≪四節;ヴァンパイア―――“子爵”≫

 

 

〔そのヴァンパイアは―――手当たり次第に・・・刃向ってくる者であろうが、逃惑う者であろうが、

戦場を朱に染めて逝きました―――・・・

 

滝のように噴出す血飛沫が、己の身に降りかかる―――その前に、次の犠牲者の血潮が流れていた・・・

 

たった一人―――対、六千ものカルマ兵・・・

 

けれど結果は、普(あまね)くヴァンパイアの振るう刃やトウテツの歯牙にかかり・・・全滅―――

 

そして―――今、残った最後のカルマ兵も・・・〕

 

 

魔:ひ・・・ひいぃぃ―――お、お助けを゛〜〜!!

 

――我ガ剣旋風ノ如シ――

=真空旋風斬=

 

 

吸:ふぃ〜っ―――戦闘終了・・・と。

魔:お疲れ様でございました―――子爵様・・・

  丁度、ティーのお時間でございますが、いかがなさいましょうか・・・。

 

子:(子爵;供の魔獣であるトウテツ(人間ver)より、そう呼ばれたヴァンパイア。)

  そうだねぇ〜〜それじゃ一杯もらうとしようか―――

ト:―――畏まりました。

 

子:いっやぁ〜―――それにしても、タイミング的にどんぴしゃり!・・・だったねぇ。

  おかげでいい汗をかかせてもらったよ―――

ト:恐縮にございます―――

 

 

〔そのバンパイアは―――どうやら“子爵”と呼ばれるようでした。

 

それにしても六千もの軍勢を一度に相手にしておきながら、軽い運動程度にしか考えていなかったとは・・・

しかも―――供の魔獣であったトウテツが人間の姿となり、寛ぎの提供とも云えるモノを淹れ、運動直後の咽喉を潤すかのように湿らせる・・・

そこにはまさに、魔族とは云えど貴族の嗜(たしな)みがあったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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