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(しかし、こうも、条件のいい申し出に、よもや断られるはずが・・・・ゆえに、意気消沈してしまう、婀陀那とジョカリーヌ様・・・・
と、思われたのですが?)
婀:・・・・いかが―――で、ございます?あの者達・・・
ジ:ふぅム・・・中々に気に入った。
なまじ神の格好を模しておる者に、媚びへつらうか・・・と、思うておったのじゃが・・・
成る程、あの方が、羽を伸ばしておる事情も、少しは分かる・・・縁の下の力持ち―――とは、かくあるべきよな。
婀:羽を伸ばす―――これは、また、何のことです?
ジ:とぼけんで下され、人間の事は、人間自身でする・・・いわゆる、独り立ちしておるものに、豈(あに)、つっかえ棒など要りましょうや。
それに、そういう事をしてしまうと、却って自尊心というものを損のうてしまう、
そなたらが手を貸しおくべきは、彼の者達が、手に負えなくなった時点で・・・と、いう事ではないですかな?婀陀那殿。
婀:ははは!これはこれは、ようこちらの事情も、分かっておられる・・・
ジ:なに・・・・感謝しおくべきは、妾ではない・・・そなたらの主上殿に・・・じゃ。
婀:・・・・気付いて、おいででしたか・・・。
ジ:う・・・・ム。
婀:そう・・・あの方こそ、万智万能なる神、“頂神”様、あの方が一度(ひとたび)剣を振るいさえすれば、この世に悪などなくなる・・・
だが、そうはしない・・・ナゼだかお分かりですか?
ジ:――――いいや。
婀:あの方こそは―――太陰対極そのもの、善と、悪の、その両極を持たれているのです。
光と影―――光の中の闇、闇の中の光―――それが、片方だけに傾かれれば、どのような結末になるか、考えたことがおありか?
恐ろしい―――妾は恐ろしくて、考える事が出来ぬのです―――
この世の・・・一片の悪も赦されぬ世界・・・邪悪がはびこり、その正しきが歪められる世界・・・・
そのような世など・・・妾は恐ろしくて、考えがつきませぬのじゃ――――
ジ:ふぅぅム・・・確かに、のう・・・妾達が、良かれと思うてする 悪 でさえ、見逃せぬ・・・とは、実(げ)にも恐ろしき事よ・・・
(そう―――それゆえの、あの形態・・・だと、ジョカリーヌ様は、瞬時に悟られたのです。
そして、そのまま教会を後・・・に、しようとしたところ・・・)
マ:おや―――もう帰るのかね、低級神―――に、お客人。
ジ:ムっ――?(この者は・・・・)
婀:フ・・・あの場におられないので、後は若い者に任せ、早、隠遁されたのか―――と、思いましたよ・・・
シホ=マクドガル・・・・いや、ソロン様―――。
ジ:何?ソロン・・・(この、女性(にょしょう)が―――)
マ:フッ―――まあ、いい。
なに、先程から、ただならぬ気が、漂いこんでいたのでね―――そこな物陰から、うかがわせてもらってみれば、どうも、面白い事をぬかしおる・・・
女禍が・・・あの方が、ああいう性格なのは、何も両極端・・・だからだけではない。
私が―――、私の体が、あの者の手によって、消滅させられたのが、今より、おおよそ5,000年ほど前の話・・・
だが、あの方は、私の体を滅せはしても、魂まではそうしなかったのだ、
それゆえ、私は、この者に取り憑きながら・・・も、復活の機会をうかがっている・・・。
それに―――いや・・・なんでも・・・ない。
(丁度、そこに現われたのは、この教会の、マザーでもあり、サヤ達、借り手の“元締め”でもある
シホ=マクドガルだったのです。
しかし・・・婀陀那は、また、別の名で、彼女を読んだりしたのですが・・・
そのようなことを、気にするでもなく、彼女は、彼になり、恐らくは、シホ自身も気付いたであろう―――異世界の住人に―――
女禍の、この世界の頂神様の事の補足をしたのです。(しかし・・・なにやら言うのを、留め置いたようですが・・・?)
そして―――)
婀:どうやら―――ここを、騒がせてしもうたようじゃな、相済まぬ事をいたした―――。
マ:いや、こちらこそ、折角のお客人に対し、ぶっきらぼうで―――大したお構いもしないで―――すまなかったね。
ジ:いやいや、こちらこそ、しゃしゃり出てしもうて―――、あの者達に、悪いことをした―――と、謝っておいて下され、
それでは――――
マ:では――――。 ふ・・・っ、あの方の、気まぐれにつき合わされている・・・にもかかわらず―――か・・・
まあ、私も、似たような存在ではあるのだが・・・な。
シ:≪ソロン様―――あの方は一体―――?≫
マ:ぅん―――?シホか・・・起こしてしまったかね?
シ:≪いえ―――それより・・・≫
マ:ああ―――あの、女禍様の形(なり)をしている者―――の事だね。 さぁ・・・私にも、誰か・・・は、分からない、
だが―――只者ではない事は、お前にも、分かっている事のようだ―――、今は、それ以上の詮索はしないことだな・・・。
シ:≪はい―――。≫
マ:(まあ・・・ストーリー的に、考えても―――この後、私達の手助けを、してもらう事にはなる―――とは思うが・・・)
(シホさんっ!いや・・・ソロンさん!!それいっちゃあ・・・・(ネタばらしだって!!(^フ^゛)
とまあ・・・一部の反乱はさておいて―――(反乱かい・・・(―フ―;;)
このあと、婀陀那は自分の家屋敷、森野邸に、そしてジョカリーヌ様は、遼來軒に帰っていった・・・と、いうことです。)