≪二節;明けて朝・・・≫
〔夕べの疲れをすっかりと落としたリリアは、仲間であるイセリアやセシルに会うため、東部戦線の前線基地の一つともなっているハルモニカ城まで来ていたのです。
その一方で、やはり同じくして昨晩夜襲に遭っていたイセリアにセシルも、ハルモニカ城の一室に集まりすでに昨晩のことについて話し合っていたのです。〕
イ:なるほど―――私とギルダスの詰めているここハルモニカもカルマの夜襲に晒されていましたが、思ったより数が少ないと感じたのはそう云う事でしたか・・・
それにしても、その様子だとかなりそちらの悩みも深刻そうですわね。
セ:ええ―――でも私・・・なんだか彼女たちが闘う気持ち・・・いえ、現在においてもどうして闘っているのか、判ってきたような気がするの。
これは私なりの仮説なんだけど・・・西部の「蒼龍」にしても東部の「ビースト」にしても、その正体は人間ではない・・・と、は云え、
ここ最近で明らかになってきている彼らの行動は、彼らがいくら否定しようとも私たち人間―――ヒューマンを護るかのような行為ばかり・・・
考えてもみて―――昔から私たちは、人外の者である彼らの存在を避け、あわよくば人類の天敵として見做(みな)してきた過去があるのよ。
イ:ふぅん・・・それが―――今回の件では見直さなければいけない・・・と、あなたは云いたいのね。
―――あら、リリア・・・
リ:あっ―――もう来ていたの。
ところで・・・昨晩私たちが預かっているマドュラが―――
イ:あなたの処でも夜襲に遭いましたか―――
リ:―――て、事はあなたたちも?
イ:そうよ、そして今・・・セシルが非常に興味深い―――面白い話をしてくれているの。
リ:面白い・・・?
イ:ええ―――ビーストライダーに助けられた・・・と、云う、ね。
リ:助けられた・・・それも私と同じ?
セ:あなたも―――?
リ:ええ・・・でも、相手はビーストライダーじゃない―――少しばかり不思議な感じのする人なの。
〔その部屋では、すでにイセリアとセシルが今回のカルマ夜襲の件について話していました。
そして、今現在・・・最も東部においてその動向が一番に注目されている ビーストライダー のことについて、
セシルが自分なりの見解を主張していた処に、少しばかり遅れて入室してくるリリアの姿が・・・
そしてそこでも、この度の夜襲に関して、ある存在に助けられたとするリリアだったのですが、
リリアを―――マドュラを―――そして大きな括りではパライソを助けたとするある存在のことを詳らかに説くと・・・〕
セ:ええっ?! 二・・・二ヶ大隊を―――?
イ:たった一人で―――壊滅・・・
リ:ええ―――信じられないでしょうけれども、一番信じられなかったのはその現場にいた私なのよ。
なにしろ・・・その人も気がついた時には霧・霞のように姿を消しちゃって―――
イ:・・・人間技ではないですわね―――
リ:それより・・・セシルの―――ビーストライダーの一件はどうなったの。
セ:・・・実は―――そのことに関しては、一つ心当たりがないわけではないの。
〔カルマの二ヶ大隊をたった一人で壊滅に追い込んだ存在がいる―――
それだけでも信じ難かったのに、もう一つ不可解だったのは、その存在の出現の仕方・・・
まるで、こちらが危機に遭っているのを見ていたか―――の、ように、突如として現れ・・・斯くもトラブルを片付けて去って行ってしまう。
この仕様は―――そうだ、彼らに似通っている・・・
西部の「蒼龍の騎士」 に 東部の「ビーストライダー」
それに、そのうちの一つであるビーストライダーには、心当たりがあり過ぎると云って過言ではない人物を知っている―――と、セシルが口を開き、
ならば・・・と、云う事で、雪月花の三将が揃ってその人物の見定めを行う事となったのです。〕