≪二節;復活の儀式―――レザレクション≫
〔そしてこの時―――シェトラルブールの陣は、ある者を受け入れていたのでした。〕
サ:ふぅ・・・なるほどな―――
リ:あっ、サヤさん・・・サヤさんなの―――?
マ:エルムちゃんの・・・そか―――そうだよね。
今まで育ててきてくれた人なんだから・・・見棄てらんないよね・・・。
サ:ヘヘッ―――バァ〜カ、ナニ湿っぽくしてるんだよ。
もとい―――私はこれからチョイとすることがあるんでね・・・
ソシアル―――ヘライトス―――用意はいいかい。
へ:はい―――
ソ:いつでも―――
サ:つぅ〜わけで、ヒューマンであるあんたたちにはちょいと目には毒だ、ここから出て行ってもらおうか。
マ:―――いやだ・・・
サ:・・・あんのさぁ〜―――聞き分けのないことを云ってるんじゃないよ?
刺激が強すぎるから見るのをやめとけ〜〜ッつうの。
リ:刺激〜〜と云っても・・・コレ―――
サ:うわっ!・・・なんだこれ? ―――うげ!臓物じゃないよ!! 誰だぁ〜?こんなグロいの持ち込んだの・・・
マ:あたしだよ―――だって、エルムちゃんキュクノス・・・ってヤローに臓腑(はらわた)抜かれた・・・って聞いたから、代替のモン奴らの兵から取ってきてやったんだよ。
サ:うへぇ〜〜そう云う事よく平気で出来るよねぇ〜・・・私ゃ感心するよ。
まぁいいや―――んじゃ、これから私たちが何をするか見せてやろう・・・その代わり、気持ち悪くなったらすぐに出て行くんだよ。
〔リリアが陣を張っているシェトラルブールに、間もなく姿を見せたのはヴァンパイアの子爵であるサヤでした。
この彼女がここに来たのは、よろしくあることをするために来ていたようで・・・ヘライトスやソシアルもそのことを手伝うために、駈り出されようとしていたのです。
しかも、どうやらこれから彼女たちがしようとすることは、人間であるリリアやマキには刺激が強いらしく、見ることのないように陣の外に出るように促したのですが・・・
しかしそのことをマキが頑(かたく)なに拒んだのです。
これからサヤが何をしようが関係ない―――ただ異種とは云え自分によくしてくれた人を、これから見送らなければならない・・・そんな連帯感のようなものを感じていたのでした。
それにしても、ヴァンパイアたちの一族たちは、物云わぬ主を前に―――なにをしようとしていたのでしょうか・・・〕
サ:―――では、これより典礼に倣い 復活の儀式(レザレクション) を執り行う・・・
リ:レザレクション―――・・・と、云う事は!!
マ:エルムちゃんが生き返るの?!
サ:だ・が・・・その前に、私の肚内に収められている 血生魂 を採り出すことにしよう。
リ:えっ―――あっ、サヤさん・・・な、何を・・・? あなた―――自分のお腹を・・・?!!
へ:しっ―――お静かに・・・集中が乱れます。
マ:うっわ・・・何、アレ?あれが・・・ひょっとすると血生魂ってやつ?!
リ:あっ・・・?サヤさん―――さっきの傷が・・・
サ:だから・・・心配するほどのことじゃなかっただろ。
けども―――ここからが正念場さ・・・この私でも拝むのはこれが初めてなんで、ね。
リ:すると―――云う事は・・・
サ:そ―――今までに前例がなかったって云うのも、“する必要”がなかったから―――だろ。
ま・・・なんにしても、正が出るか邪が出るか―――それが総てなんでね。
〔まづヘライトスとソシアルが対極の位置に着き、中央で術者であるサヤが自らの掌から血刀を出現させ、
その血刀で自分のお腹を十字に斬り裂くと・・・そこからはなんとも形容しがたい気色の悪い物体が、サヤの肚から取り出されると・・・
それが昨今噂になっている血生魂と呼ばれるものなのでした。〕