≪二節;聖と魔の戦い≫
ゴ:クワ〜ッカッカッカ―――うらぁ〜死ねえ!!
リ:させはしない―――! 私たちは誰のものにもならない、だからこそ闘うのよ―――この命燃え尽きるまで!!
ゴ:はんっ―――いっぱしのことを抜かしやがる。
だが所詮ひ弱なお前たちはオレ様たちの敵ではない! それに、お前のような女はオレ様たちに嬲られる運命にあるのだ!
リ:なんて汚らわしいことを・・・そう云われて私が大人しくそうされるものとでも思っているのか。
逆にわが 呪 を持って懲らしめてくれん―――!
――〜わが信念に 栄光のチカラを 今〜――
カ:カラカラカラ〜―――どんなに足掻こうと、キサマらはカルマの奴隷として死ぬまで働くのだ!
そのことに逆らうとは笑止千万! 大人しく跪け〜!!
セ:何を愚かな―――私たちはお前たちの奴隷となるために生まれてきたわけなのではない!
『総ての生きとし生ける者達は自由にして平等』―――私たちの国パライソの建国憲章にも記されているように、
“個”が、他の“個”の自由を侵害してよい道理がない・・・お前たちもそのような考え方から脱却し、悔い改めるのです―――!!
――〜永遠の剣よ 今こそ その力を開放するのです〜――
〔対戦する者同士の実力としてはほぼ互角・・・けれど“月”と“花”は、魔を退ける力を持つ聖剣の一本を携えていただけに、やや有利な展開ではあったようです。
しかし―――そのことをすでに見越していたのか、その二方面に後詰が各方面の拠点から出てきたのです。
いくら将同士の実力が同等でも、率いる兵士の数が同等でなければ、戦としての均衡は保たれない―――・・・
だとすれば・・・このままリリアにセシルは捕えられてしまうのでしょうか―――
けれども、いつまで経っても、カルマの後詰の隊は到着しませんでした。
どうして―――・・・?
それは、残るイセリアが、素早く援軍のことを察し―――ミルディンやギルダス達と共に敵の援軍を阻んだから・・・?
それとも、天才軍師との呼び声の高いタケルが、味方の窮地を察してリリアやセシルが戦っている二方面に増援を送り込んだから・・・?
もしくは、この二つ総て―――?
いいえ・・・そうではなく―――
いずれにしろ、イセリアにタケルが、カルマの援軍のことを知ることとなるのは、いくら早くともリリアとセシルが苦戦必至の直中(ただなか)にあり、
イセリアにタケルがリリア達の窮地を救うべく援軍を出したところで、出した援軍もろとも鏖(みなごろし)の憂き目に晒され、大敗北を蒙(こうむ)るのは必定だったのです。
ところが・・・そうはならなかった―――
先に結果だけを申し述べると―――リリアもセシルも、各戦線において勝利を収め、カルマ軍は這(ほ)う這(ほ)うの体(てい)で逃げ帰った・・・
二人とも倍以上の軍勢を相手にしながら―――?
実はそうではなく、もう少しはっきりしたことを述べてしまうと、カルマの援軍はこの時現れてはこなかった―――・・・
あのまま戦況はパライソ軍有利のままで進行し―――そのまま勝利できたに過ぎなかったのです。
では、どうしてカルマの援軍は現れてはこなかったのでしょうか。
やはり・・・クーナに在籍していると云う、 獅子身中の蟲 が援軍の件を出し渋ったから?
いえ・・・正確には、援軍は派遣されなかったのではなく、予定通りに増援に向かったけれども――― 一兵たりとも現地には到着しなかった・・・
他の何者かにより、全滅させられた・・・それ以外の事実が、別にあったらば―――の話なのですが・・・
では―――味方の増援として向かったカルマ軍は、一体誰の手によって全滅させられたのでしょうか。〕