<三>
す・・・・チャッ!
〔なんと―――! 気を失ったはずのナオミが、バイザーを掛け直したその瞬間(とき)!!〕
ピ―――――ッ
カチカチカチカチカチ・・・・・
パッ パッ パッ ヴィンヴィンヴィン
パッ パッ パッ パッ パッ ヴン ヴィン ヴィン ヴン ヴィン
パッ パッ・・・ ヴィン ヴィン・・・・
プッツッ・・・・・・
全 デ ー タ ー ノ ・ 読 ミ 込 ミ 完 了
コ レ ヨ リ ・ 再 起 動 イ タ シ マ ス
グ ッ グググ・・・・・ッ
バ:(は・・・っ!)ナ、ナオミ――?!ナオミ!!
ナ:(ゆらぁ〜〜〜り・・・)
ヴ:ふ・・・っ、バカめが、あそこで、大人しく寝ておればよいものを・・・・ヤれいッ!止めだ!!
ホ:カーッカカカ!
ず・・・・どしゅうっ!
〔静かに、立ち上がるナオミ・・・でも、そんな彼女にでも、容赦なく突き立てられる、ホブ・ゴブリンの、刃が・・・
ナオミの体を、貫いたようなの・・・・・ですが・・・・??〕
――武器タイプ =ショート・ソード=――
――コノ武器ニヨル・ペインノ・ロード完了――
――損傷ヲ受ケタ部位ノ・修復ヲイタシマス――
ずる・・・・っ!
ヴ:フッ・・・・ふふふ―――(ん?) な・・・なにっ?!
バ:な・・・ナオ・・・ミ?!
ナ:・・・・・・・。
〔なぜか、彼女は、二度と倒れる事はなく・・・・
いや、しかし?今、確かに刺されたはずなのに、そこの箇所には、それらしき傷跡すら、残っていなかったことに、
そこにいた者達は、皆が皆、奇妙に感じたのです。
そして――――〕
ナ:目ノ前ノ・エネミーニ・警告イタシマス。
ソノ武器デ・コノ体ヲ・傷ツケル事ハ・出来マセン・アラカジメ・ゴ了承クダサイ。
バ:(な・・・なんだ・・・と?)
ナ、ナオミ・・・どうしたんだ、お前・・・・その声・・・それに、どうしたんだ・・・・その体・・・。
ナ:ワタシ――――ワタシノ名ハ・=ノヴァ・ハーツ=・=プロトタイプーU=
製造認識番号――2501――
バ:(な・・・ナニ・・・??) の・・・ノヴァ・ハーツ・・・だと? じ、じゃあ、ナオミはどうしたんだっ?!!
ナ:ワタシハ・ノヴァ・ハーツ―――― ノヴァ・ハーツハ・ワタシ――――
そして・・・・アタシは・・・・ナオミ=アミテージ・・・・・。
バ:(そ、その言葉遣い・・・)ナオ・・・・ミ??
〔そこにいたのは、紛れもなく、ナオミの姿形をなしたもの・・・そして、その者は、自己の事を、こうも述べたのです。
そう――――
ノヴァ・ハーツ
と・・・・
ここで、勘の良い方なら、既にお分かりとは思うが、あの『すぺっしゃる』の二弾目の時の あれ であり・・・
三弾目の時に、ジョカリーヌ様が、ぽつりと漏らした、“未だ稼動せざる者”が、 コレ だったのであります―――。
そして―――― この、恐るべき“歩く兵器”による、掃討戦が、今――――その幕を開けてしまったのです――――。〕
ナ:これより・・・・全エネミーの、デリート&イレースを、遂行いたします・・・。
バ:(えっ?!!) ぜ・・・全・・・エネミー?
す・・・・
バキィィ――――ン カシュ カシュ カシュィィ―――――ン
バ:う・・・・・っ!!(右腕が・・・変形? それに、あれは・・・レール・ガン??)
ナ:・・・・・・。
キュイィィィィ・・・・・
ズババババババババババババ!
フ:うっ!わあぁぁ!
グ:グえぇェ・・・
ホ:があぁぁ・・・!
ト:グはあぁ・・・!
バババババ・・・・・ キュゥゥゥン・・・・・ カラカラカラ・・・・
ナ:全エネミーのうち、1/3消失・・・・武器タイプ:ハンド・レールガン、始動状況良好。
システム、異状認められません。
続いて、次の武器の試射を行います。
バ:(又、変形を・・・こ・・・今度は、何だ? さっきのよりは、口径が大きい・・・)
ヒィィ・・・・ン ドチュ―――・・・・――― ヴァン パッシュイィ――――ン!
レ:ひょわあぁ・・・
イ:ふほぁ・・・・
ドチュイ―――・・・――― ヴゥ゛ン パッシュウゥン!
バ:(こ・・・ッ、これは??) プ・・・プラズマ・・・・
〔そして・・・その者は、次第に、恐るべき能力を発現させ始めたのです。
その右腕は、次々と、様々な兵器へと変わり、あらゆる敵を、なぎ払っていったのです。〕
ナ:エネミー、さらに3/5消失・・・・武器タイプ:粒子加速砲、始動状況良好。
システム、異状認められません。
続いて・・・・
バ:もう――― もういい―――止めろ、止めるんだ! ナオミ!!
ナ:・・・・残念ながら、そのオーダーは、受理されません。
ただ今のモードは≪ジェノサイド≫
バ:(ジェ・・・ジェノサイド・・・) か・・・・完全・・・抹殺・・・・。
ナ:その通りです―――。
このモードは、“人外なる者”の、完全抹殺を目的として、創られた『プログラム』です・・・・。
バ:もういい・・・・もういい! それ以上してしまって、お前の、人間らしさは保てるのか?!!
ナ:(ピク)人間・・・・人間? 人間≠人外の者・・・・ ニンゲン・・・・ニンゲ・・・・
ヴヴヴ・・・・・ ヒュゥゥ・・・・・・
ナ:・・・・・。(ガクン!)
バ:ナオミ!!
〔しかし――― その表情は、まるで“狩る”と、いうことを、愉しんでいるかのような、モノだったのです・・・・
それに、危機感を覚えたバーディ、一か八かの賭けに、とあるワード(言葉)を、そのモノに投げかけてみたのです。
そう・・・
――人間らしさを保てるのか――
と・・・。
そして、それは思惑通り、“人間”という、キー・ワードに反応し、緊急停止をしてしまったのです。〕