<陸>

 

 

(そして・・・)

 

テケテケ テンテン テンテンテ〜〜ン♪

チィ――――ン☆

 

 

女:ほいっ!でっきあっがりぃ〜〜!

  今日は、お大根と、小芋の煮物に、キヌサヤのサラダをつけてみました

 

ア:(は・・・あ・・・・)

ヱ:(これは、また・・・・)

ジ:(ふぅむ・・・・)

エ:(大丈夫かなァ・・・)(ドキドキ・・・(―フ―;;)

 

       

 

ア:(ングング・・・) あら・・・こいつは・・・・

ヱ:(ングング・・・) 昨日のと違って・・・・これもまた・・・

 

ジ:・・・・。(ムグムグ・・・) フ・・・ッ、なんじゃ、これは・・・・

 

ア:え゛??

ヱ:はい??!

エ:(ギクッ!)

 

ジ:まるで・・・・変わっとりゃあせんじゃあないですか・・・・。

 

エ:えっ?!!ど、どういう事なんです?

 

ジ:ふふ・・・・何、久々に先生が、手料理を振舞ってくれるというから、ちょいとイタズラをしてみるつもりじゃったが・・・・

 あの、手並みといい、この食材の味付けといい・・・・まるで昔、味わった頃と、いささかも変わっておらぬので、ビックリしたところなんじゃよ。

 

ア:へっ??じ・・・ジイさん、あんた・・・・ジョカりんの料理、食べたことがあんの??

 

ジ:アルディナよ・・・食べた事がのうて、こんな事が言えるかの?

 

ア:(は・・・・)そりゃ――――初耳だったねぇ・・・。

ヱ:そうよね・・・ジョカリーヌ様、お食事摂ったところ・・・見た事がなかったから・・・。

 

ジ:まあ、それは無理はなかろうて。 リッチーになられた方なら、空腹感を味わう事がないと聞くからのう・・・・。

 

ア:・・・・つって、私も一応は、 それ なんだけど・・・。

ヱ:そういう私は、ヴァンパイア・・・・。

 

ジ:あっはッは! ま、お前たちは特別製じゃからな、いいのじゃよ、そんなことは気にせんでも・・・・な。

  いや、悪くありましたな、少しでも、先生を疑ったりして。

 

女:いやいや、気にせいでもよいよ。 おっほっほっほっ

エ:(は・・・・た、助かった・・・・)

 

 

(どうやら、この老人から、お墨付きが出たようで、

これはもう、バレるのも時間の問題か・・・・と、気をもんでいたエリアちゃんにとっては、朗報だったようです。

 

そんな最中、側近の一人(つまりは、『五人の支柱』)から、ハンターの、 ミッション・コンプリート の報告があったようです。)

 

 

オ:あの、すみません、お食事中に。 長老様か、ジョカリーヌ様、出て頂けませんでしょうか?

 

ヱ:あ、はい、分かりました。 すぐに参ります・・・・。

 

女:あ、ちょっと待ってよ。 報告受けるくらいなら、妾にでもできるこっちゃから、まかしときなよ。

  ヱルムちゃんは食事ちうなのだし、も少しゆっくりと休むがよいよ。

 

ヱ:あ・・・・あ。 ありがとうございます・・・。

 

エ:あ、それなら、私も行きます。

女:ほいほい、ンじゃ一緒に行きましょ

 

 

 

ヱ:(は・・・ぁ・・・) なんだか・・・・私・・・・ジョカリーヌ様に対して、申し訳ないことをしてしまったようだわ・・・・。

ア:んん?ど−して?

 

ヱ:あ・・・いえ。 ほんの・・・些細な事で、あの方を疑ったりして・・・バチ当たりですよね・・・・こんな事・・・。

 

 

(ヱルムさんの誤解、どうやら解けたよう・・・・なのですが、しかし!?)

 

 

ガッッ!!――☆

女:にゃ?!

びったぁぁ――――ン!

 

エ:(あ゛・・・っ!! や、やっちゃった・・・・この人・・・。

  ヤッバァ〜〜〜しかも今・・・(チラ)うっわ、今すっごいこっち見てる・・・・。)

 

ア:(うわ〜〜〜まーたこいつは、どハデにすっ転んだなぁ。)

ヱ:(のは・・・・前言撤かぁ〜〜い)

ジ:・・・・。(ニッコニッコ)

 

エ:ささ、すぐ行きましょう、今すぐに!!(アセアセ)

女:あたた・・・・今度は、鼻うったぁ〜〜(ジンジン)

 

 

(突如として、何もないところでスッ転ぶ女禍さまを見て、再び疑惑が頭をもたげるヱルムさん。(アダナは以前にも見たことがあるので・・・)

しかし、そんな彼女達とは対照的に、ここにいる一人の好々爺の申す事には・・・・)

 

 

:はっはっは、いやいや・・・・先生のあのクセ、見るというのも、何年振りとなるかのぅ。

 

ヱ:へっ?!

ア:はあ?

 

ジ:いやなァ・・・・お主等二人は知らぬ・・・というのも、まあ無理もないか。

  実はな、学院に赴任してきた当時の先生は、よく何もないところで転んだものじゃったよ。

  今のように、スカートの裾を、自分で踏ん付けて・・・な。

 

ア:はァ・・・・あの、ジョカりんが・・・?

ヱ:意外・・・。

 

ジ:あれ以来、スカートの丈を少しばかり短くされた・・・・と、言っていたが、また元に戻されたのかのう。

 

ア:そ、それじゃあ・・・。

 

ジ:うむ。  あれは、誰かはよくは分からんが・・・紛れもなく、先生、 ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレィシアス 様じゃよ。

 

ヱ:は・・・・はあ・・・そうなのですか・・・。

 

 

ジ:さぁてと、ワシも、もう帰らせてもらうとするよ。

 

ヱ:済みません・・・わざわざご足労をおかけして・・・。

 

ジ:何、良い事よ。 ま、お前さん達も、あの方を疑う事を止めて、ご覧なされよ。

  それじゃあ・・・。

 

ヱ:どうも・・・。(ペコリ)

 

 

(なんとも、不思議な言葉を残し、さって行くジョセフ氏。

そして、そこに残されたのは、今の今まで、人を疑っていたリッチーと、ヴァンパイアの真祖・・・・だったわけであり・・・)

 

 

ヱ:はアぁ〜〜あ、バツが悪いったらないわぁ・・・。  私ったら、二度もジョカリーヌ様を疑ったりして・・・。

  ねぇ、アダナさん、どうしましょ・・・。

 

ア:なあ・・・・ヱルム?

ヱ:はい。

 

ア:あんの、ヒゲおやじ、どうやら・・・私達に、逆に宿題残して、帰っちまったみたいだぜ・・・・。

ヱ:・・・・・どういう事です?

 

ア:いいか・・・?よくあの爺さんの言葉を思い出してみろよ。

ヱ:どのあたり?

 

ア:ジョカりんがスッ転んで、爺さんがここを出る間際までの・・・・だよ。

ヱ:えぇ〜〜〜っと??

 

ア:私の、聞き違えじゃあなけりゃ、あの爺さんこう言ったぜ?  “誰かはよくは分からない” ・・・ってな。

  それに・・・・最後に、ジョカりんの事、“先生”でなくて“あの方”だったぜ?

 

ヱ:(は・・・・っ!!) そ、そう言われてみれば!!

 

 

ア:なぁるほどなぁ・・・なんとなくだが、だんだん読めてきたぜ・・・。

ヱ:えっ?!・・・・何が?

 

ア:こいつは、ひょ――ッとすると、とんだお祭り騒ぎになるかもしんね・・・そう言ってるんだよ。

ヱ:え゛??

 

ア:ンま、何かは、私にも今はわかんねぇケド。  こいつは、下手に知ろうとするよりも、知らんぷりする方がいいかもしんないぜ。

  あとあとの楽しみのためにも・・・・な。

 

 

(なんと、どうやら、アダナの方は少しづつながら、何の事か分かりかけてきたようなのです。)

 

 

 

 

 

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