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ジ:うぅむ・・・贅沢を言っておれるものではない・・・のは、百をも承知なのじゃが・・・

婀:そうですか―――ならば、これではいかがかな?

 

ジ:ふぅむ・・・いやしかし・・・どうも、脚を露わに出す・・・と、いうのは・・・のぅ。

婀:そうは申されましてもなぁ・・・あの方も、こういう、パンツ・ルックでしたし・・・。

 

ジ:ううむ・・・やはり、背に腹は変えられぬか・・・。

婀:真に、申し訳ない・・・。

 

 

(さて、ジョカリーヌ様の体に合う衣装はないものか・・・と、森野邸に赴いた・・・は、いいのですが。

この方の出で立ち・・・と、いうのが、ご存知のように、中世欧州の貴婦人が愛用した、 フレア・スカート の、ようなものなのでして・・・

それゆえに、自身の脚などを露わに出す・・・と、云う昨今のファッションには、四苦八苦していたようです。

 

そして、何とか自分なりに妥協をしたのが・・・

パステル色の、半袖のTシャツ

膝から下の裾を切り取ったGパン

だったようでつ。)

 

 

ジ:いやしかし―――このような出で立ちで、ようあの者は、耐へられるものよのぅ―――。

婀:ま・・・まぁ―――慣れ・・・と、言うものですかな・・・。(ははは・・・)

  それよりも、注意していただかないと・・・・。

 

ジ:う、うむ・・・分かっておる・・・にゃりん。

婀:うむ・・・。(ふ・・・っ)

 

 

ジ:の・・・のう・・・婀陀那・・・ちゃん?

婀:はぁ?

 

ジ:こ、この・・・・にゃりんとか、にゃ〜は、どうにかならぬものか・・・?

婀:ま、まぁ・・・しばしの辛抱ですよ・・・。

 

ジ:然様ですか・・・にゃ〜〜。

 

 

(肌の、露わになりすぎている服に・・・どうにも、はづかしすぎる嫌いのある、あの口癖・・・とかく、この方を悩ます種は、尽きぬようで・・・

 

それはさておき・・・それから、一旦ギルドへ引き上げましたなら・・・)

 

 

婀:只今戻りました、姐上―――。  ・・・・って、あ、姐上・・・。

お:ああ、丁度よいところへ・・・婀陀那ちゃんも、言ってやって下さいまし?

 

婀:ま・・・また、ナニをやらかしたのですか・・・・この男が・・・

 

お:―――っったく!わたくしが、おトイレに入っている隙を突いて、社屋に忍び込んで、何、喰わぬ顔をしてんですから・・・!

  最近よく跋扈している、空き巣強盗かと思ったじゃあ、あーりませんかっ!!

 

婀:(はぁ〜〜〜・・・)なぁ〜〜にを考えとるのか・・・この唐変木は・・・。

 

ス:なははは・・・・。

 

婀:笑い事ではないですぞ、社主殿。

 

ス:――――はんへーしとりやす・・・。

 

ジ:・・・・。(じぃ〜〜〜)

 

 

(なんと、ギルドの中には、荒縄でグルグル巻きにふんじばられた、ステラがいたわけで、すると・・・・ジョカリーヌ様、この者を眼下に見下し・・・)

 

 

ジ:(ふぅぅむ・・・この者、以前に来た時も、斯様に、迷惑をかけておったようではあったが・・・

  はて・・・・よう鑑みてみれば、坊主にようにておるのう。)

 

ス:あ・・・あれ?Jokaちん、どっかしたのん???

 

ジ:(ふ―――っ・・・だとしたなら、この、おひぃさんとやらも、これから苦労するの・・・)

  いんや、なんもないにゃりん―――。

 

 

(ジョカリーヌ様の言っていた“坊主”とは、元・ギルドの長老であった、 ジョセフ=ベーリング その人であり・・・

彼女が可愛がっていた、教え子なのです。

 

そして――――)

 

 

婀:Joka殿、こちらの書類の整理を、お願いいたす・・・。

ジ:ああ、う・・・・む。

 

婀:(ところで・・・・先程、社主殿をじっと見ておられたようじゃが・・・・どうかいたしたので?)

ジ:うん?いいや―――あまり、たいしたことではないが、あの者、妾の昔から知っておる者に、よう似ておったでのう・・・。

 

婀:は・・・(む、昔・・・から?) あの、どの程度、昔・・・なので??

ジ:うん?(フ・・・ッ) そうよな・・・7,000年前・・・で、あったかのう。

 

婀:んな・・・7,000!!?

 

お:あ、婀陀那ちゃん?どうかしたの? 何が7,000??

婀:う・・・うぐ・・・(ま、まじゅい・・・) い、いえ、姐上・・・・こちらの事ですよ。

 

ジ:あぁ、いえ、私が借りてあった7,000円、今返したら、ビックらこいちゃったンすよ―――。

 

お:あら・・・・そう・・・。

 

ジ:ソウナンス―――。

 

 

(婀陀那―――が、驚いたのも無理もない、ジョカリーヌ様が知ってる当時の、元・長老は、7,000年前の事であり、

こちら側の時間尺で計算すると、それはとんでもなくも、長い時間だったンすから。

 

それゆえに、つい大声を出してしまって、おひぃさんに怪しまれたよーなんすが・・・

そこは、ジョカリーヌ様、上手い事、フォローを入れたようです。)

 

 

婀:・・・・・申し訳ありません、ジョカリーヌ殿・・・。

ジ:いや、何、栓無き事よ、まあ・・・妾のところの時間連続帯でいうても、7,000という年月は、遠い昔の事じゃしな・・・。

 

婀:ハ、はあ・・・と、すると、貴殿の御ン歳は?

ジ:・・・11,110歳じゃ。

 

婀:いっ・・・壱・・・(あぅぅ・・・)  ・・・・ほ、本当でございますか??

ジ:うむ、ウソ偽りではないぞ。 そういう・・・そなたは?

 

婀:妾・・・ですか、25・・・と、言うては、隔たりがあるが・・・

ジ:隔たり・・・・が、ある・・・とは?

 

婀:うむ・・・実をいいますとな、妾は、真の人間ではございませぬ。

ジ:なんと・・・。

 

婀:妾の、元を質せば・・・女禍様と同じ、神族に当たり申す。

ジ:な、なんと、それでは・・・

 

婀:然様、妾の生きてきた時間軸は、姐上や、社主殿と、一線を画しておる。

ジ:・・・・じゃが・・・あえて、そのような形(なり)をとる・・・と、言うことは・・・

 

婀:(フフ・・・)然様・・・妾も、彼の方々を愛しておりますし、彼の方々も、妾を愛しておって下さる。

ジ:成る程な・・・。

 

 

(そして、そこで、ジョカリーヌ様、ご自分の実年齢と、婀陀那の実年齢を改めたようですが、

婀陀那も、隠し事はならぬものとし、自分で、自分の正体(神である事の・・・)を、詳(つまびら)らかにしたようです。)

 

 

 

 

 

 

 

 

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