≪三節;「帰巣」―――報告会その1≫
〔その一方で―――かの、ラージャの「竹林の庵」では、主の命に従い各地に散らばっていた猛禽たちが、
各々が習得した情報(エサ)の報告をしあっているようです。〕
ナ:タケル―――・・・いや、主上。
「梟」(きょう)以下、5名―――只今戻りました。
タ:そうか・・・・5名か、7名全員揃わなかったのは、残念ではあるが・・・
その二名の事に関しては、多くは云うまい。
ナ:は―――・・・代わりに、「鴉」(からす)のシホからはこの通り・・・・。
ユ:同じく、「カケス」・ルリからも、この通り・・・。
タ:うむ、ご苦労。
ところで―――各々の任地ではどのように動いている、まづはそれから聞こう。
マ:それじゃあ―――「い」の壱はアタシから――☆
クー・ナはさぁ、ここ数年豊作続きでね、義倉やら穀物の蔵とかの備蓄のほうも、年々増量されてるよ。
でもね―――・・・
タ:(ほぅ・・・)うん?!
マ:やっぱさぁ、ここ数年で或るところからの侵略や強奪が頻発するようになったから・・・軍備のほうも進んでんだよ。
タ:(軍備・・・・)その、「或るところ」・・・とは?
マ:知れた事・・・カ・ルマだよ。
あいつ等のおかげ・・・・と、云っちゃなんだけども、このアタシなんか自警団とはいえ一個小隊の隊長やってたんだよ?
スッゲーだろ? だろ??
タ:ふむぅ・・・成る程、やはり―――そちらでもカルマ絡み・・・か。
ユ:それで―――カルマ軍とは当たった事は・・・あるの?
マ:な・・・なんだよぅ、ユミさん、藪から棒にぃ〜。
ユ:私は、聞いてるのよ・・・。
で―――どうなの?
マ:(面倒クサ〜〜)ガチンコ――☆ ってな具合じゃないけど・・・小競り合い程度なら、二・三。
ユ:それで―――? 強さ・・・と、してはどうだったの?
マ:え゛ぇ゛〜〜? そんなことまで、何で一々あんたに云わなきゃ―――・・・
ナ:その事なら、アタシから話してやろう。
マ:な・・・ナオさん!
ユ:お頭―――それで、いかがだったのです?
ナ:こいつを―――マキを拾うついでに見かけたんだが・・・・
私から見ても、かなり手強い・・・一個小隊でも師団レベルの強さだ・・・
ユ:そ―――そんなに??
シ:それほどまでとは・・・
レ:まずいですね・・・・。
ナ:でも―――それは、「武」のみを見させてもらって云えること・・・
タ:つまり―――・・・「計略」で対抗された場合には非常に脆い・・・と?
ナ:はい・・・今の段階では。
でも、そう云えるのも、ほんの一部を見ただけなんで・・・
タ:・・・そうか、よし、分かった。
では、次を聞こう。
〔まず先行して報告したのは、元気が取り得の「鵙」(もず)・マキから。
彼女の任地は、『世界の穀倉』とも呼ばれているクーナ国、この国の近況を余すことなく報告しているようです。
(詳細は『補章U−3』を参照のコト)
さて、お次は・・・?〕
シ:それでは―――次は私から。
サライは、相も変わらず穏やか―――と、云ったところです。
タ:まぁ・・・あそこは『非戦・非暴力』が、その「本音」としているところだからな。
シ:はい―――そう云ったところからも、宗教・布教活動のほうが活発といったところでして・・・
マ:年々、マハトマの信者は増えていってる―――ってからね〜☆
あ、そうそう・・・そいえばさぁ、クーナでも信者の方、30戸くらい増えてたってよ―――☆
ユ:でも―――・・・それだけなら、別に脅威に値するとは思えないけど?
タ:そいつは―――どうかな?
ユ:えっ?? た―――タケル様?
タ:確かに―――宗教の信者、それ自体が増える・・・と、いうことは、別段脅威でもなんでもない。
ただ一つ危惧しておかなければいけないのは、そういう教義を持つ者達に対してのカルマの出方だ。
ユ:は―――・・・はぁ・・・。
マ:や〜〜―――い、や〜〜―――い、おッこらりたぁ〜〜☆
タ:そういう者達もまとめて考えねばならない・・・と、いうことは、実に厄介なことだが、
こればかりは、「天佑」に頼るしかなさそうだな。
ナ:(タケル・・・)
シ:あぁ・・・あと、それから―――
タ:うんっ?まだ他にあるのか?
シ:はい―――・・・まぁ、さほど重要なこととは思われないのですが・・・
一応は、お耳に入れておいたほうがいいと思いまして。
実は、このことは、副長も存じておいでのはずなのですが。
ユ:えっ・・・私も?!! ―――まっ・・・まさか?!
シ:はい・・・「第三の勢力」にならないとも限らない、「お山」の「主」の事です。
タ:(「お山」の・・・)それは真か?!
シ:はい・・・私が、直に取り次いだ折に・・・
『ここの教主に、ゾハルの主が来た―――と、言えば分かる。』・・・と、そう云われまして・・・。
マ:お・・・おいおい、シヅネちゃん、それ―――って、ガセなんぢゃないの―――☆
シ:私も―――・・・初めは、そう思いました・・・。
ですが―――教主兼国王のナユタの顔を覗うにあたり・・・そういう思いが晴れたのも、また事実。
ナ:―――・・・と、いうこと・・・は・・・・
シ:はい―――その者とナユタが何を話したのか・・・・その内容までは分かりませんが、
あの会合の後、ナユタがひどく気落ちしていたのは事実なのです。
タ:ふむぅ・・・あの、ハイ・エルフが・・・・か、それは実に興味深い話だが、
だとするとその「お山の主」、正体はとんでもない大物かも知れんな。
シ:はい―――そのことに関しては、引き続きの調査をしたいと思っております。
〔そして、続いては「白雉」(はくち)・シズネの報告。
ここでも、彼女がここ数年、いた国でしていたこと・・・と、あの―――件(くだん)の「お山の主」の事を告げたのです。
それを聞くに際し、この「第三の勢力」にならないとも限らない者の事も、その視野に置かなければならなくなった者の胸中とは―――
いかばかりなものがあったでしょう。〕