<第百十三章;Vampaia Elagy―――V>
≪一節;一夜過ぎて・・・≫
〔その人物の強さは―――企画外・・・
或る夜半に現れたカルマの奇襲を、何食わぬ顔をして蹴散らした・・・
しかしリリアが気がついた次の瞬間、その人物は姿を晦ましていたのです。
思えば―――その人物に関しては不思議なことばかり・・・
自分の良きパートナーと、仲睦まじい時間を演出していたのに、こっそりと覗き見をしていたり―――
・・・か、とも思えば、強兵で知られるカルマを向こうに回し、まさに縦横無尽の大活躍。
益々疑問が深まっていくばかりなので、リリアは今回のことをパートナーであるハミルトンに話してみることにしたのです。〕
ハ:ほう―――それは珍しいこともあったものですね。
リ:―――でしょう? それなのにあの人・・・すぐにその場からいなくなっちゃって。
ハ:ハハハ―――それは恐らく、その時リリアが怒っていたのを思い出したからではないですか。
リ:ハミル―――それってないと思うわ? 失礼しちゃうわね・・・
ハ:これは失礼―――それよりも・・・
リ:ええ―――このことは一応、イセリア達にも話しておこうと思うわ。
〔今回、自分たちが預かる砦が夜襲に遭い、敵を退けたことを仲間たちに報告しようとするリリア。
そこで彼女は、今回あった奇妙なことも交えてしてみようとしたのです。〕