよ。
綺:お客―――・・・・どなたなのです?
――今にも・・・手折れてしまいそうな・・・そんな印象を持つ・・・“あの”少女――
婀:フフ〜〜ン♪ これ―――・・・(ピラ)
綺:――――――・・・・・。
ほほう・・・・『梵天』からか。
婀:そのようで―――
まあ・・・あの人にゃ感謝しないとね。
ここんとこ練武するっていったって、相手が塚原さんだけじゃ、自分の強さに疑問が付くってなことだしさぁ。
綺:まあ―――・・・そういうな。
それで?君の名は・・・・
〔けれど―――その嫋(たお)やかそうな印象を打ち崩す話し方に変わったとき・・・・
清秀は、これからわが身に降りかかる災厄など、判ろうはずもなかった事でしょう・・・。〕
清:はいっ―――! ボクは・・・青木清秀といいます。
婀:そう―――清秀っていうの・・・。
中々いい名前ねぇ。
私は―――黒江崎婀娜奈、宜しくね・・・(ス――・・・)
清:あ―――はい!よろしく・・・・(ギュッ!)(え・・・・?)
婀:ふぅ〜ん・・・中々―――出来るようね、愉しめそうだわ。
綺:フ・・・・ほどほどにしておけよ。
清:あの―――君は??
綺:ぅん?ワシか――― ワシは塚原綺璃惠というものだ、よろしくな。