≪五節;歴史より抹殺されし者≫
〔するとその存在は―――自らの名を明かしました・・・
嘗(かつ)ては―――古(いにし)えの帝國の重鎮であり、普(あまね)く武名を馳せた功臣の一人でした・・・
けれど―――帝國の中興期には、その強さや・・・強きを求めて已(や)まない性格が災いを為し、歴史の彼方に葬り去られてしまった存在―――
そのことを不憫に思ってしまった帝國の、さある高官の取りなしによって・・・急遽娘であったエルムが当家を踏襲し、どうにか取りつぶしは免れた・・・
政治的陰謀に巻き込まれ―――当時は「龍皇」と称する帝国の功臣の一人と強さを分かち合っていた、歴史上のスケープゴート・・・
その名を―――・・・〕
サ:エルムドア・・・
へ:マグラ・・・
ソ:ヴァルドノフスク・・・
リ:それに・・・大公爵―――って・・・
エ:フ・・・いかにも―――古(いにし)えより余を知る者は、大公爵・・・と、のみ、そう呼ぶ。
マ:・・・じゃあ―――やっぱり、エルムちゃんのお父さんなんだね。
行こうよ―――エルムちゃんの仇を取りに!
〔その人物の名は――― エルムドア=マグラ=ヴァルドノフスク と、名乗りました。
しかし―――古(いにし)えの帝國の歴史を記したどの書物にも、その名は載ってはいなかった・・・
それ故に、その人物のことをよく知る者など・・・おりはしなかったのです。
それに、その人物は同時に、自身のもう一つの呼ばれ方も示しました。
それが・・・大公爵―――
魔界の貴族階級でも、前例のなき高貴な身分にありながら―――なぜ・・・歴史の表舞台から消し去られようとしていたのか・・・
それとも―――これも何かの陰謀・策略なのか・・・
総ては―――そう・・・総ては・・・凄絶なる闘争の果てに見定めていくべきことなのです。〕
To be continued・・・・