≪二節;色眼鏡≫
―――コン・コン―――
婀:はい―――どうぞ・・・ああ、これはアヱカ姫、丁度よいところでした。
妾もこれより、一息入れようとしていたところなのですよ。
ア:あら・・・そうだったのですか。
コ:こんちは―――ですみゅ!
乃:・・・です・・・みぅ・・・。
婀:お・や?! 姫君・・・この子らは一体―――??
ア:ほら・・・ちゃんとご挨拶、するのですよ・・・。
コ:ハイっ! え〜〜っと・・・
あたし、フェザーテイル・フォックスの、コみゅですみゅ!
乃:あの・・・あたちは、おなじくいもうとの、のあいいますみぅ・・・。
婀:なぬ?!!フ・・・フェザーテイル・フォックスとは―――?
そ、そなたら・・・人外の者なのか?!!
ア:あぁ・・・っ、ち、ちょっと、ダメじゃない、コみゅちゃん。
コ:えっ? どしてですかァ?
ア:(ど・・・どうして―――― と、いわれても・・・)こ、困りましたわね・・・。
婀:(ま・・・まさか、人外の者が、この街を出入りしておったとは・・・・)
説明して・・・もらえませぬか、姫君――――
ア:・・・・・はい。
〔これが初対面となる、婀陀那と、コみゅ・乃亜の三様。
その登場も可愛らしく、アヱカ姫の背後から、「ひょっこり」と二人同時に顔を出し、中々に強い印象を婀陀那に与えたようです。
―――と、ここまではよかったのですが、
コみゅが、自分達を紹介する折に、云わなくてもいいことまでも云ってしまったようなのです。
そう・・・彼等の種属「フェザーテイル・フォックス」―――と・・・。
これには、さすがの婀陀那も目の色が変わってしまい、この説明をこの子達を伴い連れてきた、アヱカ姫に求めたのです。
でもアヱカは、別段これといって臆した風もなく、こうなった経緯(いきさつ)を、婀陀那に話してみたのです。
すると――――・・・〕
婀:成る程―――― そういうことでありましたか。
ア:はい・・・。
婀:いや・・・そうとは知らず、妾もそなたらを色眼鏡で見てしまおうことになろうとは・・・・恥ずかしい限りじゃな。
ア:いえ―――そんなことはございません。
わたくしは、婀陀那さんならきっとご理解いただけるもの――――と、そう信じておりましたから。
婀:いや――――これは辱(かたじ)けない。
姫君にそう云って貰えること・・・・それだけで、救われた気持ちじゃ。
そなたら―――コみゅに、乃亜殿・・・・こんな妾じゃが、仲良うしてはもらえぬじゃろうか。
コ:いえ・・・こちらこそ喜んで―――!
乃:・・・・・よよこんで。
〔「色眼鏡で見る」・・・つまり、「スピリッツ=人外の者」―――と、云う先入観をして見てしまったことに、羞恥を感じてしまった婀陀那、
それゆえに、まづはそのことを深く詫びて反省をし、その上で改めて和解の申し入れをしたのです。〕
婀:(いやはや――― それにしても、毎度の事ながら、驚かされる限りじゃ・・・
このお方の、生まれついての性格もあることじゃろうが・・・「仁君の力」が真に目覚めた時には、どのようなものになるのじゃろうか・・・
見てみたい―――今は叶わぬ事やも知れぬが、見てみたくはあるものよ・・・・それであるがゆえに、頼むぞ、紫苑―――!!)
〔時代が―――「歴史が動く」とは、将にこの事を云うのでしょうか。
たった一通の「書簡」が、運命という名の『時機』(とき)をのせ、一路―――フ国の都「ウェオブリ」へと急いだのです。〕