<四>

 

ヴ:フ・・・フフフ、驚かせやがって。

  あんなアブネー物を、次から次へと・・・いいか!ヤツらを、生かして返してはならんぞ!!

 

バ:来るなら来るがいい!! この私一人でも・・・

いや、これから、この私の真の恐ろしさを、骨の髄までしみこませてやる!

 

ヴ:ほざけえぇい! お前一人で何が出来る!!

 

バ:できるさ・・・それよりお前ら・・・・“人形使い”の事を知っているか・・・。

ヴ:な・・・・に?

 

バ:何でもそいつはな・・・敵――はてまたは、味方でさえも、

  自分の意のままに操れたそうだぞ・・・その手から伸びる、“糸”によって、こういう風にな―――!

 

キュ・・・・         ビイィ――・・・――ン             ビビィィ〜〜――・・――〜〜ン            バッ ババッ

 

ド:ぅを?!あ・・・あれ?あれれ?!

フ:ど・・・どうしたんだ?か・・・体が勝手に・・・

 

ヴ:・・・・まさか・・・キサマがそうだというか?!!

 

バ:いかにも――― 『スレイヤー』と呼ばれるまでは・・・もう一つの、二ツ名で呼ばれていたのさ・・・

  『ウォーロック』とな!!

 

 

〔ナオミが動かなくなった事――― それは、相手側からしてみれば、願ったりもなかった事。

一斉に飛び掛り、早々と決着をつけようとしたのですが。

 

ここで、隠されていた、バーディーの恐るべき能力が、明らかとなってきたのです。

 

それは――― 対象物を、意のままに操れるという能力、そしてその様相から、敵・味方問わずつけられた、ある二ツ名―――

それが、『ウォーロック』≪人形使い≫だったのです。

 

そして――― ここで、ある者の正体が割れたせいで、敵方の士気が落ちるものと思いきや――――〕

 

 

ヴ:フ―――・・・フフフ、成る程な。

  その、お前の能力――― 弱点など分かっているぞ!!

 

バ:(―――だろうな・・・だからこそ、『スレイヤー』に、変わったのさ・・・)

  さあて・・・・・そいつは、どうかな・・・・

 

ヴ:ふ・・・・(ニイィ・・・) ヤレ・・・。

 

バ:そうは・・・・させんっ!!(バ・・・ッ!)

 

ヴ:グハハハハ!かかりおったな!

確かに、貴様の能力・・・複数は操れたとしても、それは、バック・アップがあってこその恐るべきもの・・・

だが、今の貴様は所詮一人、そのお前を潰してしまえば・・・!!

 

バ:・・・・・。(ここ・・・までか――――)

 

 

〔そう――― その能力は、相手の意思とは関係なく、自在に自分の意のままに操れるという能力は、確かに恐るべきものであったのですが・・・・。

敵もさるもの、その能力の弱点を、いちはやくに見抜き、反撃を仕掛けたのです。

 

では――― その弱点とは―――

―――操り人は、物を操るときには、無防備になってしまうということ―――

 

そして、その定石どおり、まづは手下に襲わせ、それを防いでいる間に、叩く―――と、言う・・・・

それは、まさにそこにある危機だったのです。

 

そして、総てを観念し、動けなくなってしまうバーディー・・・・〕

 

だが――――

そこへ―――

 

 

ちゃぷ・・・           たぷん    たぷ・・・           ぅぞゾぞ・・・ずずズズ  ズゾぞゾゾゾ!

 

バ:(はっ!!)な・・・なに?! こっ・・・これは!!

  こいつ等の、血だまりから・・・・“ヒト”・・・?!

 

 

ぐちゅ   ぐちゅ・・・           ぐにゅるる・・・ぐずずりゅりゅりゅぅぅ・・・・・

 

 

魔:――――ハアアアァァァ―――――!!

 

バ:く・・・口元の“牙”・・・・あ、“紅き瞳”・・・・そ、それに、この“魔気”!!

  まさか・・・・こいつは・・・・サヤと同じ?!!

 

魔:フフフ―――― ククク――――

  なにやら・・・・おいしそうな匂いがするから・・・・来てみれば・・・・

 

  これは、これは、とんだご馳走が、転がっているとはねえェぇ・・・・(カアァァァ―――!)

 

ヴ:うん――? なんだキサマ・・・“ヴァンパイア”か・・・

 

魔:(ニイィィ・・・・)イエェ〜〜〜〜ス・・・・。

 

 

〔そう・・・・その場に出来ている、血だまりから 人 が・・・。

口元からは、異様に出ている―――“犬歯”

まるで、鮮血のような―――“真紅の瞳”

 

そして

 

その場にいる『デーモン;ヴィアド』に匹敵する―――“魔力”

 

そう・・・それは、紛う事莫き、サヤと同じ種―――

 

ヴァンパイア

 

しかも、この恐るべき魔者は、血の匂いをかぎつけて、ここに現れ出でてしまったようなのです。〕

 

 

バ:(く―――クソッ!! こ、これじゃあ、“前門の虎、後門の狼”じゃあないか―――ッ!!)

 

 

ヴ:グフフ・・・どうだ?お前・・・これから、ここに居る者共、山分けといこうではないか。

 

吸:なに?! ふうぅ〜〜〜ん・・・(ふふ・・・・)

  それは、良い提案だわね・・・・いいだろう・・・・。

 

バ:(ッく―――! 打つ手なしかッ!!)

 

ヴ:グフフフ――――・・・・ 

 

 

―――だ が―――

 

 

吸:その前に、ここには、邪魔な存在がいる・・・・(チラ・・・)

 

バ:(くっ―――!!)

 

ヴ:ああ・・・・(ニイィ・・・)そうだろう・・・・

  まづは、こやつ等を血祭りに上げてから――――

 

 

吸:おぉや、それは奇遇だねぇェ・・・・・ならば、早々に、片してしまうことにしよう・・・・(ギラ・・・・)

 

バ:来るなら―――来るがいい!! せめて・・・・一匹でも多く、道連れにしてやる―――!!

 

 

吸:ホ――――ホホホ! 威勢が良いわね!あなた!! 気に入ったわ・・・・

  まづは、お前からだ!!!

 

す・・・・          どしゅうっ―――

 

 

イ:グッぎゃああ―――!

 

バ:な―――なに???(わ・・・私の近くにいた・・・インプに???)

  こ・・・これは・・・一体?!

 

ヴ:な・・・っ・・・?!(こ・・・こやつのこの髪・・・まさか、こやつの意志で動いているとでも?!)

 

 

吸:フフフ――――― ククク――――― ア―――ッハッハッハハ!

  お前達の体液・・・・一滴残らず、吸い尽くしてくれる!!

 

ズぎゅうぅぅぅ・・・・             どくン――――どくん――――

 

イ:・・・・・。(パサ)

 

ヴ:き・・・キサマ!!気でも狂ったのか!? よもや、仲間を襲うなど―――

吸:おぉや、この私が、いつ、何時、お前みたいな、下等な存在の仲間になると、言いおいた――――

 

バ:(なに?)

 

ヴ:なんだと?だが・・・キサマは現に・・・・

 

吸:ああ―――確かに言ったね・・・“邪魔な存在がいる”・・・・って。(ニイィ・・・)

 

ヴ:な、なに?? それはまさか―――

 

吸:そうよ、お前達の存在なのさ!!

 

ヴ:おのれぇぇ―――サヤと同じくして・・・・裏切り者め!!

 

吸:・・・・・・ふん、偉そうな口を・・・・。

  たかが、悪魔の分際で、このヴァンパイアの『真祖』である、この私に、そのような口を利いたこと・・・・後悔させてくれる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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