≪四節;カルマの中の確執≫
〔一方その頃・・・ジュウテツの前哨基地であるテイグン山砦が陥落した報を受けた、ハルナに留まるフォルネウスは・・・〕
フ:ナニ?キュクノスの奴が―――?
将:はい―――しかもキュクノス様の反応が失せた後、あの砦が陥落してしまった模様で・・・
フ:フム、そうか―――判った・・・下がっていいぞ。
(・・・莫迦な奴が、あれほど云っておいたのに、己の力を過信しおって。)
〔当時フォルネウスは、東部方面の担当であったキュクノスの補佐としてこちらに赴いていました。
故に、以前にキュクノスと同じ砦にいた―――と、云うのも、パライソの動向を共に窺っていたところのようです。
しかし―――意外にも歯応えがないためか、フォルネウス自身は戦線をキュクノスに任せ、後方のハルナに引き上げていたのです。
そんなところに・・・の、この報せに、七魔将の一角の不手際を責めると共に嘆いてやっていたのです。
すると・・・こんな時に限り、あまり顔を合わせたくない人物が―――〕
カ:(カイン=ステラ=ティンジェル;現在ではカルマに属してはいるが、シホたちと同じく「埋伏の毒」の一人。
なお、セシル=ベルフラワー=ティンジェルは、彼の実妹。)
どうやら・・・敵さんも本腰を入れてきたようですな―――
フ:ち・・・卿か―――
フン、取るに足らない、キュクノスとこの私を同じ目線で捉えているうちは・・・な。
カ:フフフ―――いやぁさすがだ、三傑の云われることは一味違う。
あのキュクノス殿をしても、足下に及ばない―――と、しているとは・・・
フ:・・・何が云いたいのだ―――
カ:いや、なに―――まさか・・・あんたさんに限って・・・と、云う事もないと思いましてね。
フ:フン―――失礼する。
〔その人物とは、あのカインでした―――
それに、彼と顔を見合せた時、フォルネウスが面白くない顔をした・・・と、云うのも、
カイン率いる一派が、以前にこちら方面の主力であったヴェネフィックの兄妹を、人知れずのところで葬り去った―――
この面白くもない風聞を、カイン自身も強く否定もせず―――肯定もせず・・・有耶無耶のうちに霧散化させてしまったことにも関係があったようです。〕