<弐>
(どうやら、エリアの方は、丁度いい具合に婀陀那に接触でき、またギルドに向かうようです。
その一方で・・・・
ギルドの街にある、神宮山・・・その山の奥で・・・・)
ヴァァアアン・・・ ジ・・・ジジ・・・
シュゥゥ・・・
ジ:・・・・ふぅむ、ここは・・・?
どうやら、山の奥のようじゃが・・・・。 如何(いかが)したものであろう・・・。
エリア殿とも途中ではぐれてしもうたし・・・。
無事、こちらについておってくれれば
よいのじゃがな・・・?
(そして、今
自分がどの地点にいるのかを知るため、散策を開始するジョカリーヌ。
そうしているうちに、少しばかり開けた場所に出てきたのです。
そして、そこは滝つぼのある場所だったのです。
・ ・・・と、丁度その時、そこには、女剣士がおり、自分の剣技の修練の真っ最中だったのです。
(しかも、この女剣士、どうやら『女禍』のようです・・・。)
そして、その修練の模様を、その剣士に悟られぬように、物陰に隠れて見るジョカリーヌ・・・。)
女:ふんっ! はいっ!
ちゃぷっ ・・・・ぱしゃッ!!
はぁぁあああっ!!
ピキュィィ・・・ン!!
やぁぁあっ!!
バババババババババッ!!
ピピュッ! ピシュン! ピュゥッ!!
ジ:(おおっ・・・!! な、なんと・・・凄まじぃ・・・。
跳ね上げた水飛沫(みずしぶき)を、余すことなく、貫きおるとは・・・・。)
女:ぷふぅっ! (ぅん?・・・・おや??)(クル・・・)
・・・・・気のせい・・・かしら? まっ、いいっか。
ザブ・・・・ザブ・・・・
(そして、水の落ちている箇所(滝つぼ)まで移動する女禍。)
ジ:(ああっ・・・! あの者・・・あのようなところに・・・??
一体何をしでかすつもりなのじゃ?!)
女:はぁぁぁああっ!! 『昇華連撃』!!
ピュ・・・ピシュイン!
ザザァ・・・・ザァァアアアッ!
ジ:(あ、足場も組んでいないようなところを・・・まるで天に昇るが如く、揚がっていきおるとは・・・)
おおおっ!!
女:あ〜〜んど! 『飛龍追撃』!!
ピュ・・・・ピュゥン・・・ ・・シャァァアアッ!
ザ・・・ザ・・・ザザァァ・・・・ッ・・・・ッ・・・
女:(クル・・・) よ・・・っ・・・・と。
ぱしゃ・・・ぱしゃっ
ド・・・・・ド・ド・ドォォォ・・・・・
ジ:(な、なんとも凄まじき剣技よ・・・・。
空中で体勢を入れ替えた後に急降下・・・・。
それに、あれ程の大瀑布が、彼の者の斬撃により、止まって見えようとは・・・・。)
女:うしっ! 修練終わり・・・・っと。 ま、こんなもんでいいでしょ。
さ・て・と・・・
誰? そこにいるの、分かってんだよ? さっさと出てきたらどうなの?
ガサッ!
女:うん??(クル)
(音がした方向を振り向く女禍、しかしそこには気配はなく・・・・)
女:(あれ?? やっぱ・・・気のせい・・・だったのかなぁ・・・。)
ス・・・・ゥ
ジ:・・・・・・。
(しかし・・・音も、気配すらさせることなく、突如
女禍の背後に現れるジョカリーヌ・・・・
そして、次の瞬間!!)
ザ・・・シュッ!!
女:うっっ! キッ・・・ァアアっ!!
ジ:・・・・・・。
(気の・・・せいじゃったか・・・。) よもやと思い、仕掛けてみたが・・・悪く思うな・・・
な、何ィッ??!
ザ・・・パァァ・・・・
ジ:な・・・なんと!! 今、妾が貫いたのは、この者の幻影じゃったと申すかっ!?
女:ふふっ・・・。 あっぶなぁ〜い、あっぶない。
いきなし、背後から襲うだ・・・・なんて、いっけない事だぞ?
ジ:はっッ!!? (妾の背後から・・・声??)(クル・・・)
な・・・・なんと??!
女:うっひゃ・・・ びっくりしたぁ。
こりゃまたよく出来てんなァ。 私とクリソツ・・・だなんて。
ジ:むぐぐぅ・・・、お主に直接怨み、辛みなどないが・・・・消させてもらう!!
『ファイアー・ランス』!!
(突如として、空間より出た灼熱の槍に、女禍思わず身構えますが・・・・
この槍、明後日の方向に五発ばかり着弾します。(もしかして、ジョカリーヌ様、今日不調??)
女:おおっ・・・と。 は?? どこ狙ってんの・・・?
全然 的外れじゃない・・・・。
ジ:ふ・・・っ、果たしてそうかの? 出でよ! 『アドヴェンズ・ディア』よ!!
妾の力、篤(とく)と思い知るがよい!!
女:(この人・・・・何を仕掛けるつもり・・・) グッッ!!
えっっ??!
ジ:フフフ・・・、動けまい。
なぜなら、先程の術に、これから必要なものを組み込ませておいたのじゃからな・・・。
女:ぃげげっ!? そ・・・そんなぁ〜〜・・・・。
ジ:さらばじゃっ!
バルデス・バルデス・ラー・フォンヌ・アルゲ・ニ・ヌスティクァハ・ゲシュタルト・スルゥ(X5)
『ジグラッド・フォール』!!
(重力崩壊)
ヒュゥゥン・・・ ・・ヒュゥゥン・・・ シュルルルル
ズ・・・ズ・・ゴ・ゴ・ゴォォ・・・
(女禍の身を取り巻く、積層形の立体式魔方陣。
そこから同じ容姿をしたジョカリーヌが現われ、同じ呪文を唱える。
・ ・・・そう、これこそが、多重詠唱『ジグラッド・フォール』なのです。
そして、次々と女禍の身に容赦なく襲いかかる重力場。
もし、これが、神でないものが受ければ、どうしてたまったものか・・・・。)
女:う・・・あ、あ、あぁ・・・っ
(こっ・・・このままでは、いくら私でも・・・! たっ、耐えられ・・・・ないっ!!)
ジ:止めじゃっ!! 『ジグラッド・フォール』!!!
ズ・・・ゥ・・・・ン!!
女:(ええっ?! う、上からも??! そ、そんな足場は・・・)
な、なんだって??!
(女禍が、目を疑ったのも無理はなかったのです。 なぜなら、宙に浮いていたのは自分だったのだから・・・)
女:うっ・・・ぐっ! (こ、これは本格的にまずいっ! こ、こうなったら・・・)
『肆宝剣』!!
しゅるぅっ!
えぇいっ!
『四空断裂』!!
シュパ・・・シュパァ!!
ズ・・・ ・・ズズゥゥ・・・ッ
(このままでは、本当にこの重力の力場により、押しつぶされると覚悟した、女禍。
たまらず自身の剣、『肆宝剣』を取り出すと、すかさず宙空を十字に斬り、何とか脱出する事に成功したようです。)