≪二節;戸惑い≫
〔今日(こんにち)・・・ラムベスに駐留しているセシルには、ある悩みがありました―――
その悩みの種ともなっているのが、ビーストライダー ―――・・・
巨大な魔獣に跨(またが)り―――銀の髪を捌(さば)き―――血刀を振るいながらカルマを狩って行く者・・・
しかし、セシルの内では大方の目安がついていたのです。
それに加えて、良きパートナーであるホワイトナイツの彼からの、その種族に関しての知識を得・・・次に出没する時期を特定するまでに至った。
それが今日―――・・・
でも・・・彼女は、その現場を押さえてどうするつもりなのだろう―――
知らないままでのもやもや感は解消されるかもしれない。
けれども、どう云う事情であれ、結果として自分たちはヴァンパイアである彼女に助けられているのだ。
なのに―――・・・・
それに、西部戦線でも同じような存在――― 蒼龍の騎士 が跋扈をしており、未だ持って正体も知られていないと云う・・・
ならばこれでよいのでは――――?
セシルは葛藤していました―――
素知らぬ顔をして人間社会に潜り込み、いざ自分たち人間が危険に晒されると救いに来てくれる存在・・・
日頃は不器用で、べそを掻いていた処を見たことも幾度かある・・・
そんな存在が―――・・・
しかしどんなにセシルが悩んだところで、時間と云うものは待ってはくれなかったのです。〕