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マ:ところで・・・何か対策は立てているのかね?
婀:うむ・・・・それが・・・
ジ:何、ないわけ・・・でもない。
婀:(えっ?!)
マ:ほう・・・聞かせてはもらえまいか?
ジ:何、簡単なことじゃ、復活を行う際の、祭壇となっておる処・・・を見つける、というな。
コ:なるほど、つまり、復活される前に、そこを叩く・・・っていうことでみゅね?
ジ:そういうことじゃ。
マ:ふむ・・・確かに、それが手っ取り早いか・・・・だが・・・
ジ:その場所も、二・三特定は出来ておる。
マ:どこかね・・・?
ジ:今回の・・・事の発端となった場所・・・に、ここ・・・。
ス:お、お稲荷さん?!
婀:・・・と、ここ(病院)ですとな?
ジ:うむ・・・・魔道探知<ディティクト・マジック>で、探っておったところ・・・ここと、そこに、異様な力の波動を感ずる・・・
ゆえに、そなたがここに、顔を出したのでありましょう?
マ:ふ・・・っ、さすがは、と、言ったところですかな。 それで、どうしますね?
ジ:無論、両方についておった方が、よろしかろう。 妾は、かの・・・事が起こったところに、張り込んでおきたいと思う。
ス:で、ではワシも・・・
婀:妾も・・・
ジ:・・・・いや、ここは妾一人に任せてもらおう。 そなたらは、愛しき人の傍に、いてやるがよろしかろう。
ス:・・・・・。
婀:・・・・・。
(この、ジョカリーヌ様が、素早く、事の対処をしたことの背景には、時間的に予断がゆるされない事と、
あと・・・自分の身にも、微かな変化が、感じ取られていたに、相違はなかったようです。
そして・・・事の発端があった、お稲荷さんに、再び佇むジョカリーヌ様が・・・すると・・・)
ジ:――――来おったか・・・・。
魔:フ・・・・これはこれは、神自らがここに、お張りになるとは・・・・私も、過大に評価されたものだ。
ジ:(・・・・ちっ) 外したか・・・・こんな雑魚が相手とは・・・・。
魔:雑魚とは失敬な、私とて、ちゃんと名はある。 ラスタバンという者だ・・・ちゃんと覚えてもらおう・・・。
ジ:・・・ここでないのなら、もはや用はない、失礼させてもらう。
ラ:待てぇ・・・キサマぁ、この、オズモ様の、一の部下である私に対して、それは無礼であろうが・・・
ジ:・・・・ふっ、ならば・・・オズモとやらも、存外大したことはなさそうじゃのぅ。
ラ:くぅ・・・っ!! 私ならず、オズモ様までも!! 赦さんぞ!!神・女禍よ!!
喰らうがいい! ―――アシッド・リッガー―――
(この場所に、魔なる者が・・・名をラスタバン、彼自身、今回の首謀者――オズモ――の腹心だと、言っているようですが、
本命ではない者が、現れたせいもあり、ジョカリーヌ様は、その場を去ろうとするのですが・・・
彼の者は、執拗に喰い下がり、ついには、溶解性の、酸の液を、その口から吐き出したのです。)
ラ:クハハハハ!それ見たことか! 思い知るがいい!独善的な神よ!!
この、私の液はな、いかな神のお前とて、その身を、骨を腐らすのに十分なのだぞ!!
(この・・・お稲荷での、戦端が開かれた一方で・・・こちら、病院でも・・・)
マ:むっ!現れたぞ!!
婀:(来たか!!) んな・・・っ・・・・あ、姐・・・上?
ス:(そんなバカな・・・!)
(そう・・・そこに現れたのは・・・あろうことか、蒼白き顔をした、おひぃさんだったのです・・・・
しかし、今、病室にいるはずの彼女が、ナゼここの屋上に・・・?)
婀:あ・・・姐上・・・・ど、どうしてこんなところに・・・も、もうお体のほうは・・・よろしいのです・・・か?
お:・・・・・・・。
ス:ま、待てっ!婀陀那っち!! それは・・・ひぃちゃんじゃあないっ!!
婀:な、何をバカなことを・・・あれ、あの通り・・・姐上ではないですか・・・・
マ:愚か者っ!何をほざいておる! 眼を醒まさんか!低級神!!
婀:ソ、ソロン様まで、何を・・・・妾を謀(たばか)らんで下され・・・
マ:チ・・・ッ!!目の前の、幻影に惑わされおって・・・おい!君!!そいつを止めろ!!
ス:く・・・っ!!(ガッ!!)
婀:ああっ!な、何をされる!!驍様・・・!!
ス:いい加減目を醒ませ!婀陀那っち!! あれは、ひぃちゃんの姿だけをした、偽者だ!!よく見ろ!!あいつの足元には影があるか!??
婀:(は・・・っ!!) な・・・い・・・・?
マ:(全く・・・) お前が慕っておる存在が、痛ましい姿になってしまったのは、分かる事ではあるがなぁ・・・
婀:(・・・・っぐ・・・) ま、ますますもって面目ない・・・。
じゃが、そうと分かれば、容赦はせぬぞ!!
お:ふ・・・・ふふふ・・・余計な事を・・・魔皇ソロン・・・
メ:そう・・・我が名はメローぺ。 オズモ様の復活・・・と、いう大事業を、任されし者よ・・・
マ:・・・炎妖か・・・。
メ:フフ、いかにも。 少し余興のつもりで、あの女の姿を借りたが・・・中々に面白い反応を、示しおるものよなぁ・・・
婀:うぬヌ・・・邪妖めぇぇ・・・出でよ!ジグ・ムンド!! 神罰を喰らうがいい! ――グリマー・インパルス――
メ:フ―――フフフ・・・・ハハハハハ! 効かん、効かぬなあ!
ス:な・・・す、すり抜けた・・・幻か?
マ:・・・・蜃気楼・・・
婀:なんですと?
マ:いや、ナニ・・・以前、そんな能力を、使う者がいる・・・と、聞いた事はあるが・・・
それが、キサマだった・・と、いうわけか・・・メローぺ。
メ:さすがは、ソロン・・・・・察しがいいようで・・・。
では、こちらからも、挨拶代わりに、しないわけには行かなくなった・・・と、いうもの・・・どれ・・・
我が、情燃の一撃を喰らうがいい・・・ ――フレイム・スローター――
婀:ぬぐぅおっ! ・・・っく、なかなかやりおるな・・・
ス:大丈夫か?婀陀那っち
婀:あ・・ああ、すま・・・(ギョッ!!) は・・・はあぁぁ・・・
(そう・・・このおひぃさんの、姿をなした者は、メローぺと言う、炎妖だったのです。
しかも、この者・・・蜃気楼を自在に操り、婀陀那の剣技を、上手く無効化させただけではなく、炎の閃光をもって、反撃に出た模様です。
そして、婀陀那を一瞬たじろがせたりした・・・・のですが、この時彼女が、何気なく上空を、見上げると・・・
そこにはありえない・・・あってはならない光景が・・・)
婀:(ば・・・ばかな・・・?!) そんな・・・ありえるわけが・・・(ワナワナ・・・)
マ:おいっ!どうしたというのだ!低級神!!
婀:あ・・・ああ・・・ソ、ソロン殿・・・あ、あれを・・・月を御覧になって下されい!!
マ:ナニ?(月・・・だと?)(ス・・・)
な、なんだ!?あの・・・月の色・・・それに、あの黒点は・・・か、欠けておる・・・というのか・・・??
ス:な、ナニが・・・一体どうしたというんだ? シホさん!婀陀那っち!!
婀:(ぅ・・・っく!!) し、失礼させていただく!! はあっ――――(バサ・・・)
(それは・・・・自分達でも、未だ信じられない、ある現象・・・そして、もうひとつの・・・ある物の確認のために、
婀陀那は、おのれの神力を用い、背に翼を生やし、どこかに飛び去ったのです・・・・どこへ?
それは・・・地上の、この地の・・ま反対に位置する場所に―――すると・・・・)
婀:(バサ・・・バサッ) ・・・・っっ―――はあっ!はあっ!!
マ:どうだったのだ!?低級神!!
(その―――ある事を、確認してきた、彼女の口から漏れたのは―――)
婀:欠けておった――――
マ:な、ナニぃ―――?!
婀:欠けておった、陽も・・・・また!ここの月のように、同じく!!
マ:な・・・なんということだ・・・・
ス:ど、どうか・・・したのか? 月が欠ける事・・・って・・・月食じゃあ・・・
メ:フフ―――どうやらそのお二人は、何が起こっているかご承知のようだ・・・そうよ―――今、まさに・・・蝕(しょく)が起こりつつあるのよ・・・・
そして・・・オズモ様の手を介して・・・禍神様の甦るらんとしておるのよ!!
婀:な・・・!!か、禍神??! お・・・お前・・・・今、自分達が、何をなそうとしているのか、分かっておるのか!?
あ・・・あれは・・・神などではない!! 全くの・・・・恐るべき・・・破壊と殺戮を好む・・・残虐の嗜好者!!
我が主上、女禍様の・・・ゲシュタルト<神としての形態>が崩壊された・・・あってはならない姿なのじゃぞ!!?
(そう―――それは・・・その、月と太陽が、不定形に欠けだした、事象のそれ・・・と、いうのは、
以前にもあった、婀陀那の―――朔の日―――・・・それが、陰と陽が、同時に欠けるという、天文学的にも非常識極まりないこの事象が―――
実は、女禍様の、――朔の日――であることに気付かされるのには、そんなには時間を要しなかったことでしょう・・・。
しかも、おあつらえ向きには・・・・その時の、月の色・・・と、いうのが・・・)