<第一章;居所の亡き者>
≪一節;滅び逝(ゆ)く国≫
〔ここは・・・この大陸『ガルバディア』にある、一つの小さな国家、その名を『テラ』。
そして、この国は、図らずも隣国の敵対している国と・・・人外なる者の手により・・・今まさに滅ぼされようとしていたのです。〕
ア:はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・
はあっ・・・・はあっ・・・・はあっ・・・・・ああっ! つっ――― つつ・・・・。
(は・・・っ、早く・・・!!) ・・・っ、 はあっ・・・・・はあっ・・・・・
〔どうやら・・・この国、『テラ』の姫君(だろうか?)が、敵の手から辛くも逃れ、息せきながらも、お城の脱出口まで辿り着いたようです。
ですが・・・?〕
リ:グルルル・・・・・・
ア:(アヱカ;女性;22歳;どうやらこの国の姫君のようではあるが・・・・?)
あ・・・・ああっ! リ、リザードマンが・・・もうこんなところまで―――
も・・・もう・・・・ここまで・・・なの―――?
リ:グル?!
リ:ギュルル・・・・
リ:シギャアァ・・・ッ!!
ア:ああっ!!
〔もうすでにそこには、この城の兵たちの骸が・・・そしてそこには、三体ものリザードマンがいたのです。
そのリザードマン達、目ざとくこの姫君を見つけ、その歯牙にかけようとしたところ・・・!〕
ガ:てぇやあぁっ!
マ:そぉらぁっ!
リ:グギャアァァ・・・・
リ:ズギャアァァ・・・・
ア:ああっ!ガムラ将軍に、マサラ将軍!!
ガ:(ガムラ;男性;24歳;この国の将軍であり、姫君の護衛)
アヱカ姫、ここは我らで食い止めます、どうかお逃げくだされ!!
ア:ええ・・・っ?でっ・・・でも・・・
マ:(マサラ;女性;23歳;ガムラと同じく、この国の将軍であり、姫君の護衛、ちなみにガムラは実兄。)
すでに王とお后(きさき)は、敵の手にかかられた由にございます!
ア:えぇっ? ・・・お父様と、お母様が?!
ガ:ですから姫様! あなた様だけでも、落ち延びて下さいませッ!!
マ:あたい達の・・・・たった一つの希望の光を、消さないで下さいッ!
ア:そ・・・・そんな・・・い、イヤですっ! この上、あなた達まで失ってしまっては、どうしてこの国の復興を望めましょうか!!
敵:おいっ!あそこにいたぞ!!
敵:それッ!逃がすなあっ!!
ガ:ク・・・ッ!(姫様・・・ッ!!) おいっ!マサラ!!
マ:分かってるよ・・・ッ! 姫様・・・ゴメンッ!
ア:ぅぐう・・・・っ――― ま・・・・マサ・・・・ラ・・・・
ガ:マサラ・・・後の事を、姫様を頼んだぞ!!
マ:兄さんっ・・・!!
はあ・・・っ―――!
ガ:(マサラ・・・・姫様・・・・)
フ・・・ッ、さあ―――かかってくるがいい・・・このオレが、相手をしてやるッ!!
敵:ほざけえぇい!ぅるるぅあ!
敵:死ねやあぁ!
敵:へ・・・っ、へへへ・・・・
あっ?!あれ??
敵:ど・・・どうしたんだ?ぬ、抜けやしねぇ・・・・
ガ:フ・・・・フフフ―――テ・・・テラに・・・栄光・・・あれッ!!
ア:う・・・・うぅ・・・ん―――(はっ!)
い、今の爆発音・・・・
マ:あっ、姫様・・・今お気づきになられましたか?
ア:えぇ・・・それより、マサラ・・・・今の―――・・・
マ:・・・言わないで下さい・・・そして、振り返らないで・・・・そうしちまうと、兄さんのやったこと・・・無駄になるから―――
ア:(そ・・・んな・・・) ガ・・・・ガムラ・・・・将軍まで??
〔なんと云うことでしょう・・・・この姫君の、幼少の頃より仕(つか)え、親しんできた護衛の武将の一人が・・・・
その身と引き換えに、「自爆」という行為で、敵の追っ手を食い止めた・・・・という事のようです。〕