<拾>

 

お:これよりは、迅速さがキーとなりますので、ツー・マン・セルの、三組で動きましょう。

  各自、くっつきたいと思われる方と、組になって下さいな。

 

 

サ:おい、コラ――― 臾魅、こっちゃあこい・・・。

臾:え゛〜〜――― うち、ドンとでっかぁ〜〜?

 

J:ナオミさぁ〜〜――ん、よろしくネット!♡

ナ:え゛??あ・・・は、はい。(わっちゃ〜〜――変なのに、目ェ付けられたな・・・・)

 

お:―――・・・すると、成り行き上・・・・

キ:あなたは、私と・・・・ですわね、よろしく、おひぃさん様―――

 

お:あぁ―――いえ、おひぃさん“様”ではなくて・・・・『おひぃさん』で、結構ですのよ??

キ:そうですか―――・・・・それでは参りましょうか、おひぃさん。

 

 

〔どうやら、効率性を高めるために、捜索班の中でも、さらに分割され、アダナの捜索を開始したのであります。〕

 

≪サヤと臾魅≫

 

臾:なぁ―――・・・ドン。

サ:なんだ・・・。

 

臾:アダナ――――っちゅう人、またえっらい剣幕やったけど・・・

  あん人にとってヱルムはん、えっライ重要なトコ、占めとったんやろかなぁ―――・・・

 

サ:さぁてな・・・少なくとも、お前のおッ母さん以上だとは思うぜ。

 

臾:さよか・・・ホイでも、けったくそ悪い奴もおったもんでんなぁ〜

  ヤミー・・・・っちゅうんか?? 人様のもん奪いくさるなんて、外道も極まりないこってすで。

 

サ:ほほぅ――― 随分といいところをつくようにはなったじゃねぇか。

 

臾:えっ―――? ほぅでっか??

 

サ:だが―――・・・こんなんで満足してるようじゃあ、一流にはなれんぜ・・・・。

 

臾:なんやん――― きっついわぁ・・・・それ。(プリプリ)

 

サ:はは――― 悪い悪い・・・・。

  (それにしても―――・・・奇妙な話だな・・・。

  “内側”からではなく・・・“外側”からか・・・・そういえば、あの『封印石』ここからそう遠くはなかったな―――・・・)

 

  よし・・・おい、臾魅、お前はこっから、一人でアルディナを探してろ――――・・・

 

臾:はぁ―――?? なんでっか?それ・・・・そら、ちと後生でっせ??

 

サ:やかましい、言われた通りにしてろ――― オレは、これから用で、とあるところに出向かにゃならん、分かってるな・・・・。

 

臾:へいへぇ〜〜〜〜い(ちぇ・・・サボろおもて・・・)

 

サ:じゃあな――― 後、頼んだぞ・・・。

 

 

〔どうやら――― サヤは、何か思うところがあるらしく、封印石の場所まで行ってみるようです。

(その間臾魅は、一人でアダナを探すよ〜〜で・・・・)

 

≪Jokaさまと、ナオミ≫

 

ナ:音波探知―――赤外線・熱探知―――感圧探知――― ともに異常なし・・・・か。

  はぁ〜〜・・・こいつは、参ったというしかないな・・・・。

 

  あたしに搭載されてる、ノヴァ・ハーツでさえも感知する事すらできないなんて・・・・(サビでも来ちまったのかな?)

  ――――・・・で、そっちはどうなんだい? Jokaさん。

 

J:異常ないぷ〜〜〜

 

ナ:はっ―――・・・さいでっか・・。(ホント・・・こいつ神様なのかよ・・・)

 

 

J:あっ!そだ・・・・大事なこと、忘れとったにゃりん!!

ナ:えっ?? な、ナニが―――・・・?

 

J:お夜食買っとくの、忘れてたんにゃそよ。

  チミもヤ●ザキの『肉まん』『あんまん』いる??

 

ナ:(こっ・・・この・・・・#)

  ナニが哀しくって、こんなのと一緒にならなきゃならなかったんだよっ!! このあたしが―――っ!!#

 

J:おょょ・・・なんか、分かんないけど、スッげー怒ってるようだにゃりん・・・。

 

ナ:あたしはいいから―――・・・欲しかったら買ってくりゃいいだろっ―――!

J:はぃぃ〜〜〜そ、そうするにゃりん・・・

 

ナ:全く―――・・・いい加減、こっちまで調子が狂ってくるよ・・・。

 

 

J:(ゴメンね・・・・ナオミちゃん・・・) ――――よし!

 

 

〔Jokaさま、一向にやる気のない素振りを見せて、ナオミからの怒りを買ってしまいました――――が、

どうやら、これは、Jokaさまが、彼女なりに考えた最良の方法・・・・

もう、これ以上―――ナオミに危険は及ばすまいと、考えた事だったに、違いはないようです。〕

 

≪おひぃさんとキリエ≫

 

キ:(この辺りで・・・・よさそうね) ねぇ・・・おひぃさん?

お:はい―――? どうかなさいましたか―――??

 

キ:あなた・・・・アルディナさんとヱルミナール様・・・あのお二人を見て、どう思われます?

 

お:あのお二人・・・・ですか。

 

  そうですわね――― ヱルムさんは、それは素晴らしい術の使い手で・・・とても尊敬しております。

  それに、人となりも―――・・・

 

キ:そうですか・・・・では、もうお一方(ひとかた)は?

 

お:アルディナさんですね・・・あの方も、とても素晴らしい方だと思います。

  とても思いやりがあって――― 友の危機を、我が事のように思える・・・・だ、なんて、そうはできないこと・・・

  それは、とても素晴らしい事だと思います。

 

キ:そう―――お感じになられましたか・・・。

  では、もう何も言うべきところはないようですわね―――。

 

お:(えっ??)

 

 

キ:あなたは―――・・・このまま、封印石のあった場所に行って下さい。

お:はぁ?? でも・・・そうすると、あなたは―――・・・

 

キ:そこには―――・・・必ず、アルディナさんと、ヤミーとか申す者も居るはず―――・・・ですから。

 

お:ちょ――― ちょっと待って?? じ・・・じゃあ、この計画を立てたあなたはどうするの??

 

キ:私は―――・・・この場所で“待機”させて頂きます。

 

お:ど―――・・・どうして・・・・

 

キ:ワケなら、のちほど・・・・さぁ、早く行きませんと、始まってしまいますわよ・・・・。(ニィ)

 

 

〔こちらのほうは順調に――――・・・ではなく、どうやら、城跡と、かの封印石のある祠の中間点に位置する公園に、おひぃさんとキリエが差し掛かったときに、

キリエのほうから、自分はここに待機して、おひぃさん一人を祠まで向かわせようとしたのです。

 

なぜ――― それはどうやら、一番に、分析・判断力のありそうなおひぃさんから、アダナとヱルムの事を聞きだすため・・・・

自分達の世界ではない、違う次元にいる彼女達なら、また違った解釈もあろうか・・・・と、そう思っていたなら、

予想外の好感触に、キリエは“ああ―――これだから、あの二人はここへ来たがっていたのだ・・・”と、思うようになっていたのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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