<八>

 

婀:ところで・・・ケイト殿? そのシステム、まだ来てはおらぬ・・・とは、また、どういう事で?

R:え?えぇ・・・・実はそのシステム、ある人間に使われておりましてですねぇ。

ス:フ〜〜ン、ンじゃあ、人工心臓や、ペースメーカーみたいなもん?

 

R:(う〜〜ん・・・)ちょっとニュアンスは違いますが・・・・まぁ、似たようなものですね。

  それに・・・

 

お:それに?

 

R:当研究機関の、技術主任が、まだ来てないようなので・・・・

 

婀:なんと?? でも・・・そなたは、かの機関の、修理保全担当員なのであろうが???

 

R:え? ・・・・まあ、確かに、そうではありますが・・・

  このシステムの、初めてのメンテナンス点検なのでして、その主任と私の二人が就くことになったんです。

 

お:そうだったんですか・・・・それでは、こちらでお待ちくださいませ。

 

R:いえ、お構いなく・・・こちらも、十分に愉しませてもらっていますので・・・。

 

婀:(ぅん?)

J:(にゅふふ〜〜〜ん♡)

 

お:そうですか・・・・それでは、お茶でもお淹れいたしましょう。

R:はいはい。(にっこ・にっこ)

 

 

〔・・・・と、まあ、この辺で、どうやらようやく、話の本題に入れた次第でありまして・・・・(^フ^;;)>

 

どうも、このケイトさん、人体の一部に使われている、あるシステムの、整備点検に来たようなのですが・・・・

実は、あともう一人、この人の上司でもある、『技術主任』が、来ていないようなのです。

 

本来なら――― 上司と部下は、一緒に行動するはずなのに――――

でも、実は、彼女達―――――(もう、そろそろ・・・・分かってきましたァ?)

 

 

そうこうしているうちに―――― どうやら、『狩り手』達――――― サヤ・臾魅・シホ・バーディー・ナオミが、ギルドに来たようです――――。〕

 

 

サ:お〜〜〜い、戻ったぞ―――・・・・と

臾:ほいでも・・・――拠点――っちゅうの、見つかりまへんでしたなぁ?

 

マ:うむ・・・・まあ、しかし、=ヴィアド=のヤツが、出てくるからには、あの辺りにあると見てもいいだろう・・・・。

 

バ:あぁ・・・だが、その前に、ナオミのやつを、精密検査してやらないと・・・・いかんな。

マ:うむ・・・・。

 

お:お帰りなさい・・・・それで、どうでしたの?

サ:ああ、きつい!の一言だよ・・・ザコ共のお相手も、せにゃあならんし・・・・

  それに加えて、今回は、『AA』のが出てきちまってね。

 

  おまけに、本命の ピン・ホール が、見つからないときてやがる・・・・

 

臾:『AA』・・・って、あの ヴィアド のやつやろ??

  そいやァ・・・あいつが倒されてからでしたんなぁ・・・魔素が薄ぅなったの・・・。

 

バ:ああ――― しかも、おまけに、ヴァンパイアの真祖まで、出てくる始末・・・・だしな。

 

R:(ピク!)

 

 

ナ:(・・・・・ぅッ・・・・。)(ボ〜〜〜〜・・・・)

  ・・・・・あ・・・・こ、ここは・・・・?

 

バ:ようやく――――気が付いたか・・・・。

ナ:(あ―――)す・・・すいません・・・バーディーさん・・・・

 

バ:いや、いいんだよ・・・もう少し、楽にしていな・・・

ナ:は・・・・はい。

 

 

〔どうやら・・・・今の今まで、気を失っていたナオミが、意識を回復したようです・・・

(いや・・・・意識を回復した・・・とは言ってはいますが・・・・

どうも、この時、ある者が出した――気――つまりは、シグナルのようなものに、体内にある何かが反応した・・・とも捕らえられなくはないですが・・・)

 

そして、そのある者・・・・ナオミに近付いてきたようです・・・・〕

 

 

R:・・・・・。(ツカツカ)  ようやく・・・見つけたわ。

  あなたが・・・・ホルダーの、 ナオミ=アミテージ さん・・・ね。

 

ナ:えっ?? は、はい、ナオミはアタシだけど・・・・

バ:(ん?) ・・・・失礼ですが・・・・あなたは?

 

R:・・・・これは、申し遅れました。 私は――― こういう者です。

 

バ:・・・・・ゼルゲンハイム研究機関―――?? 一体、なにの研究を?

婀:主に、人工臓器などの研究をしておるところかのぅ?

 

バ:人工臓器―――― でも・・・

 

ナ:でも、アタシは、人工臓器なんて、使ってやしない!! 健全な、生身の体だ!!

バ:(ナオミ―――!!)

 

 

R:・・・・“ノヴァ・ハーツ”・・・・・。

 

ナ:(え―――?!!)

バ:(な、ナニ―――!?)

臾:(はぁ???)

サ:(ぅん?)

マ:(ノヴァ??)

お:(ハーツ??)

婀:(とは・・・・なんじゃ?)

ス:(・・・ナオ・・・ちゃん?)

J:・・・・・・。

 

ナ:な・・・・ナゼ・・・・それを、あなたが・・・・

 

R:(ふ・・・)ところで―――

  後は、私のところの、技術主任だけなんですが・・・・ご存知ありませんか?

 

バ:ぇえっ?! 初対面の人に、ご存知ありませんか――――って、聞かれても・・・・なぁ。

マ:こちらに来る折に、人を伴っては来ませんでしたが?

 

R:あっ―――― そう・・・ですか・・・。

  (あんのバカ――― 久々にこっちに来た事だし・・・・

それに、あの厄介者から、逃げてきてッから、羽・・・・伸ばしに伸ばしてやがんなぁ〜?)

 

ま・・・・今回ばかしは、大目に見てやっかァ・・・・。(ぼそ)

 

 

〔な、なんとぉ?!今、明らかになったことなんですが・・・・

やはり、このケイトさん、こちら(??)に、来たことがあるようですねぇ?(しかも・・・・その、主任さん・・・も)

 

・・・・っていうか・・・・白々しい?

 

と、そこへ、おひぃさんが・・・・〕

 

 

お:あの、ケイトさん?

R:あっ!(ギクッ!) は・・・・はい、なんでしょ?!!おひぃさん・・・?(や、ヤっベぇ〜、バレた??)

 

お:(え??!) ・・・・・あの、なんでしたら、あなた方の主任さん・・・わたくし達の方で、お探ししましょうか?

R:(ほっ・・・・違った・・・・)

  あ・・・・っ、いや・・・・いいんですよ―――

あの方も、日頃忙しかったッすから、たまァ〜〜に、こういう機会がないと、ロクに息抜きもできなくって・・・・

それに、こちらもそう急いでないっすから―――

 

お:は・・・・ぁ・・・・・そうでしたか・・・・。

R:そうなん・・・・・ですよ―――(あははは・・・・)

 

お:(・・・・・・?????)

R:(あ・・・・あれ?? なんか・・・私、余計な事・・・・言っちゃったっけ??)

  あ・・・・あのぉ〜〜〜、ちょっと、おトイレ借りますね?

 

お:・・・・・どうぞ・・・・。

 

 

〔確か・・・・ケイトさん・・・・でしたっけ?

この人の目的は、ナオミの所持している、“ノヴァ・ハーツ”に、用があったはずなんですが・・・・

どうも、余計な発言のオン・パレードで、おひぃさんの目の色が・・・・かわったようですよぉ〜〜〜?

 

でも、彼女自身、どこのどの部分が、おひぃさんのアンテナに引っかかったか、分からないようです・・・・(え??皆さんも??)

仕方・・・ないですねぇ・・・・では、その種明かしを・・・・〕

 

 

お:(―――――あの人・・・)

婀:いかが・・・・されたのです?姐上・・・・

 

お:ねぇ・・・・婀陀那ちゃん・・・・

婀:・・・・はい。

 

お:わたくし達――― あの人には、まだ一言も、自己紹介・・・していませんよねぇ・・・?

婀:(ピク)・・・・どう・・・・されたので?

 

お:もしかして・・・・なんですけど、あの人と、あの人の言う、主任さん―――― って・・・

 

J:ねぇ、ねぇ〜〜〜 海苔 の別名・・・って、なんでしたっけ??

 

婀:(ガク)・・・・Joka殿・・・今、重要なことを話しておる最中に、クロス・ワードなんぞ、持ち込まんでくだされ・・・

 

J:ふふふ――――っ、それも、そうね。

  でも、いいんじゃあないっかなぁ〜? あの人達も、久々にこっちへ、しかも・・・プライベートで来てること・・・だしね?♡

 

お:(え―――?)も、もしかして・・・・心当たりが?

婀:女禍・・・様?

 

J:まっ――― 一つだけ言える事は、気の合う二人が、一番にくつろげる場所を選んだのが、たまたまここで・・・

  その際に、彼女達の、もう一つ上役のある人に、

“その後の、状況はどうなったか―――”

の、調査の依頼と―――

“そのモノの、見極めをしてくるように―――”

  言われたんじゃあ、ないのかなぁ〜〜〜?

 

お:す・・・すると・・・・それでは?!!

婀:そうなので・・・ございまするか・・・?

 

J:あっ、あと・・・・それとね?

  もう、しばらくは・・・・気付かないフリ、しておいてあげなよ・・・・。

 

  折角、偽名使ってまで、こっちに来てんだからさ、それにね?

  おひぃさんや・・・・婀陀那ちゃんが・・・愉しく、二人で遊んでいるとこ・・・ご両親に見つかって、見咎めでもされたら・・・どんな気分?

 

お:あっ・・・・・そうか・・・そう、でした・・・わよね?

婀:そうで、ありますな・・・。

 

 

〔さすがは・・・・と、でも申しましょうか・・・・女禍様、今回のケース、裏の裏まで、ご存知だったようで・・・・

この二人にだけ、種を明かしておいて、ある程度距離を置いてもらう・・・・と、云う形をとったようです。

 

その一方で・・・おトイレのこの人は???〕

 

 

R:はぁ゛〜〜あ・・・ヤレヤレ・・・なんか、ヘンな汗かいちまったよ・・・。

  そっれにしても・・・あいつ、一体どこをほっつき歩いてやがんだ??のんびりするにしても・・・ちと、度が過ぎてやしないかぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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