≪三節;行軍を横目で追う視線≫
〔イセリアのハルモニカ城帰還を機に、リリア達は各々の持ち場へと散って行きました。
その一つであるラムベスの砦に、此度の作戦の認可が下りたことを伝えるミルディンが・・・〕
セ:―――お帰りなさい。
それで・・・作戦はどう決まりましたか。
ミ:ウム―――近々、カルマの三大兵糧庫・・・チンソー・ジュウテツ・ヨウテイを奪還するものと決定した。
〔今回彼らが話し合って立てた作戦とは、カルマ(元クーナ)の抱えている三大兵糧庫―――チンソー・ジュウテツ・ヨウテイを取り戻すことを重点的に話し合われたものでした。
確かに、敵に“食”となるところを握られていたのでは、政策的にも・・・また軍事面においても弱味を握られている処となり、
このままではカルマに頭の上がらないまま―――となってしまうので、そうしないためにもこの三拠点を奪取することは至上の使命のようなものでもあったのです。
そのうちの一つであるジュウテツの攻略を任されたセシルとミルディン・・・
その―――ジュウテツ方面に向かって行軍するパライソ軍を、横目で見つめる一組の視線が・・・〕
サ:・・・なあ―――これからどこへ行くんだって?
マ:ジュウテツ―――だ、そうです・・・。
サ:ふぅ〜ん・・・
マ:いかが・・・なされたのですか―――いつものあなた様なら勇み立っていましたものを・・・
サ:だぁってさぁ〜〜あの―――セシルって人ったら私をスンごく怪しい目で見るんだぜ?
それをさあ〜〜何も渦中に飛び込むようなことはしなくていいだろ?
マ:・・・然様―――ですか。
では、そういうことにしておきましょう。
サ:ぁあ゛ん゛?# なんだか随分と気に入らないモノの云い方をするもんじゃないか―――マダラ。
私が、いつも情に流されっぱなしだと思ったら―――
マ:・・・いつも流されっぱなしの人ですのに―――
サ:こんのヤロ〜# そぉ云う事は私に聞こえない声で云え!!
〔ここ最近は近隣の集落グリザーロに支店を出し、主に東部方面への食糧供給や栄養面での支援活動を展開させている、
皇国直営の食堂に勤務をしていると見られる、姉弟(?)と見られる一組の男女―――
その一組の男女は、これから戦場へと赴こうとしている兵士たちを見つめ、これからどうするか―――を話し合っていたのです。
けれど・・・そう―――この一組の男女こそは、人間ではない者・・・
しかも、セシルが「怪しい」―――と、目をつけている者たち・・・
そのことを知っていたためか、一族の中でも階級が次に高い者は、わざわざ危険に近寄ることはない―――とはするのですが、
古(いにし)えからの性格を知っている者からは、「そんなことはできやしない」と揶揄されてしまうのでした。
ともあれ――― 一つの兵糧庫を陥すために戦地に赴いてみれば、すでにこちらの動きを察知していたのか、
近隣の拠点から出陣し、迎え撃つための陣が張られていたのです。
これにより正面切っての戦闘が開始され、どちらも相譲らないまま―――初日の戦闘は終了を迎えたのでした。〕