≪四節;本末転倒≫
〔今回の事件については、半ば心当たりありまくりだった者達からしてみれば、
罪を被せられた者があまりに哀れに感じ、マキへの弁護をしたのです。
ではなぜ―――サヤがマキの弁護をしてやったのかと云うと・・・
今まさにその理由を述べようとしていたところ、定食屋の奥の方―――
つまり、食材などを保管・貯蔵している場所から、何とも云えない・・・まるで鶏を絞めたような声―――蛙が潰れたような音がしてきて、
なにがあったのか・・・・と、皆してそこへ足を向けてみると、そこには真犯人らしき女性が、のた打ち回っているのでした。〕
ユ:・・・なにをやってんの―――この人。
料:結論から申し上げますと、私が作ったこの葛切りの餡に、仕込ませておいた芥子が作用したものと思われるのです。
そうでうよねえ・・・エルム様―――
〔なんと―――その場にてのた打ち回っていたのは、あのエルムなのでした。
それにしても、どうやらこの方は今回の事件の当初からの主犯のようでして―――
この方の性格と弱点を知るサヤとマダラにより、最も効果的で恥とも云える『毒まんぜう方式』で真犯人を懲らしめられたのです。
それにしても―――・・・〕
エ:ひいぃ゛〜〜ぎゃ゛ら゛い゛を゛〜〜―――! みじゅ゛・・・みじゅ゛ぅ゛〜〜!!
サ:まったく・・・なにやってんだよ―――あんたは。
エ:サヤ゛ぢゃぁ〜ん―――ぞんな゛こと云わずに゛〜〜―――みじゅ゛・・・みじゅ゛ぅ゛〜〜!!
サ:・・・どうやら反省してねぇようだな―――ごめんなさい云うまで水はおあづけです。
エ:ええ〜っ?! ・・・ごめ゛ん゛な゛ざぁい゛―――
料:(部下に謝る主人・・・て一体―――)
サ:はぁ〜・・・ヤレヤレ―――ま、いいだろ、はい・・・。
エ:(ン・ゴキュン〜―――ゴキュン〜―――)
・・・ぷはぁ〜! いっゃあ〜一時はどうなる事かと思ったよ―――
それより、話は変わるんだけどね、なんだって甘いものにあんな殺人的な辛いものを混ぜ繰り合わせたんだい、
理由のいかんによっちゃただじゃ済まさないよ―――!
料:ほほう―――まるで心当たりがない・・・と。
エ:当ったり前だろ?この世にある総ての甘いものは、私のためにあるのさ―――!
サ:(えばって云う程の事かよ・・・)
でもさぁ〜他人様のモンまで食っちまうのは、どうかと思うんスけど―――・・・
エ:は? 何を可笑しなことを云ってんだろね、この子は―――・・・
ユ:・・・たしの、水羊羹にアベカワ食ったのは―――お前か!お前がやったんか!!#
エ:お・お・お・お―――なんて激しい子なんだろね。
〜にしても水羊羹にアベカワ? うんうん〜中々通(つう)なチョイスをするよね―――
だから私は嬉しくなっちゃって、つい―――・・・
料:(それにしても・・・かけられている疑いを否定すらしないとは―――或る意味大物ですよね。)