<第百章;飽くなき闘争>

 

≪一節;旅の空≫

 

 

〔この度の、女皇陛下による独自の判断の言及は、かの方の胸の内を吐露されたことで払拭することが出来ました。

 

けれども・・・のちにはその判断が、至るところにて影響を及ぼす原因のようなものとなりえてくるのを、

人々はまだ知らずにいたのです。

 

その一つとして―――今回のカルマに対抗するための各戦線に必要な兵糧をはじき出し、

それらを前線に搬出し終えたこと・・・

その量は、一口にはそう莫迦にもならない数値だっただけに、無駄なく使うことが前提としてあったのです。

 

 

それはそれとして―――

この度よりパライソに参入することとなった、あの二人は―――・・・〕

 

 

ヱ:あの方からの一言で、この国の将兵たちのことを任されたのはいいとして―――・・・

  問題はこれからよね・・・第一、その初めから手を貸す―――というのもなんだし・・・

  ・・・ここは一つ、様子を見ることから始めましょうか。

 

 

〔今のは、この度よりパライソに参入した二人のうちの一人・・・

けれども、その姿は少女の形(なり)をしていました。

 

しかし―――なんと、驚くなかれ、この少女こそは・・・

 

―――と、そんなことよりも。〕

 

 

ヱ:―――ところで・・・なんであんたが私と同じ方面にいるんデスメタル。

エ:うぅん〜♪そぉんな細かいことはいいじゃないか―――やっと私たち二人っきりになれたんだもん♪(すりすり〜)

 

ヱ:(鬱陶しいったら・・・#)“一緒に”―――と、云っても、一緒に元の官職に戻れはしましたけれど、

  一緒に行動しなさい・・・とまでは云われてなかったでしょうに。

 

エ:あぁん〜―――もう、素直ぢゃないんだったら えいッ!ツネツネしちゃうぞっ!(ツネツネ〜☆)

ヱ:いい加減にしなさいよッ―――!それに本当に抓(つね)ることはないじゃないの゛っ!!#

  大体あなたが赴くように云われたのはこっち(西部方面)じゃなくて、あっち(東部方面)でしょっ?!

  それをなんだって―――・・・

 

エ:―――あ、こっち?そっち?〜♪ あ、こっちそっちどっち?〜♪

ヱ:##――シュターデン!!――##

 

 

〔おやおや―――w 仲良きことはいいことなのですが、どうもこの二人のは度が過ぎる嫌いがあるようです。

 

ですがどうやら、原因はマイペースなエルムがそれを作っているようでして―――

今もまじめな話しをしようとしているときに揶揄(からか)われたり、不必要にくっつきすぎたり・・・と、

ヱリヤが怒れる材料としては充分だったようです。

 

それにしてもまだまだ続くようでして・・・〕

 

 

ヱ:いぃ〜い?! 私たちがもっとしっかりしていれば、あの方に非難が及ぶことはなかったの。

  それを―――私やあなたがヘマばかりをするものだから、いつまでたってもカルマをのさばらせる結果になっちゃって・・・

  ねぇ―――ちょっと・・・聞いてるの?!!

エ:(顔が近い顔が・・・)あ゛〜〜それについては反省してますです―――はい。 二の句もござぁません・・・

  けどもさぁ〜〜お師様もいないこの世で、一体どうやったらあのカルマをヘコませることが出来るって云うんだい?

 

ヱ:問題はそこよ―――・・・今の世は、かつて私たちが現役で動いていた時代とは違う・・・

  私たちが、自分たちの独断で動くにしても、どの程度の敵や味方が巻き添えになるかが判らない・・・

  私たちが振るう、この強大な力が原因で、両軍が全滅してしまったあの戦いだけは、もう二度と起こしてはならないのよ―――・・・

 

エ:・・・“ブラッドフィストの惨劇”―――そういえばそんなこともあったねぇ・・・

  でも、裏を返すなら、私たちももうあのときのままじゃないんだからさ・・・深く気にするもんじゃないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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