≪二節;立腹≫
〔しかし―――それを見ていたカルマ軍の指揮官は・・・〕
ノ:なんだ貴様―――!せっかく火を付けたものを・・・それを鎮火させる奴があるか!
蒼:―――・・・。
ノ:何を黙っている! 貴様のやったこと、ただちにぺリアス様にご報告申し上げ―――・・・
蒼:なるほど・・・つまりお前は、ベリアス配下の将か。
それにしても・・・随分と勝手に―――それも派手にしてくれたものだな。
この報い、受ける覚悟はできているのだろうな―――!!
ノ:な・・・なんだと? 貴様、無礼であろう! ぺリアス様を呼び捨てにするなど―――・・・
蒼:知ったことか、最早お前たちの所業、許されざる行為であることを思い知るがいい!
その洗礼として・・・この私が持つ 凍てつきの画戟 を受けよ―――!!
ノ:な―――なんと?! 凍てつきの画戟?!! すると・・・貴様は・・・!!
蒼:いかにも・・・パライソ左将軍・キリエ=クゥオシム=アグリシャスとは、私のことだ!!
〔今の今まで、どこぞの痴れ者が自分たちの任務の妨げを行っているものかと思えば、
その者が携えると云う武器銘を知ったことで、この指揮官はこの痴れ者が何者であるかを知ったのです。
噂には聞いていた・・・自分たちと同じ存在ながら、自分たちに抗うと云う存在―――ハイランダー・・・
そんな存在が立ちはだかっている事実が、現実としてあったのです。
その戦闘では、まんまと相手の主戦力をおびき寄せ、本来の目的である相手方の兵糧庫を壊滅できるものと、確信に至れるだけの要素がありました。
けれども、思わぬところで思わぬ邪魔が入るのは世の常と云ったところか・・・
しかもそれが遥かなる過去から自分たちの勢力に抗ってきた存在だとすれば、いかがなものか・・・
しかしそれはもはや云うまでもなく―――・・・〕
ノ:ふん・・・なるほどな―――キサマが古(いにし)えからの主、ぺリアス様やアウナス様・・・ビューネイ様たちの頭痛の種であったか。
フフ・・・本来ならば、我らが主達の恨み辛みを果たしてやりたいところなのだが、これでもオレは忠義者なのでな・・・
あ、主達の獲物を掠め盗ろうとは―――これほどもないので・・・な・・・
(こ―――こいつ!信じられないまでの殺気を醸してやがる・・・こんなヤツをいちいち相手していられるか!)
キ:・・・だからなんだと―――? そう云えば私がお前のことを憐れんで、見逃すものと思っていたのか。
フフフ・・・・フフ―――
ア―――ッハッハッハ!
随分と勝手なことを! お前たちの所業は許されざるところだと云っているだろう!!
御託などいい・・・すぐさま私に討たれろ―――!!
〔蒼龍の騎士のその怒りたるや―――凄まじきものがありました。
そしてその怒りは、すぐさま蒼龍の騎士の身体の周囲(まわ)りにある現象となって現われてきたのです。〕