<参>
(ところが、一方のジョカリーヌは、脱出不可能とされていた結界を抜け出られ、落胆の色を隠せないようです。)
ジ:な・・・なんじゃ・・・と? あの結界より・・・抜け出る事が出来うるとはっ??!
シュタッッ!!
女:・・・よくも・・・よくも、やってくれたわねぇっ!?
お返しよっ!!
禍 剣 “極”之“裂” 『ミヅチ』!!
ジ:ぬうぅぅ・・・この力場は・・・避けられぬ。
(ここまでか・・・許されよ、エリア殿・・・。)
(自分の魔術の奥義を破られ、落胆しているジョカリーヌを襲うのは、女禍の最強剣“禍剣”。
そして、その剣気は、まっすぐジョカリーヌを目指しているのです。
しかし、まっすぐ目指しているのなら、かわせばいいじゃあないか
と思うかもしれませんが、
実はこの剣気、まっすぐジョカリーヌだけを目指しているのです。
つまり、どこにどう逃げようが、かわせない・・・。
その事を瞬時に察したジョカリーヌ、観念したのか、目をつむりそこに佇んでしまいます。
それを見た女禍は・・・・。)
女:・・・・・・。 ぇえいっ!
シャァァアアアッ
ズド・・ ・ォォ・・・オオン
ジ:(な・・・・に?)
な、なぜ・・・? なぜ、そなた、剣気の威力をそらせたのじゃ。
女:・・・・(ふぅ)。
なぁ〜んかさ、やっぱ気が変わっちゃった・・・・ってとこかな?
だぁって、無益な殺傷なんて、後味悪いだけだもの。 あなたも、そう思うんでしょ? ジョカリーヌさん。
ジ:んな・・・そ、そなた、もしや妾の事を知っておったのか?
女:ふぅ〜〜ん、やっぱ、そうなんだ・・・。
だって、あの人達も、私の顔見て言ってたんだもん。 『あっ!ジョカリーヌだ!!』・・・って。
それで、もしや・・・と、思ってね。
ジ:ふふ・・・そうか、そう言う事であったか・・・。
いや、そうとも知らず、今までの数々のご無礼の段、どうかお許しいただきたい。
この通りじゃ・・・。
女:うふふ、いいんですよ。 そんなに畏(かしこ)まらなくても。
それに、全力で私に当たってくれた事を感謝しときますね。
もし、少しでも手ぇ抜いてたりしたら、それこそ許さなかったんだから。
ジ:フフフ、それはまた手厳しいことを。
おぉ、そうじゃ、まだ自己紹介がまだでしたのぅ。
妾はジョカリーヌ。 『ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレィシアス』 と申す者じゃ。
妾のところの世界では、 リッチー という者でもありまする。
女:へっ?! リッチー?? ・・・って、ひょっとしてお金持ちなの???
ジ:ははは・・・いえいえ、分かり易く申せば、 『死せる賢者』 の事であらせられますよ。
女:い゛い゛っ??! じ、じゃあ・・・“不浄の者”???
ジ:・・・・いかにも。
女:へぇ〜〜〜そなんだ〜〜・・・。 でも、とてもそうは見えないなぁ・・・。
でも、ま、人は見かけより、中身だもんね?
ジ:・・・・・・・(フッ)。
女:それじゃ、次は私ね・・・。 私の名は『女禍』。
ここじゃあ、一応神様ってことになってるけどね。
ジ:な・・・なんと・・・・ 神 とな?
女:う゛〜〜〜ん・・・でもねぇ・・・・。
そぉんな堅ッ苦しい事、ヤなんだよね?
私はさぁ、もっと・・・こう・・・自由に、皆と知り合いたいだけなのに。
ジ:成る程・・・そなたも、頂点を極めているが故の孤独を、味あわれていると言う事なのですか・・・。
女:うぅ〜〜ん、まぁ平たく言っちゃえばそうなんだけど・・・。
今さ、一番ここが気に入っちゃってんだ。
だってさ・・・私の事、神だって分かってても、ここの人達はヘンに気を使わなくってさ・・・。
ジ:ほほぅ・・・。
女:だからさ、決めたの。 私、どんな事があっても、この人達は護る・・・って。
ちょいと、神様らしくなく、不公平だけど・・・・ね?
ジ:それは、それで構いませぬではないですか。
神とて、ご自由になされる権利はある・・・。 まぁ、多少の事は罪には問われませぬよ。
女:へへっ、あんがと。 なぁんだか、違う自分自身に弁護されちゃったようで・・・気分いいなぁ。
あ! そぅだ!! これからギルド行ってみようよ!!
ジ:ギルド・・・?! あぁ、そういえば、ここにもあるのでしたなぁ。
そうですな、ご案内して下され。
女:よしきたっ! そぉれっ! 『肆宝剣』!!
『移送転法』!
シュ・・・ン・・・