≪三節;跋扈する者達≫
魔:グヘへへ〜―――これからモレたちの向う先には、えれえ〜別嬪が軍の指揮をしてるって噂じゃねぇか・・・
魔:ナニ―――?そいつはけしからんなぁ〜一度モレたちの強さ・・・っちゅうもんを見せつけて、モレたちの子孫を増やしちまおうぜ?
魔:ケヒヒ―――お前ぇはすぐそれだもんよ〜だが・・・闘う女の肉の締まりはいいから、よくモレたちのモンに馴染むんだよな〜〜。
〔今―――カルマの援軍の魔物兵が、口々に疚しいことを吐きながら行軍している・・・
そう、このまま彼らが増援に向かえば、リリアやセシルは文字通り大惨敗を喫し、彼らの言葉通りになるところだったのです。
けれどもそうはならなかった―――・・・
それと云うのも、カルマ軍も・・・況してやパライソ軍も想定においていなかった 第三者 の登場で、
東部方面の戦局・戦略両方面にて見直しをせねばならなくなってきたのです。
カルマ援軍―――総勢六千の兵は、分岐点である クロスクリミナル台地 から各方面に赴こうとしていたところ・・・〕
魔:はらっ―――? なんだ・・・あれは。
魔:あっ―――ありゃあ トウテツ だ! しかし・・・その上に跨ってんのは―――?
魔:ケ! ふざけやがって・・・鬼の面をつけて何様のつもりだ―――!!
〔その場所には、たった一匹・・・トウテツと呼ばれる獰猛な大型の魔獣と―――
一人の、鬼の面をかぶった女性らしき者がいるのみ・・・なのでした。〕
魔:おうおうおう―――こらこらこら・・・お前ぇそんなとこにいたんじゃ邪魔じゃねえか。
魔:そうだぜぇ〜それによ―――お前ぇらは、これからカルマの奴隷となっていくんだ。
魔:ケヒヒヒ・・・そうそう―――お前ぇ一人が正義漢ぶったところで、六千はいるモレたちにどう立ち向かおうってんだ?
謎:ン・ククク―――・・・そうかい、六千・・・ちょいと物足りないようだが、私の魔斬(まきり)もここのところ血を吸わせていないんでねぇ・・・
さぁて―――狩るとしようか・・・相棒。
〔その存在は、強兵と謳われるカルマの兵を見ても少しも怖じることなく、逆に不気味な笑みを湛えながらも不敵な言葉を云い放ったものでした。
しかも―――その存在が持つ血の色のような刀に・・・例の言葉―――『刀に血を吸わせる』・・・?
血を・・・吸う・・・刀―――吸血・・・鬼?
云うが早いか―――大型の魔獣・トウテツの背より飛び退いた女の・・・ヴァンパイアは、
近くにいたカルマの魔物兵に飛び掛かると、たった一刃の下―――その魔物兵を物言わぬ・・・ただの物体にしてしまったのです。
そう・・・その存在の正体とは―――生者総ての敵である・・・ 夜魔の王:ヴァンパイア ―――
この、世俗より離れたる魔物が、己の退屈しのぎと腹の足しになるものを求めに、現世に彷徨い出た―――・・・〕
吸:ハハハハ―――! ほ〜らほら――――どうした・・・抵抗をしろよ―――無駄な抵抗を!!
そして―――もっと私を愉しませておくれ・・・!